2013年5月9日
/ 最終更新日 : 2013年5月9日
fujii
アメコミ
ふじい(以下F)「アメリカと言えば、ゴリラとゾンビ。最近、こんなことが巷で語られています」
サイレン(以下S)「そんな巷、俺知らないよ!? その巷って、池袋の某中華料理屋のテーブルか、大山の某焼肉屋のカウンターだろ!?」
F「美味いよな、あの店両方共。それはそれとして、ゴリラとゾンビですよ。この2ジャンルにおいて、アメリカは強烈な強さを持っている。最も、ゾンビに関しては、最近日本もだいぶ色々なものが出揃ってきているけど。多種多様なゾンビ物の発生は、裾野の広い日本漫画界の本領発揮と言えるかもしれん。最近は、ゾンビ」
S「そういやマーベルゾンビーズは邦訳トップクラスで売れているらしいな」
F「アメコミの無茶苦茶さの代表格として、結構長い間、日本でネタにされ続けてきたからなあ……インパクトだけで言うなら、間違いなく邦訳どころかアメコミ史でも随一な企画だし。だがしかし“ヒーローのゾンビ化”をテーマとしたシリーズには、ゾンビーズとは一線を画した上で、勝るとも劣らない傑作がある。それこそが今回取り上げる、『Marvel Universe Vs. the Punisher』『Marvel Universe Vs. Wolverine』『Marvel Universe Vs. The Avengers』の、通称マーベルユニバースVSシリーズ(以下VSシリーズ)だ。アメリカで突如発生した、食人鬼(グール)化現象。人々が、ヒーローが、ヴィランが、喰らい貪る地獄における、三編の物語。パニッシャー、ウルヴァリン、ホークアイ(Vs. The Avengers主人公)、三人の男は、地獄と化したNYで、果たして何を見出すのか。旧来路線のゾンビものがゾンビーズなら、戦うヒーローの枠から外れていないのが、VSシリーズだ。既存の路線で名作が生まれている状況で、ベクトルの違う傑作を生み出したことは、もっと大々的に評価されてもいい」
Marvel Universe Vs. the Punisher
食欲で生きるグールと、彼らの餌でしか無い人間。荒廃したNYに残るのは、捕食者と食料、そして捕食者を狩る一人の男。無力な人でありながら、パニッシャーは超人的なグールを狩り続ける。
Marvel Universe Vs. Wolverine
異変は、日常において始まった。きっかけを目撃し、事態に気づいた時、既にグールの波は、ウルヴァリンの手に負えぬ段階に達していた。X-MEN、アベンジャーズ、ファンタスティック・フォー、チームメイトや友人がグールとなる中、ウルヴァリンは戦い続ける。
Marvel Universe Vs. The Avengers
生き残ったヒーロー達は、必死でグール化現象に立ち向かっていた。ホークアイも、その一人である。徐々に追い詰められていくヒーローに差し向けられた、救いの手。魔法と科学を識る男Drドゥームは宣言する。自分に従えば、グール現象は止められると。
S「……」
F「どうした? 予想外で未知のタイトルだったか?」
S「てっきり、導入部がゴリラとゾンビだったから、今日は『MarvelZombies Evil Evolution』の話かと」
F「アベンジャーズ(ゾンビ)対アベンジャーズ(猿)な時点で、もはや完成されすぎだからな、コレ。キャプテン・アメリカ同士、夢の対決! ただし片方は腐っていて、もう片方はゴリラだよ!」
S「素敵すぎて、駄目だコレ!」
more