デッドプール邦訳奇譚~デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール~

デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール

デッドプール Vol.5ウェディング・オブ・デッドプール

あらすじ
デッドプールが遂に結婚!? 人生の墓場もとい分岐点を祝い、続々と駆けつけるヒーローやヴィラン。だが実は、俺ちゃんもう何回も結婚してるんだよね。過去にデッドプールを担当したライター&アーティストが大集結。過去のデッドプールの恋バナを描く、デッドプール結婚アンソロジーも収録! 他にも、デッドプールVS帰ってきたヒトラー。デッドプールの根源に迫る、もう一人の狂人ヒーローマッドキャップとの対峙。デッドプールはちゃめちゃ劇場、ここに開幕!

 

ふじい(以下F)「気づけばもう発売じゃん! ということでね、色々すっ飛ばして、デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプールの紹介だ」

サイレン(以下S)「まだ邦訳奇譚で紹介してない本、かなりありますよね……?」

F「はっはっは、毎月毎月デッドプール関連誌だけで数冊も出る状況じゃあ、そうそう追いつけねえよ。嬉しいけど無理! ありがたいけどキツい! だから、今回は色々すっ飛ばしてもう、ウェディングだ! 俺は開き直ったぞ!」

S「Vol.5のウェディングをこうして紹介するってことは、マーベルナウ!シリーズのナンバリングも、一冊づつちゃんと紹介するってことか?」

F「うっせー馬鹿! この間行った、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン! 子供向けのスヌーピーコースターでビビって、中々だったし二回目行こうぜ! と誘った瞬間、逃げ出しやがって!」

S「全くこの場に関係ない悪口と暴露のツープラトンだ!」

F「実際身長制限なしで子供向けだけど、速度とかかかってくるGはかなりマジだったよな、スヌーピーコースター。正直、身長制限のあるフライト・オブ・ザ・ヒッポグリフよりハードだったと思う……まあ、スヌーピーでビビリ倒したお前は、ヒッポグリフからも逃げ出して行方不明になったわけだが」

S「あれキツかったよねーとフォローするように見えて、更にディスってるよ!?」

F「ユニバーサル・ワンダーランドゾーン、子供にもウケがいいスヌーピーやセサミ・ストリートやキティちゃんをメインにした低年齢向けと見せかけて、たまにガチなモン、混ざってるよな。そしてデッドプールと言えば、キティちゃん好き。ほら、関係ないような話に見えて繋がった!」

S「脳細胞がトップギアどころか、エンストしてるような話の脱線っぷりだったな」

 

 

F「ウェディング・オブ・デッドプールにはウリがいくつもあるんだけど、まずは当然コレだな」

特徴その1:デッドプール結婚!

S「鉄板だ。わざわざ言わなくていいんじゃない?」

F「この間、邦訳が発売されたデッドプール:ドラキュラズ・ガントレットから連なる、一連のストーリー。結婚相手に関しても、ドラキュラズ・ガントレットを読もう! ネタバレは防止しないとな!」

S「このサイトに来ているような人は、みんな結婚相手既に知ってるんじゃないかな……」

F「シャラップ。ああ別に、ナンバリングどおりデッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールドの次に読んでも問題ないぞ。元々、ドラキュラズ・ガントレットは非ナンバリング作。そりゃ、読まなくてもOKな作りにはなってるわな」

S「時系列的には、デッドプールVSシールド→ドラキュラズ・ガントレット→ウェディング・オブ・デッドプールなんだっけ?」

F「そうだな。ただぶっちゃけ、いきなりウェディングから読んでも、OKですよ? デッドプールの特徴として“あーわりと、何処から読んでも平気っすよ”ってのはあるからな。確かにデッドプール Vol.1から読むのが、ベストな形なのかもしれんが、ベストを求めたらキリがないし、せっかく興味を持ってくれた人への要求ハードルも高くなる。あんまり正しい形にこだわると、角を矯めて牛を殺すようなことになりかねんしな……」

S「やりすぎは、よくないってことか。で、肝心の結婚なんだけど」

F「結婚式といえば、様々な演者が集まる場所。最も多くキャラクターが描かれた表紙としてギネスブックに認定された表紙に負けず、本編もまたてんこ盛り。ケーブル、キャプテン・アメリカ、ウルヴァリン、タスクマスター、ボブなどなど。好敵手や友人ポジションのキャラだけでなく、アベンジャーズもX-MENやファンタスティック・フォーにクライムファイター勢も総出演な勢い。ヒーローとヴィランの間をフラフラしてたデッドプールの結婚式だけあって、ヒーローだけでなくヴィランもいるぞ!」

S「シビルウォーみたいな大戦争でなく、結婚式という平和なイベントでこんなにキャラクターが集まるのは、珍しいかもな」

F「更に忘れちゃいけない、デッドプール結婚記念アンソロジーも収録! デッドプール曰く、自分は初婚ではなくもう何度も結婚している。ならばその複数回の結婚とは。デッドプールの結婚に際し、かつてデッドプールを担当したライターやアーティストも一挙集結。デッドプール生誕期から現在までのレギュラーシーズン、ケーブル&デッドプール、数々の中短編などなど。デッドプールに関わってきたクリエーターが描く、デッドプールの知られざる恋愛譚! それすなわち、結婚をテーマにした短編集!」

S「知られざる恋愛譚って、後付ってことですよね?」

F「オフコース! でも、当時担当した人間がその当時の物語を描くこと。それはむしろ、結婚という節目に求められていたことだし、このメンバーを集めたのならば当然のこと。後付だったとしても、それは最高級になるんじゃないかな」

S「……確かに、全く関係ないライターやアーティストが過去話を書くよりは遥かにいいし、これだけのメンツを集めておいて、彼らが担当してきた過去を補強させないのは人材の無駄遣いか」

F「この恋愛譚自体も、笑いあり涙ありSFあり、話によって出てくる結婚相手も意外な有名キャラがいたり、その場限りのキャラもいたりで、実にバリエーションが豊富。そうだなあ、その中から注目作を上げるとしたら、やはり映画デッドプールでヒロインを務めたヴァネッサ(コピーキャット)が出てくる短編かな」

デッドプール&ヴァネッサ(コピーキャット)

F「コミックスにおける彼女はどんなキャラで、デッドプールとはどんな関係だったのか。それが一発で分る、まさに映画後に読むにふさわしい短編、どひゃあ! となる意外な結末も含めて、必見だ! あと地味に、デッドプールの好物に関する設定が、めっちゃ補強されているからな!

S「あとはやっぱ、ドクター・ベティが出てくる話? 彼女、デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウスのキャラだよな」

デッドプール&ドクター・ベティ

F「デッドプール邦訳史上の魁となり、何度も重版するぐらい大ヒットしているデッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウスの描き下ろし新エピソードが収録。こりゃあ、おいしいぜ! セクシーなブロンド眼鏡っ娘に、また会える!」

S「欲望に忠実すぎる!」

F「眼鏡っ娘とは、美学なのさ。あと、結婚式の後といえば、ハネムーン。新婚旅行よ。その行き先は日本、さあ妖怪をウォッチして、ビルをキルするような人にも出会える、ドキワクな旅行の始まりだ!」

S「今、改めて読んだけどさ。俺達が住んでいる国って、こんなに物騒だったけか……?」

F「ニンジャスレイヤーなら日常茶飯事よ」

 

 

F「続いてのウリは、コレだな」

特徴その2:デッドプールVS帰ってきたヒトラー

S「映画の興行収入の話?」

F「違う違う! タイミング的にコイツ持ってるとしか思えねえ……な構図かつタイミングでの邦訳だけど、違うから! ベルリン陥落直前から50年代にタイムスリップしてきたヒトラーが、第二次世界大戦当時、兵士として大暴れしてたニック・フューリー(SHIELD就職前)に復讐しようとする話があるんだって!」

S「おいその説明、デッドプール要素が一切ないぞ」

F「ベルリン陥落直前から50年代にタイムスリップしてきたヒトラーが、第二次世界大戦当時、兵士として大暴れしてたニック・フューリー(SHIELD就職前)に復讐しようとする話があるんだって! なんでかそこにいた、デッドプールも巻き込んで!」

S「申し訳程度にデッドプール要素が付け加えられた!」

F「はっはっは、かの有名な総統閣下シリーズとその元ネタとなった映画「ヒトラー ~最期の12日間~」を髣髴とさせるシーンもあったり、ヒトラーの最期の謎も判明したりと、全力全開でナチスやヒトラーをからかい倒してるぞ」

S「それにしたって、一昔前だと、海外でナチスやヒトラー関係をやるのは規制の関係で難しいって言われてたけど、結局どんな感じなんかねえ。ほら、キン肉マン マッスルタッグマッチの海外版でジェロニモとトマホークに差し替えられた、ブロッケンJrと毒ガス攻撃とかあったじゃん」

F「うーむ……時と場合によるんじゃないかなあ。例えばコミックスのヴィランだとナチス残党系のキャラなんてごまんといるし、映画でもさんざんネタになってる。ただ子供向けのキン肉マンのゲームでは、ブロッケンJrはちとマズいかなと判断したのかもしれん。ただ、今回のデッドプールのヒトラーに関しては、遠慮一切なしというか、下記画像を持ってくる域には達してるな」

もう少し手心というか……

 

 

特徴その3:?????

S「伏せ字!?」

F「コレに関しては、是非自分の目で確かめてほしいとしか言い様がないな。言えることは二つ、まずこの???はデッドプールというキャラの根幹に関わっているということ。ひょっとしたら、今現在出ている邦訳されたデッドプール関係のコミックスの中で、最もデッドプールの深層を描いているかもしれん」

S「その域なのか……」

F「そしてもう一つ、この???に深く関わっているのは、謎の男、マッドキャップであるということ」

マッドキャップ

S「あまり聞いたことのないヤツだが、どういうキャラなんだ」

F「事故により信仰も家族も友人も失ったある信心深い男は、信仰と正気を失い、途方も無い狂気と不死の身体を手に入れた。どんな怪我からも回復できる超再生能力と、他人の羞耻心や抑制心を壊す能力で、容易く他人の精神と人生を狂わす能力を持っている。かつてはキャプテン・アメリカやウルヴァリンも苦しめた、マーベル屈指のトリックスターだ」

マッドキャップVSウルヴァリン

S「不死の能力と、本人の狂気。トリックスターであること……似てるな」

F「ああ。マッドキャップは、デッドプールによく似ている。初出自体は1985年生まれのマッドキャップの方が早いんだがな。この二人の狂人が改めて出会った時、一体何が起こるのか。さっきも言ったが、これは是非自分の目で確かめてみて欲しい。ちょっとしたネタバレになってしまうが、この先マッドキャップは、デッドプールにとって欠かせぬキャラとなる。結婚、途絶えぬ因縁、マッドキャップ。ウェディング・オブ・デッドプールは、デッドプールの過去を知るアイテムでありながら、これからのデッドプールのスタート地点ともなる一冊。つまりは、デッドプールの逃れ得ぬターニングポイントってことよ」

マッドキャップ&デッドプール