日々雑談~5778~

 麒麟がくる、最終回を観ました。まだ途中に抜けはあるし、最終回も途中からだったものの、ひとまず感想としてはこんな感じ。

 斎藤道三、朝倉義景、織田信長、徳川家康……国主であり、集団の頭であった者たちが持っていた胆力や妖気、自分が方針を決める気概。これらの部分が、光秀には本当に無かったなあと。光秀自身の理想を、理想のビジョンが浮かんでなかった信長に託してしまったのが、悲劇の切っ掛けだったのかも知れない。そりゃ、本能寺は成功しても、秀吉には勝てねえよ。最終回で歩き出した男と、初登場時からとにかくがむしゃらに走っていた男じゃ、勝負になりゃしない。

 戦国時代のドラマで忘れられがちな京都や公家に朝廷に天皇を真ん中においたドラマ作りは斬新でした。コロナ禍で大変な中、やりとげたことをお祝いしつつ、抜けてたところを再度見直すつもりです。実際、コロナが無かったら、あっさり滅んだ朝倉家周りがもうちょっと厚かった可能性は高いな。

日々雑談~5867~

 麒麟が来る、越前編スタート。土地や人脈といったすべての手札を失ったら、国人はもう立ち上がれないのか。そんな諦めに否を突きつけつつ、新たなる一歩を踏み出す展開。明智光秀という人物の才能、そして中央への人脈はまだ残っている。主だった武家に明智光秀の推薦状を送ってくれていた、細川藤孝のありがたさよ。明智光秀には中央とのつながりがまだ残っていると幕臣の細川藤孝が保証してくれるって、すげえ大きいですよ。正直、俺、細川藤孝のこの手紙の存在が明らかになったシーンで泣けたわ。

 大丈夫? 姉川の戦いで真柄直隆登場シーンで唐突にスリルが流れてこない?
 キャリアを重ねることで、胡散臭い小物だけでなく胡散臭い大物も出来るようになった、ユースケ・サンタマリア。朝倉義景自体、評価が難しい人物ではあるので、ここでのユースケ投入はおそらく最善手の一つ。朝倉義景、その生涯から最後に至るまでに、ちょっとそれは選択ミスなのでは?となる手がいくつかあるものの、方向性を変えて見てみれば「これは仕方ないな……」となる手も多く、生前の一乗谷の繁栄や死後の旧臣たちの不幸を見るに、間違いなく越前を保てただけの有能さはあるなと。麒麟が来るの朝倉義景は、どこに着地するのかね。

 同じく本日登場で、後に越前を支配する柴田勝家も評価が難しいところがあるけど。信勝暗殺後の冷や飯期間に、重要な土地ではあるものの中央との冬の壁がある越前が拠点となったこと。信長、柴田勝家の能力は信用してたけど、家臣としては微妙に信頼してなかった感じがするんだよな……。

 更に加えるならば、今川義元。腹芸もこなし、怪しさを持つ彼らに比べて、光秀のあり方には純粋さを感じますね。この辺り、後の大物枠な藤吉郎と竹千代よりも純粋に見える。もっとも、一歩間違えれば単なるカモなものの、純粋だからこそなし得る交渉や業績があるのも、また事実。更に光秀は斎藤道三の薫陶を受けることで、純粋さを保ちつつ怪しさに飲まれぬ矜持を、今回朝倉義景相手に見せつけましたしね。それが正しいのかどうかはともかく、これは明確な進歩。

 光秀は今後怪しさを覚えるのか、それともこのまま純粋さを保つのか。これがおそらく、麒麟がくるの重要ポイントの一つでしょう。終着地点は見えているものの、そこにどう至るかはやはり極大のドラマよ。