日々雑談~5621~

 テリー・ザ・キッドの夜明けは長く鬱屈していたプロレスがまさしく夜明けを迎える時期の作品なんだけど、マッスル・リターンズは陰りの直前という、わりとしんどい時期の作品。猪木が初めて高田が引き継いだ異種格闘技路線は、最終的にはレスラーが勝つハッピーエンドが約束されてたけど、高田がヒクソン・グレイシーに完敗したことで遂に幸せの時代は終わりを告げたわけで。別にヒクソンは勝っただけで悪くないんだけど、どうしてもヒクソンや柔術に鬱屈とした感情は渦巻いてたからねえ……。

 実際、97年から今日までいろいろなプロレス漫画が出たけど、読み切りから連載への転換などは挟んだものの、ずっと続いたプロレス漫画はキン肉マンⅡ世ぐらいでしょ。そろそろ斜陽の時期を抜けたか? って段階でキン肉マン新シリーズに移ったのは、ちょいと不憫だけど。いやしかし、この辛い時期に、プロレスとは何か、どう漫画にフィードバックすればいいのかと考え続けることは、茨の道の求道だわ。