デッドプール邦訳奇譚~デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション~

デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション

デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション 表紙

俺ちゃん、再々上陸!? 冗舌な傭兵デッドプール、日本語版第3弾! 記念すべき『デッドプール』誌900号と1000号を収録した読み切り作品。ハチャメチャでクールなデップーさんが所狭しと暴れまわる!
併録された「デッドプール・チームアップ」では日本の相撲部屋が登場!? 日本人女性“サザエ”との交流も描かれた本書は、日本のデップーファン必読のコミックです!(Amazon商品説明より抜粋)

F「小学館集英社プロダクション発行のデッドプール誌としては第三弾、ヴィレッジブックスを含めてのデッドプール誌となると、第四弾~第五弾なデッドプール日本語版。今度のデッドプールは短編集だ! これも発売に合わせて、紹介記事書いたな」

S「多数のクリエーターによる、10P弱の短編がつらつらと。つまりこれは……デッドプール公式アンソロジー?」

F「沢山の作家がテーマに沿って短編を書いて、それを一冊に纏めた公式アンソロジー。艦これアンソロジーやFateアンソロジーやアイマスアンソロジー……感覚的には、近いものがあるな」

S「収録されているデッドプール・チームアップに関しては、たまに公式アンソロの中にあるちょっと長い話的な」

F「他の短編は描き下ろしだが、デッドプール・チームアップ:暴れん坊力士!! チヨノサケ!編は過去作の単行本収録みたいなもんだな。この話が出版されたのは、1998年。デッドプールのレギュラー誌が1997年開始なので、デッドプール黎明期だな。設定としては、死神デスとサノスとの三角関係が出来たりしたころ」

S「黎明期のデッドプールを日本語で気軽に楽しめる、こう考えると貴重な機会だな。しかし実は昔日本で長年暮らしていて、そこで日本人のサザエと恋に落ちたって、これウルヴァリンの経歴のパロディなんじゃ……」

F「ですよねー! 実はサザエとの間に、息子のタラヲが居たりしたら、完璧だよな!」

S「完璧すぎて、日本で出版できねえよ!」

F「それはそれとして、デッドプールの魅力は複数あれども、その一つにやりたい放題!というのがあると思うんだが……。そのやりたい放題!が全力で出来るのが、この短編集って環境じゃないかなと」

S「そうだな。以前の記事でお前が勝手に付けた短編タイトルだが……」

デッドプール、キャトルミューティレーションにあうの巻

デッドプール殺人事件! 惨殺死体探偵登場!の巻

謎の男、キャプテン・カナディアン! カナダマン登場!の巻

S「ホント。ヒドいもんな! いい意味で! 全滅オチも哲学オチもなんでもあり」

F「引き継ぎや他の本との連動性も考えなくていい、自由な野原。それが短編集。制約がないぶん、各々のクリエーターの方向性や個性もバリバリよ。キャラクターを保つことが特徴として語られるアメコミは、出版社がキャラクター周りをガッチガチに固めていて、クリエーターは与えられた仕事をこなすだけってイメージがあるけど……こういうなんでもありな環境もあるし、クリエーターにも当然個性や発想はある。ある意味この本は、つーかデッドプール自体がそうなんだが、その中でもデッド・ヘッド・リデンプションは特に、そんなイメージを打ち壊すだけの力があると思うぜ?」

S「日本の漫画だって、美少女キャラばっかじゃないもんな。何処の国だって、創作は多彩だ」

F「ところで、デッド・ヘッド・リデンプションのこと、おそ松さんみたいだって言ったら、怒られるかなあ。デカパンマンとかさー、風呂場でネッシーの群れが出るトコとかさー、無法さで日米互角だと思うのよ」

S「怒られんとは思うけど、やめてさしあげなさい」

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