2016年6月19日
/ 最終更新日 : 2016年6月19日
fujii
日々雑談
街に出たので、デッドプール:ドラキュラズ・ガントレットを購入。いやー、やっぱコレ、面白いネ!
立ち位置としては、デッドプールのメインストーリー上の話、デッドプール Vol.4:デッドプール VS. シールドとデッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプールの間、デッドプール Vol.4.5とも言える作品です。しかしながら、ストーリー自体はデッドプールと妖魔の女王シクラーと吸血王ドラキュラの三角関係やそれにより引き起こされる妖怪大戦争に焦点が合わせてあり、完結タイプの中編として見ても、完成度は高いです。そこに振りかけられるトッピングも、フランケンシュタインの怪物や狼男にミイラ男のような西洋妖怪軍団だけでなく、ブレイドやモードックやパニッシャーにボブと非常に豪華ですしね。うん、やっぱいいぞコレ!
X-MEN:ZEROのデッドプールや映画デッドプールのエイジャックスは、実写化に合わせて原典(コミックス)でのキャラクターを一度バラして再構築しなおした例ですが、最近の作品でその分解と再構築に目を見張ったのは、仮面ライダーSPIRITSの暗黒大将軍ですね。
原典となる「TVスペシャル 全員集合!7人の仮面ライダー!!」では後楽園ゆうえんちの地下に密かに基地を作り、仮面ライダーショー目当てにやってきた子供たちをショーの怪人役と見せかけた再生怪人軍団で捕まえ、莫大な身代金を要求してやる!というよく分からんキャラでした。デルザー軍団の紋章を付け、配下にデルザー軍団の一員だったヘビ女や狼長官が居ることから、デルザー軍団の残党では?とは囁かれていたものの、そこに触れられぬまま死んでしまい、真相は闇の中でした。
そんな彼が、仮面ライダーSPIRITSでまさかの登場。デルザー軍団幻の怪人ジェットコンドルの人間態として姿を現し、地下鉄に大量の人間を誘い込んだ上での皆殺しを測ったものの、仮面ライダーたちの活躍で失敗。暗黒大将軍(ジェットコンドル)当人は、作中しばらく変身不能に陥っていた仮面ライダー∨3こと風見志郎を追い詰めましたが、ダブルライダーの協力にて変身した∨3と戦い、死亡しました。
こうして書くと別キャラなのですが、SPIRITSの暗黒大将軍もよく見ると結構原典らしいところがあるのですよ。そもそも、地下に潜み人々を誘い込むという作戦は、地下に潜み子供たちを誘拐しようとした作戦に近しいです。単独で行動していたものの、ジェネラル・シャドウにより原典の配下であったヘビ女を付けられる。そして自身の死に場所となったのは、後楽園ゆうえんちであった場所、現在の東京ドームシティアトラクションズでした。
なお、暗黒大将軍がジェットコンドルの人間態であるという話は原典とは関係ないのですが、この説は長らくファンの間で作品を補完する要素として語られていました。つまり、仮面ライダーSPIRITSの暗黒大将軍は、原典の要素とファンの噂という都市伝説を、仮面ライダーSPIRITSという作品に合わせカスタマイズして生み出したキャラということです。
仮面ライダーSPIRITSだと、既に東京は壊滅状態、原典通りの普通の誘拐犯思考な暗黒大将軍を出すのは無理筋なので、こうしてカスタマイズしたからこそ、デルザーの一員として出せたキャラ。実写化やアニメ化に際し原典通りの追求も大事だし、賞賛されやすいものですが、こうして作品に合わせカスタマイズする腕の良さも、同じぐらい賞賛されてしかるべきものだと思います。