フューチャー・アベンジャーズなコラム~その4~

 フューチャー・アベンジャーズ第4話!
 新たなる道を踏み出した少年少女の前に現れる、先ゆく大人たち!

 

 ディスク・ウォーズ未参戦キャラの多い、今話。先陣を切ったのはA.I.M.(Advanced Idea Mechanics)の戦闘員。元はヒドラの科学班が分派した一団であり、科学力に関しては地球トップクラス。ディスク・ウォーズで大暴れした殺人マシンのモードックを制作した集団、そのモードックの配下とされた集団としても有名。その縁があってか、アニメには出なかったものの、3DSのディスク・ウォーズでは雑魚として登場しております。

 ちなみに口さがない連中(例:デッド◯ール)には科学的な賢さとかまるっきり無視して、養蜂家呼ばわりされている集団でもあります。全くもって、ワケのわからない悪口ですね!

 うん……このコスチュームは……養蜂家だね……。間違いなく、今年のハチミツの出荷量を気にしているね……。

 

 い、いかん。作中でコスチューム(パンツ一丁)なハルクの話題が出た直後なせいで、コスチューム欲しいと言っているマコトが凄くワガママに見えてくる! 就職したと思ったら養蜂家のスーツ渡されるような組織もあるんですよ!?

 

 エメラルド・レイン計画を知る者にしてウィンター・ソルジャーが属していた組織は、マスターズ・オブ・イーブルだったか! コミックスでは、バロン・ジモが結成した、アベンジャーズに対抗するためのヴィラン連合。なお、エンチャントレスだけはバロン・ジモ結成の第一期マスターズ・オブ・イーブルにも参加したヴィランだったり。

 第一期マスターズ・オブ・イーブルのメンバーも対アイアンマンに溶解スーツのメルターや対ソーに放射能人間ラジオアクティブマンと、アベンジャースの主要メンバーと対峙もしくは対抗できるメンバーが選出されておりました。そしてこの伝統はフューチャー・アベンジャーズのマスターズ・オブ・イーブルにも引き継がれている様子。

 ウィンター・ソルジャーは当然キャプテン・アメリカ。
 知能派でハルクのヴィランであるリーダーはチームの頭脳であるアイアンマンと宿敵のハルク。
 ギリシャの戦闘神であるアレスは長年のライバルであるソーとパワー派のハルク。
 アスガルドの女性神であるエンチャントレスは同輩の神であるソーと女性枠のワスプ。

 人数の関係や因縁の交差で一対一とはならないものの、全員最低でも一人以上のヒーローと対峙できるだけの能力持ち。これは面白いチームが敵にまわったもんだぜ。

 

 クロエの変身能力、ちゃんとツインテール隠れるんだな……いや、よかった。もしツインテールレッド・スカルなんて物体が誕生していたら、青森まで「これはアリなんでしょうか!?」と聞きに行くハメになった。そんな青森の作家でツインテールスキーな水沢夢先生の“俺、ツインテールになります。”の現在における最新13巻は本日発売です。
 よし、友情と尊敬のマーケティングは終わったので、話を戻そう。俺ツイ、面白いよ!

 

 そりゃあ、そうだよな。ヒーローになりたい!って言っても、第一歩がわからんよな。ただ、ヒーローに必要なことが一つあるとしたら、それは敵の存在ではないのでしょう。ヒーローショーと子どもたちとの触れ合いという、行動でマコトに学ばせた金髪美女……何者なんだ……(棒

 

 アレスVSハルク! そして、黄金の女傑キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)参戦!
 キャプテン・マーベルは、元々宇宙で活躍していた英雄の一人であり、ミズ・マーベルとして長年活躍していたキャロルが近年引き継いだ形に。なので、キャプテン・マーベルの話を口でした時「ああ! キャロルのことね!」となるのは、アメコミファンのキャリアの物差しになったり。

 超人的な身体能力や飛行能力、そしてパワー吸収能力は今回発揮されたので、能力は今話で大体つかめたのではないでしょうか。そしてキャロルがキャプテン・マーベルの名を継いだのと同様、キャロルが名乗っていたミズ・マーベルの名もまた……ひょっとしたら、新たなミズ・マーベルの方も今後出るんじゃないかな。マーベルにおける新進気鋭の人気キャラだし。てえか、出るといいなあ!

 

 支援ガジェットのヴィスコに新コスチューム。スタークさん、もうちょっと優しさや気遣いを上手く表現できれば、キャラ評価もきっと変わるのに……。マコトとアディとクロエでチーム“フューチャー・アベンジャーズ”。未来を担う若者のチームとして、ストレートかつ意味のある名称に。チームにコスチュームにヒーローとしての心、大事なものが揃ったのなら、次は修行だな!

 今日の紹介はオリュンポスの神アレス。可愛いキャプテン・マーベルかと思った? 残念! アレスでした!

 

 

アレス

 自称神や偽神ではなく、ギリシャ神話の神であるアレスその人。ゼウスとヘラの息子である、オリュンポスの軍神。立場や神話との関係性は、北欧神話の神であり、オーディーンの息子である雷神ソーと酷似している。

 もう一人のアベンジャーズと関わりの深い神であり、同じギリシャ神話に属する異母兄弟のヘラクレス(ハーキュリーズ)は、神話時代からの宿敵。アレスはオリュンポスの支配を目指し、ヘラクレスは何度もそれを阻止しているというのもあるが、ヘラクレスは神話の時代、アレスが手塩にかけて育てていた戦闘用の怪鳥軍団を皆殺しにしており、二人の因縁はそこからである。なおこの一件こそが、ギリシャ神話における12の試練の一つ「ステュムパリデスの怪鳥退治」だ。

 

 ソーとヘラクレスとアレス。この三人の神は、ヒーローそしてヴィランとして地上で活動しており、ライバル関係とも言える。この三人の能力値を比べてみたい。なお評価は7段階で7がMAX。数値の元となる資料は、マーベル・アベンジャーズ事典だ。

ソー    ビーム系攻撃力6腕力7耐久力6戦闘能力(技術)4知力2スピード4
ヘラクレス ビーム系攻撃力1腕力7耐久力6戦闘能力(技術)4知力2スピード2
アレス   ビーム系攻撃力1腕力5耐久力6戦闘能力(技術)7知力2スピード2

 並べてみるとわかるように、三人共ハイレベルかつほぼ互角な数字である。
 ソーのビーム系攻撃の高さとスピードに目が行くが、これは雷神としての力、ムジョルニアの補正も大きい。
 腕力はアレスが1枚落ちるが、5というのも十分怪力キャラとしてやっていける域である。
 耐久力は全員6で横並びだが、アレスは強力なヒーリングファクター(再生能力)を持っており、スキル面で上を行く。
 技術はアレスの一人勝ちかつ、MAXの7。技巧派ヒーローでも7はなかなかおらず、技の達人タスクマスターと同レベルである。
 知力に関しては……三人共、父であるオーディーンやゼウスに、体育以外赤点ギリギリな成績表を見せている気分だろう。

 ここに補足しておくと、ヘラクレスはオリュンポスの神々との関係も良い結果、姿を隠すハデスの兜やペルセウスの盾などの宝具を所持or賃借することができ、更にこれらの宝具を使いこなすだけの技術はある。ソーのムジョルニアと同レベルの硬度を持つトレードマークの黄金の棍棒も含め、フル装備のヘラクレスの強さはおそらく桁が外れている。

 ムジョルニアのような強力な武器はなく、オリュンポスの神々との関係もよくないアレス。だが彼には、他の二人が使わない武器と発想を持っている。拳銃や手榴弾のような現代兵器こそ、彼の宝具である。戦の神として、兵器の歴史も知るアレスは、神としての常識やプライドにこだわること無く、銃火器を使いこなす。現にフューチャー・アベンジャーズでも、ロケットランチャーを使用してみせた。同時に、戦斧や剣も武器とし、それもまた一流である。
 神話の時代から現代まで、軍神アレスの戦い方こそ闘いの歴史そのものなのかもしれない。

 

 最初はオリュンポスの一員として頂点に立ち、惰弱となったオリュンポスの改革を目指していたが、オリュンポス自体を見限り、最愛の息子アレクサンダーと共に地球で生活することを選んだ。地上では工事現場の作業員のような一般職にも就き平穏を目指したものの、日本のまつろわぬ神アマツミカボシの陰謀や戦いを臨む戦神の本能と運命がそれを許さなかった。アマツミカボシ(天津甕星)もまた、ソーやヘラクレスやアレスと同じ、日本神話に実在している神である。

 アレスはやがてアイアンマンが率いるマイティ・アベンジャーズに参加し、アイアンマンが追い出され、ノーマン・オズボーン(グリーンゴブリン)が率いることとなった後継組織ダーク・アベンジャーズにも参加することとなる。

 大抵のヒーローはアイアンマンとともにアベンジャーズを一時辞めており、上記画像のヒーローもたいていニセモノなのだが、アレスは独自の価値観でチームに望んで残っている。最も、その選択は後悔へと変わり、最終的にはダーク・アベンジャーズを離反するものの、ダーク・アベンジャーズ最強の男であるセントリーに、身体を真っ二つに引き裂かれて殺されてしまった。なかなかに衝撃的な画像なので、引用は避けておく。

 

 息子のアレクサンダーの正体は恐怖の神フォボスであり、アレクサンダーもアレスとは別にヒーローとして活動していたが、最終的には殺されてしまう。

 親子は死後の楽園エリシオンで暮らしていたが、再び運命が彼を現世に引き戻してしまう。楽園で待つ息子に誇れる物語を作るために、アレスは再び戦いの日々へと舞い戻っていった。

 

 これは余談だが、マーベルにおけるソーやヘラクレスやアレスのような神々は異世界のアスガルドやオリュンポスに住む超人種族であり、信仰上の神からは切り離されている。このような割り切りがなければ、ヒーローもヴィランも無神論者でなければ、やっていけなくなってしまうし、世界の宗教施設の大半は意味がなくなる。最も、これはあくまで普段の認識であり、ソーが神ならば、自分が信じている神とは……!と宗教家が悩むシーンやエピソードもちゃんとあったりする。

フューチャー・アベンジャーズなコラム~その3~

 フューチャー・アベンジャーズ第3話!
 レッド・スカル争奪戦という、一瞬「特にいらんかなあ……」と思い浮かんでしまうタイトル。アイツ、手元にいると祟りそうだし……。

 

 マコトの相棒であったブルーノが退場。これが一時なのか、永遠なのかは未だわからぬものの、謎のエメラルドの翼&エメラルド・レイン計画同様、今後のターニングポイントとなる一件でしょう。しかしレッド・スカルは、人の心を弄び、真相をはぐらかす姿がよく似合う。誠意の無い弁舌とそれを補っても余るほどのカリスマ性は、レッド・スカルの武器よのう。

 しかしブルーノはどういう扱いになるんだろうねえ。例えば、死んだと思われていたものの、記憶と友情を全部失って、敵として出てくるとか。あれ……? そんな人、どこかでというか、今話で登場したような……? 

 

 ああ、そうか。今回はディスクに入ってないから、普通にトニーが着替えてもおかしくないんだ。つまり、キャプテン・アメリカもマスクを外せるし、ソーはアスガルドに行けるし、ワスプもどこまででも飛んでいけるし、ハルクは……ハルクは……アニメだとスルーされる傾向にあるけど、ハルクは今回、ブルース・バナーに戻る機会があるのかしらね。

 
 
 レッド・スカルを狙う、謎の暗殺者ウィンター・ソルジャー登場。トニーが他のヴィランと照会する際、レッキングクルーバイビーストと、ディスク・ウォーズに出てきた面々の顔が出てきているのが、心憎い演出ですね。

 テック属性の頂点にして、科学関係に関しては極みとも言えるアイアンマン相手に戦略や戦術で立ち向かったウィンター・ソルジャーの選択は正しかったものの……その極みですら対処できない技術をウィンター・ソルジャーに与えたのは誰かって話ですよ。レッド・スカルですら計画の一部として扱い、トニー・スタークを出し抜く技術を持っている存在。こいつぁ、とんでもない大物のニオイがするぜ。

 ステルス技術はステルス技術として、ステルスしている時のウィンター・ソルジャーの声の反響、どっから出てるの?って感じで凄かったですね。音関係は貧弱なPCで聞いても違いが分かるんだから、大変なことだよ。

 

 アベンジャーズに弟子入りしたマコトたち。ここでやはり気になるのは、ウィンター・ソルジャーの存在。ヒーローの弟子となりヴィランからヒーローになろうとしているのがマコトなら、ヒーローの相棒(サイドキック)でありながらもヴィランになってしまったのが、バッキーことウィンター・ソルジャー。何気にマーベルって、ヒーローと年若きサイドキックの構図が意外と無いからなあ。そういうのは、バットマン&ロビンや、フラッシュ&キッドフラッシュのような組み合わせを有しているDCコミックスの出番。

 なんでマーベルがヒーローとサイドキックの構図が少なめかというと、元々アメコミにおける若手キャラはサイドキックで育てるべし!が鉄則としてあった中、マーベルでサイドキックではない独り立ちした若者のヒーローの成功例であるスパイダーマンが誕生したからというのがあります。

 サイドキック以外に若者を立たせる手段が確立された結果、マーベルは若手ヒーローチームのX-MENのような、サイドキックに拘らない作風になっていきます。この手法をスパイダーマンで確立したのは、今後マーベルをひっぱっていくスタン・リーなんだから、そりゃそうなるよね。そしてスパイダーマンより早く活動していたキャプテン・アメリカ&バッキーは、スパイダーマン以前の鉄則に則ったコンビであり、結果的にマーベルでは珍しい一例となってしまったわけです。

 実際のところ、サイドキックで若手を育てることにも利点はあるので、どちらの方針が優れているというのは特に無いです。厳密にマーベルはこうで、DCはこう! というのではなく、ふんわりとした両社の傾向として、頭の隅にでも置いておいてもらえれば。

 しかし、決意の回に、真逆の存在が出てきているのは、これどう考えても、キャプテン・アメリカとウィンター・ソルジャーで何か起こる予兆よねえ……。というわけで、今日の紹介はウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)! 何かが起こる前に、色々と補完しておこう! しかし今回、やけに紹介が長くなったなあと思ってたけど、実質ウィンター・ソルジャーとバッキー・バーンズの2キャラを纏めて紹介しているようなもんだから、そりゃ長くなるよね!?

 

 

ウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)

 第二次世界大戦を駆け抜けた、アメリカの英雄キャプテン・アメリカ。シールド一つで戦場を駆け回る彼の隣には、何時でも相棒と呼べる少年がいた。その名はバッキー・バーンズ。キャプテン・アメリカの相棒、年若き英雄として名を残す、もう一人の伝説の英雄である。父親が軍人であった縁から、軍人キャンプで生活していた少年バッキーは、ある日偶然キャプテン・アメリカのコスチュームに着替えているスティーブ・ロジャースと遭遇してしまう。その縁から、バッキーはキャプテン・アメリカの相棒に抜擢される。

 バッキーはキャプテン・アメリカと共にヒーローチーム『インベーダーズ』に参加する一方、若者で構成されたチーム『ヤング・アリーズ』にも参加。キャプテン・アメリカの相棒にふさわしい才覚を持った少年は、バロン・ジモの無人爆撃機計画を阻止しようとした際、キャプテン・アメリカと共に行方不明になった。無人爆撃機に取り付くものの、極寒の海に墜落。凍結状態となっていたキャプテン・アメリカは数十年後、彼を発見したアベンジャーズにより蘇生される。蘇ったキャプテン・アメリカの脳裏に焼き付くのは、無人爆撃機に飛びつき、無人爆撃機と共に爆散したバッキーの姿だった。英雄として戦い散った一人の少年の死は、キャプテン・アメリカ並びに多くのヒーローに影響と教訓を与え、若手ヒーローに対する慎重な態度の一因となっている。

 だが、バッキーの第二次世界大戦中の活動や、その死にはきな臭い点がある。いくら才能あふれる少年とは言え、超人であるキャプテン・アメリカや他のヒーローと常人のまま肩を並べて戦えるものなのか? キャプテン・アメリカはバッキーが爆死したと言っているが、当人も窮地であった状況で、本当に死亡を確認できたのか? アメリカ軍の主導によるプロパガンダ計画や、行方不明となったキャプテン・アメリカやバッキーの代役となった男たちの存在と、キャプテン・アメリカとバッキーに関する様々な情報が氾濫。正確な情報は時の中に埋もれていくままだった。

 死して遺る、バッキーの謎。だがその謎は、誰もが予想すらしていなかった、最悪の形で解き明かされることとなる。

 アメリカとソ連の対立が深まる冷戦時代、一つの伝説があった。ソ連の諜報機関KGBには、秘密兵器と呼ばれる暗殺者がいる。どのような敵陣にもするりと入り込み、証拠を残さず標的を抹殺する。その暗殺者は銃火器やナイフの達人であり、たとえ武器を奪ったとしても、その格闘術はさらなる達人の極みにある。暗殺者は普段KGBにより凍結保存されており、大きな仕事の際にのみ解き放たれる。不可思議な暗殺者の伝説は真偽が明らかにされぬまま、ソ連の崩壊と共に消え去った。

 しかし、眠り姫は実在した。KGBが集めた超兵器が眠る倉庫のカプセルにて、眠り続ける男。そんな彼が大いなる悪意に晒され、目覚めた瞬間、伝説は現代に蘇った。数年眠り、冬の半年間だけ活動する兵士。伝説に刻まれたその名は、ウィンター・ソルジャー。ウィンター・ソルジャーは伝説の衣を脱ぎ捨て実在する暗殺者として、多くの破壊活動や暗殺を実行。

 だが、表立って活動したことにより、今まで虚ろであったウィンター・ソルジャーの姿形が明らかになってしまう。左腕が金属製の義手となり、多少容貌は成長しているものの、ウィンター・ソルジャーは死んだはずのバッキー・バーンズに酷似していた。ウィンター・ソルジャーを目撃したキャプテン・アメリカは、必死に疑惑をはらおうとするが、やがて決定的な資料が発見されてしまう。ソ連の極秘計画であるウィンター・ソルジャー計画。被験体とされたのは、無人爆撃機での爆発後、密かに回収されたバッキー・バーンズ当人だった――

 バッキーはそもそも、ただの孤児ではなかった。軍人キャンプを生活の場としたバッキーは、米軍だけでなく他国の特殊部隊にも出向、16歳の若さで既に一流の兵士として完成しようとしていた。米軍は年若きエリートであるバッキーに注目、「10代の少年が英雄キャプテン・アメリカと共に戦う」という戦意高揚の物語を作ることを画策する。こうしてキャプテン・アメリカのパートナーとなったバッキーは、最終的に無人爆撃機と共に爆散するまで、米軍の“マスコット”としての役割を存分に果たした。

 海に落ちたバッキーの死体を回収したのは、密かに網を張っていたソ連だった。アメリカやナチス・ドイツ(ヒドラ)が所持する超人を欲していたソ連は、超人と目していたバッキーの肉体から情報を得ようとし、バッキーの蘇生に成功するものの、バッキーは片腕と記憶を失ってしまっていた。更に、彼は超人ではなく常人だった。当初の目的からまったく外れてしまったものの、優れた被験体であるバッキーは、最強の暗殺者を作るウィンター・ソルジャー計画の実験材料に転用されてしまう。

 失った左腕は最新型のバイオニック・アームとなり、無くした記憶の代わりに忠誠心を植え付けられたバッキーは、ウィンター・ソルジャーとして数々の暗殺を実行する。殺すためだけに起き、殺しが終われば眠る。ウィンター・ソルジャーの血塗られた日々は、ウィンター・ソルジャー計画の廃棄と当人の封印まで延々と続いた。冬眠を繰り返した結果、ウィンター・ソルジャーの老化速度は非常に緩やかなものとなった。

 キャプテン・アメリカも遂にはウィンター・ソルジャーをバッキーと認めざるを得なくなり、かつてのヒーローとサイドキックは激しく激突する。戦いの末、ウィンター・ソルジャーはバッキーとしての記憶と精神を取り戻すが、二つの記憶に困惑した彼は、そのまま姿を消してしまう。

 自由の身となったウィンター・ソルジャーは、窮地に陥ったキャプテン・アメリカを救った後、フリーのエージェントとしての活動を開始。日の当たらない裏社会で生きることを誓った彼は、自身の蘇生直後に起こったヒーロー同士の大乱シビル・ウォーとは距離を置いていた。

 だが、シビル・ウォーの終戦直後、キャプテン・アメリカは死亡。アメリカは象徴となるヒーローを、ウィンター・ソルジャーは親友を失ってしまう。キャプテン・アメリカは、誰かが継がねばならない。死したキャプテン・アメリカのシールドとコスチュームを持つトニー・スタークが後継者として選んだのは、保管されていたシールドを盗み出したウィンター・ソルジャー……キャプテン・アメリカの友であるバッキー・バーンズだった。バッキーは政府やトニーに従うのではなく、自らの信念に従うことを条件とし、キャプテン・アメリカのコスチュームとシールドを受領。死亡したキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)が帰還し、再びキャプテン・アメリカになるまでの数年間、バッキーは新生キャプテン・アメリカとして活動していた。

 スティーブとの違いは、コスチュームがウロコ状ではなくなめらかなこと。また、ウィンター・ソルジャーとしての経験もあってか、銃器の使用も戦術に組み込んでいた。スティーブの本格復帰後のバッキーは、再びウィンター・ソルジャーに復帰することとなる。


※左がスティーブ・ロジャース、右がバッキー・バーンズ。

 ウィンター・ソルジャーの暗殺者やスパイとしての能力は、十分ヒーロー活動に流用できるものであった。武器でも素手でも強い彼であるが、裏技とも言えるのが左のバイオニック・アーム。この義手に関しては、ソ連時代から定期的なアップグレードがされており、左腕のパワーは超人級、その硬度は防御にも使用できる。更に裏技として、取り外されたバイオニック・アームの遠隔操作という荒業もある。バイオニック・アームは単体でもそれなりの戦闘能力を有しており、正に奥の手である。

 ソ連の暗殺者であったウィンター・ソルジャーは、同じソ連の諜報員であったブラック・ウィドウを指導していたこともあり、一時期は恋人同士、現在でも付かず離れずの関係となっている。

 また、現代の若手ヒーローも、若手ヒーローの先駆けとも言えるウィンター・ソルジャーには敬意を払っており、第二次世界大戦中を知るヒーローであるキャプテン・アメリカやアトランティスの王ネイモアとは戦友の絆がある。だが、同じ第二次世界大戦を知る男、ウルヴァリンとの関係は非常に複雑である。以前に蘇生された際、ウェポンX計画から逃亡を図るウルヴァリンを密かに手助けしていたのだが、その一方でウルヴァリンの日本人妻イツを事故で殺害してしまった。

 身ごもっていたイツからは、ウルヴァリンの息子であるダケンが密かに産まれており、後に邂逅した父ウルヴァリンと息子ダケンはまともな親子関係とはいい難い殺し合いを繰り広げることになる。つまり、ウルヴァリンの妻を殺し、親子で殺し合う運命の一端を、ウィンター・ソルジャーは担ってしまったのだ。ウルヴァリンも昔のこととしてある程度割り切ってはいるものの、そこには間違いなくふつふつと煮えたぎる感情がある。そしてこの一件のせいで、時折ウィンター・ソルジャーはウルヴァリンのヴィランにカウントされてしまうことも……。

 マーベル・シネマティック・ユニバースでは、まずキャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャーで、キャプテン・アメリカと同年代の幼馴染バッキー・バーンズが登場。

 バッキーはファースト・アベンジャー作中で行方不明になるものの、第二作キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーにてウィンター・ソルジャーとして復活。そして第三作のシビル・ウォー/キャプテン・アメリカでは、キャプテン・アメリカとアイアンマンの争いに関わるキーキャラクターとして登場している。映画の設定上、年齢や出自に変更があるものの、キャプテン・アメリカと題された映画には、必ず重要人物として出演しているのがバッキー・バーンズ、そしてウィンター・ソルジャーだ。

 最後に、映画キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーの下地となった「死んだはずのバッキー・バーンズがウィンター・ソルジャーとして蘇生する物語」である、キャプテン・アメリカ:ウィンターソルジャー (ShoPro Books)について紹介したい。

 実はバッキー・バーンズは、この本が出るまで死亡扱いであり、スパイダーマンのベンおじさんと並ぶ※「蘇らない人物」扱いだった。しかし、バッキーの死体は見つかっていないことを突破口に、バッキーはウィンター・ソルジャーとしての物語を付与され、数十年ぶりの復活を果たす。今回のテキストで言うなら、バッキーの謎以降の記述は、基本ウィンター・ソルジャーにて新たに設定されたものである。

 正直、王大人の死亡確認レベルの力技ではあるものの、それを押し通すだけの魅力と、バッキー・バーンズの復活を出迎えるに相応しいのが本作だ。邦訳されたアメリカン・コミックスの中では、トップクラスに推したい作品なので、未読ならば是非とも手にとって欲しい。

※正式な復活自体はしていなかったものの、回想エピソードや、タイムスリップエピソードには登場。例外として数多の死んだキャラクターと共にクローンとして復活したが、相手がデッドプールなのでお察しな目にあった。

フューチャー・アベンジャーズなコラム~その2~

 フューチャー・アベンジャーズ第2話!
 アベンジャーズVSレッドスカルの総力戦! クライマックスが重なりすぎて、第2話なのに大変だぜ!

 

マコト「主役抜きで話を進めてんじゃねえぞ!」

 馬鹿よせ止めろ! そういうメタにも解釈出来る話をしてると、赤タイツの変な傭兵がバカ歩きでやってくるぞ! アイツは映画の大ヒット以降調子乗りまくりだから、スキあらばやって来るぞ!
 カナダ産の傭兵は塩撒いて追っ払うとして、マコトの資質は近年まれに見る直情型の熱血系ですね。自分の中に、正義の芯がきっちりとあるタイプ。たとえ目的や方向を変えたとしても、当人の芯にはブレがない。これが大人なら、好漢と呼びたいねえ。いやまあ、それだとアベンジャーズ入りより、梁山泊入りを目指すことになるけどさ。

 何気に、こういうマコトのような熱血タイプの主人公って向こうだと少ないからなあ。現象や能力に理由を求める傾向もあってか、感情で動いてしまったり、損な行動を取る時も、そこにモノローグや理屈が挟まってしまうというか……熱い男や理屈抜きで動く人間はいても、たぶん日本における熱血キャラとはテイストが違うと思うのですよ。ここんとこ感覚的なので上手く説明できないのですが、個人的には熱血なキャラ造形って、日本独自の方向性があると思います。そこを踏まえて考えると、マコトのキャラもまた、海外だと日本らしさを感じつつ、新鮮味を感じる造形になっていると思います。ディスク・ウォーズのアキラも、この路線でしたね。

 

 ワーオ! キング・リュウさんが帰ってきとる! もっと細かな話や告知などはキング・リュウ(FA告知アカウント)を参照していただければ。ツイッターアカウント持ってる人は、フォローすると吉。

 上記ツイートで触れられていますが、ディスク・ウォーズでのアベンジャーズ結集は9話で、フューチャー・アベンジャーズでの結集は1話と、フューチャー・アベンジャーズのペースはかなり早めです。またそれと同時に語られているのは、当時と今の違いです。実際ここは、注目すべきポイントだと思うんですよね。

 ディスク・ウォーズの放映開始は2014年。マーベルの映画だとキャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが公開された年です。後、X-MEN:フューチャー&パストも。それから三年後の今、マーベル・シネマティック・ユニバースには多数のキャラが登場し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはマーベルを牽引できるレベルの人気チームに昇華、映画X-MENシリーズでもデッドプールがはみ出し者から大人気キャラに出世と、だいぶ状況は変わりました。たかが三年、されど三年。この変化を織り込むことは、大事なことです。

  

 はっはっは、レッドスカルはディスク・ウォーズの時に書いてるし、第2話にして紹介するキャラいねえやコレ!状態に。早いな、オイ! というわけで、今週はディスク・ウォーズなコラムから今日まで書いてなかった切り札の一人、アイアンマンについての話です。有名キャラであるアイアンマンは情報も解説もてんこ盛り状態なので、今回は彼の「アーマー」に絞って書いてみます。アーマーを装着する者としての、トニー・スタークの資質とはいかほどなのか。様々な言葉で語られるトニーを、アーマーを着る者という言葉のみで分析してみます。あと、自分の体調が完全ではないので、絞ることで話をシンプルに。アイアンマンについては、また別の言葉で語るかもしれません。

 しっかし、本編でレッドスカルが着ていたアーマー。スタークインダストリーの商標に引っかかりそうなアイアンスカルより、マコトが呼んでたタコチューアーマーの方がいいんじゃねえの? ……タコチューって、英語でどう訳せばいいんだろう。

 

アイアンマン

 アイアンマンとは、天才発明家にして実業家のトニー・スタークがアーマーを装着したヒーローである。だが、アーマーを装着したヒーローやヴィランは他にも沢山いる。そんなアーマーを装着&運用する上で必要な要素を、ここで挙げてみたい。

まずは知識力。アーマーを設計製造するだけの知識があるかどうか。日頃のメンテナンスや状況に合わせての開発などにも関わってくる。

次に経済力。アーマーの製造費用を用意できるか。そもそも壊れる物なので定期的に資金は必要となってくる。

最後に運用能力。アーマーの性能を引き出し、適した行動が常時取れるかどうか。

 ざっと上げると、このようになる。役割の例え方を変えると『開発者』『会社』『パイロット』ということになる。初代ガンダムで例えるなら『テム・レイ』『連邦』『アムロ・レイ』といったところだ。

 これらの能力は、すべて持ち合わせていなければいけないわけではない。現に経済力しかなかったコミックスのオバディア・ステインは、他人に開発を任せ、外部入力で装着したアイアンモンガーの運用を補っていた。映画アイアンマン2では、知識力と運用能力があるウィップラッシュと経済力を持つジャスティン・ハマーが組むことでドローン軍団と新型アーマーを作り上げた。持っていないのならば、持っている人間と手を組むか、無理やり協力させればいい。一番簡単なのは、ヒドラのような組織に属してしまうことだろう。どれか一つでもあれば、他の二つは補ってくれる。ただ、組織に頼りすぎてしまうと、もしもの時がキツい。
 例えば、最初ソ連の国策でアイアンマンに対抗するため作られたクリムゾン・ダイナモは、ソ連崩壊時にはアーマーが闇市に流れて、チンピラが銀行強盗に使うレベルにまで落ちてしまった。


 
 最もソ連崩壊の結果、冷や飯を食うハメになった連中はたくさんいるが。大国が崩壊することの恐ろしさが、ひしひしと伝わってくる現象である。

 このようにアーマーを使う大半のキャラクターは、知恵や金の無さに嘆きつつも、手持ちのカードでどうにかしようともがいている。
 だが、アイアンマンであるトニー・スタークは、アーマーを運用する上で必要な三つの要素の全てを一人で持ち合わせている。

アイアンマンのアーマーを設計した知識力に疑いはなく、新アーマーの開発もメンテナンスも独力でおこなえる。

時期によってブレはあるものの、平均して優秀な経済力。これを補佐する、組織力も政治力も軒並み高い。

多種多様なアーマーと装備を使いこなせる運用能力。現役の装着者としてトップクラスの経験。

 「アーマーがなければ、アイアンマンはただの人」と言われるが、アーマーに必要な能力をトニーは全て持っている。これら三つの能力を持っている時点で、ただの人とは呼べまい。陽気なプレイボーイという衣をまといながらも、凝り性なオタクとしての一面でアーマーを発展強化させていく。様々な自分自身を持っているのが、トニー・スタークの人としての難しさであり、そんな彼を追うことの魅力だ。

 トニーの開発力や経済力や運用能力の高さがひと目で分かるのが、映画アイアンマン3の最終決戦である。アイアンマン軍団とまで呼ばれる数のアーマーを全て独力で作り上げ、全て異なる能力を持ったアーマーを指揮しつつ、その場その場で装着運用してみせた。トニー・スタークのアーマーを使う者としての必要な能力が全て発揮された名シーンである。アイアンモンガーは過去の遺物であり、ウィップラッシュのドローン軍団もおそらく太刀打ちできない。あの瞬間、映画アイアンマンにおける歴代ヴィランは、全員トニー・スタークに完全敗北したと言ってもいいだろう。

 だが、映画ではなくコミックスにまで話を広げれば、トニー・スタークに肉薄する男がまだいるのだから、マーベルユニバースは広い。
 アイアンマンと同レベルのアーマーを独力で作り上げ、国王としての財力や権力は絶大。アーマーの運用能力も高い上に、魔術の力というトニーですら持たないスキルを持つ男。その名は、ドクター・ドゥーム。

 自身の国であるラトヴェリアを数で監視するドゥームボット軍団の勢力は、おそらくアイアンマン軍団にも負けない。互いの性格の不一致も合わせ、張り合うしか無い二人である。

 しかしそんなドゥームが紆余曲折を経て、Infamous Iron Man(悪名高きアイアンマン)としてアイアンマンの系譜に名を連ねるとは、面白い話である。手を取り合わぬ男たちの結晶体であるインファマスアイアンマンについては、別の機会に語るとしよう――

 

フューチャー・アベンジャーズなコラム~その1~

 マーベル・フューチャーアベンジャーズ第一話! ここから始まる、新たな物語!
 ヒーローのいる世界を描いた作品が多い昨今、マーベルという豊かな土壌を踏みしめ、豪速球を投げるその姿勢。イエス! としか言いようがないッスね!

 

 この作品におけるアベンジャーズのアイアンマンにキャプテン・アメリカにソーにハルクにワスプと言った編成はディスク・ウォーズと同じメンバー編成+同じCVとなってますが、レッド・スカルの清川元夢さんもディスク・ウォーズとの同一キャストですね。コイツは嬉しいサプライズ。しかし、最初から強いレッド・スカルが出てくると、なんだかクライマックス感ありますね。いやほら、この間までテレ東でやってた、アベンジャーズ・アッセンブルの方も最初からレッド・スカルだったけど、あっちはゲッターエンペラーとマジンガーZEROにガン付けられた時の闇の帝王レベルで憔悴してたし……いや、第一シーズンでは前シリーズでレッド・スカル頑張ってたのよ? 第二シーズンから放映開始したテレ東では、第二シーズン未放映だけどな!

 

 ヒドラによる、悪党集団アベンジャーズの映像。うーん……正直、悪の組織にしては手心があるというか。ここは、ワールド・ウォー・ハルクの時、ハルクが想像したクッソ悪そうな顔しているイルミナティの皆さんを見習って欲しいところですね。

 あと、個人的に気になったのは、複数のヴィランらしいキャラをを引き連れているキャップの姿。いや、今コミックスでヒドラ・キャップとかやってて、妙に馴染むよね? とかじゃなくて、正義のヒドラの敵である悪党キャプテン・アメリカが率いているってことは、もしかしたらヒーロー転向組、最低でも非ヒドラ系のヴィランなのかなあと。マコトの夢の中の話なので、余計な深読みかもしれませんが。

 この影がかった一同の正体、アニメに際しデザイン変更もあるので、確証は持てないものの……予測としては上記画像左からリザード、不明(パイルドライバー?)、グレイガーゴイル、不明(ダイヤモンドバック)かなあとも。不明と書いた二人はシルエットが似てるなーぐらいなので、自信は無いです。特に、パイルドライバーは違う気がするね。名前を出したリザードはディスク・ウォーズと似通ったデザインなのでほぼ確定、グレイガーゴイルはマーベル広しと言えどもあんな襟のめっちゃ立ったマントで上半身裸なヤツ、そうそう居ねえよ! ということで。

 つーか、同じ世界観に5人以上居たら困るファッションだわ。

 

 主人公はヒドラにより遺伝子操作され超能力を得た少年少女たち。ヴィランとして作られ、その正義や意思はヒドラにより歪められていた。こうして書いてみると、マコトたちの出自ってかなりハードよね。ウルヴァリンの遺伝子ベイビーで過酷な人生を歩んできたX-23級。児童向けアニメといえば、まっすぐさを持つ少年少女の出番だけど、ヒドラの介入によって、まっすぐさの始点に揺らぎが。なるほど、こうやって初期条件をいじることで、王道から外れぬまま展開に変化を持たせることができるわけか……。
 あと、公式サイトに名前が無かったオリキャラなブルーノも気になるね。マコトと友情を育みつつ、悪を是とする姿。退場して何かのきっかけになるのか、ライバルポジションになるのか、改心して追加戦士ポジションになるのか。どう転んでも、面白そうだわい。

 

 第一回目となる今日の紹介は……最初からクライマックスな導入部にて、アベンジャーズ&マコトたちと激戦を繰り広げていた謎のロボについて。作中そいつだとは断言されてないけど、妙に一部メディアでの登場とビジュアルが似ていたので、あえて押し通る! まあほら、実は違ってもそれはそれで資料になるので、そこんトコはファジーで行くのがウチ流よ……!
 第一話で最も謎の存在と言えば、ヒドラのスシ親方(クレジット参照)。たぶん、ゲット・ジローの関係者じゃないですかね(適当

 

ウルティモ

 まず、細かな解説を始める前に、フューチャー・アベンジャーズ第一話導入部で暴れていたロボと、映画準拠の設定を持つゲームIRONMAN2で登場したウルティモを比べてみたい。

 並べてみると、左腕より右腕のほうが長い体型、ドクロに似たヘッドデザインと、両者の共通点は多い。このタイプのウルティモは、アイアンマンのAIであるジャーヴィスをコピー、AIMを始めとした様々な組織の力を結集することで、高層ビルサイズの破壊兵器として完成したものの、アイアンマンとウォーマシンの共闘により撃破された。様々な重火器を積み込み、サイズに比例したパワーを持つ恐ろしい存在だったものの、平行世界同士で比べた場合、まだこのウルティモは大人しい個体である。

 何千年も昔、とある惑星にて終末装置(The doomsday device)と呼ばれるロボット“ウルティモ”が完成した。意思無きウルティモは、プログラミングにひたすらに従い、数多くの惑星や文明を破壊する。だが、とある惑星を破壊しようとした際、生き残りの必死の抵抗によりウルティモは地球に墜落、そのまま機能を停止する。中国の奥地にて眠っていたウルティモだったが、中国には異星文明や古代文明の知識と10の指輪を持つ悪党、マンダリンがいた。マンダリンはこのロボットが強大な力を持つことを確信、サルベージしたウルティモの再起動に挑む。

 やがて、マンダリンは再起動に成功。マンダリンの支配下に置かれた殺戮兵器ウルティモは、マンダリンと対立する中国軍を虐殺。更に、マンダリンのライバルであるアイアンマンと交戦する。強大なパワーと耐久力、更には巨体に見合わぬスピードに目から放つ破壊光線。アイアンマンですら歯牙にかけぬほどの破壊力で暴れまわるウルティモだったが、活火山に突き落とすというアイアンマンの奇策の前に敗北。火山の活動が活発となったのは、皮肉にもウルティモの度を越した破壊活動が原因だった。

 アイアンマン、そして地球の力に敗北したウルティモだったが、まだその機能は健在だった。マンダリンに再び回収されたウルティモは、何度もアイアンマンやアベンジャーズの前に立ちはだかる。自己修復機能を持つウルティモは、やがてマグマの力も克服。地熱エネルギーを自身の燃料へと変換することを学び、大陸プレートを直接歪めて地震を起こせるほどのパワーも得る。ウルティモにはアップデートの概念が間違いなく存在している。

 アベンジャーズと対立する殺戮ロボットとしては、ウルトロンと似通っているところがあるが、ウルトロンとウルティモには大きな違いが存在する。ウルトロンには意思があるが、ウルティモには意思がない。ウルティモはプログラミングされたとおりに動く、純粋たる破壊兵器である。終末装置という異名とは別に、ウルティモに与えられたもう一つの異名。それは『The Living Holocaust』。破壊と虐殺しか知らない、希望なき機械。それが、ウルティモの全てだ。

 

GotG小話:がんばれ テイザーフェイスくん

 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックスにて登場した新たなヴィラン“テイザー・フェイス”。テイザー銃で焼けた顔をあえて恐怖の象徴としてアピールするためテイザーフェイスと名乗ると、微妙にズレたところが笑いを誘うラヴェジャーズの反逆者。映画観に行った人は鑑賞後テイザー・フェイスwwwと草を生やすのは必至という、ある意味MCUでトップクラスに可哀想なオッサンです。アレだ、どっかのスペースアライグマのせいだ。

 そんなテイザーフェイスですが、ちゃんとガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのコミックスに登場しているキャラの一人です。コミックスでも彼はヴィランとして、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーとヨンドゥの前に立ちふさがりました。でもその構図は、映画とは大きく違います。違うのは、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのあり方とメンバー、ヨンドゥの立ち位置、そしてテイザーフェイスの出自と外見と能力。いったい、映画化に際して彼らはどう変わったのか。もっとマシな紐解き方もあるんじゃないかなと自分を疑いつつ、テイザーフェイスからその変化を紐解いてみましょう。

 ここから先は、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックスのネタバレ注意です。

 

 

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