アメコミカタツキEX 予告

有り得る未来であり、有り得ぬ未来。
人は、月を手に入れるため、殺しあう。
仮想でありながら、痛々しい現実。虚構でありながら、流れる血涙。儚く生命が散り、勝者は涙と血を吐き出す。
非現実であっても、生きる者の魂は現実であった。虚構の学園、月海原学園。今日もまた、聖杯戦争という名の、コロシアイが始まる――。
「てな真面目な感じなんですけどー。これはこれ、それはそれ。私としては、ご主人様が勝ち残ってくれれば無問題です! ついでに、喜びのおこぼれをいただければ、良妻狐としては幸せです」

 

自分のペース(+ご主人様のペース)で生きるキャスターに降りかかるはh、極大の不幸。

 

「ご主人様のお帰り~♪」
「デッドプールって知ってるかい? 昔、マーベルで暴れまわってたって言うぜ? 今も月海原は荒れ放題、ボヤボヤしてると後ろからバッサリだ。どっちも、どっちも。どっちも……どっちも! この厚さじゃあ、前説スペース貰えないって言うから、1P目からオレ参上! 待たせたな、フォックス! デッドプールさん、新たなご主人様として登場だぜ!」

 

不幸にめげず、キャスターはセラフに突如現れたバグのような男、デッドプールに立ち向かう。

 

「一つ積んではご主人様のためー、二つ積んではご主人様のためー」
「ソロバン板の上に正座、そして積まれる石。これがジャパニーズトラディショナル!? テレパスがいるX‐MENじゃゴウモンって味わえないよね!? やべえ、ちょっと気持ちいい! ご主人様は行ってしまったわ、円環の理に……石の追加ありがとうございまーす!」

 

一体、本物のご主人様は何処に消えたのか。何も分からぬまま、事態はどんどんと推移していく。

 

「彼は深刻な様子で、こう呟いていた。“キャスター選ぶと、イージーモードでもハードだよな”って。そう言いながら、彼はおもむろにニューゲームを」
「行き詰ってのやりなおしじゃないですかー! やだー!」

 

新たな赤いマスターと、やる気のない青いサーヴァント。二人は一体、何処に向かおうとしているのか。それは誰にも分からない。ただハッキリとしていることがあるとしたら、他のマスターやサーヴァントにとって、それはきっと全てがとばっちり――。

 

「そんなにオレちゃんの大ファンなら、もっと見て見て。ほらほら、こうやってピターっとくっついてあげるからあ! ほーら、デッドプールさんだぞぉ?」
「うわあああああん! もう、やだぁぁぁ! こいつぅ!」
「8歳児に、トラウマ植え付ける気ですか。アンタは」

 

「哀しみの連鎖は、早く終わらせないと! まずは教会、次に校舎に火をかける! アリーナ入り口に、たんまりトラップを仕掛けた上で! そうすれば、聖杯はオレちゃんの手に!」
「必殺の陣形じゃないですか、やだー! てえか、無理ですよ無理! セラフに止められて、ペナルティくらっちゃいますよ?」
「止められるのが早いか、オレ以外が全滅するのが早いか。チマチマと決勝まで戦うより、早いのは確実だ!」

 

「またまた。連れてるサーヴァントも、相変わらずのスレた顔した兄ちゃんじゃないですか。流石は遠坂凛、Fateのメインヒロインなだけのことはある。ウルヴィーやスパイディに負けないぐらい大忙しだね!」

 

「金が無いのに、弾を撃たなきゃ商売にならない。トリガーハッピーには、キツい時代だぜ」
「全くさ」

 

FateExtra×デッドプールの危険なコラボ。アメコミカタツキEX、4月30日開催、COMIC1☆6にて頒布決定。

アメコミカタツキEX

※予定価格300円

 

more

デッドプール チームアップ! 涼宮ハルヒの憂鬱 前編

 小春日和で頭が寝ぼけていたと言わせてもらおう。授業が終わって、“所要のため少し遅れるわ、ちゃんとあたしを出迎える準備をしておくように”と今の俺以上に寝ぼけたことをハルヒが言い出して、SOS団の部室に着いて、定位置に陣取っていた長門に挨拶して、席に着いた所で、メイド服の朝比奈さんがスススっと出してきたお茶を飲んで。ここでようやく、何かがおかしいと気付けた。
「おい、長門。これはどういうことなんだ?」
「……ユニーク」
 そりゃ確かにユニークだよ。ただコレは、笑えるユニークではなくて、困るユニークだろ。
「ふぇ? どうしたんですか、キョンくん?」
 まずは、俺が反省しなきゃいけないな。部室でメイド服を着て、かいがいしく作業をしてくれる人=朝比奈さんと、思い込みすぎていた。
 よし。俺は反省した。だから正々堂々と、目の前の赤い物体にツッコむぞ。
「誰だ、お前!?」
「え? 朝比奈みくるですけど……」
「俺の知ってる朝比奈さんは、俺より背は低いし、変な赤いマスクは被ってないし、赤いタイツの上にメイド服を着たりなんかしないし、筋骨隆々でも無いからな」
 俺より背が高くて、変なマスクを被っていて、筋骨隆々な男は、なんでばれたのか!という顔をしていた。いやいやお前、まさかメイド服を着ていれば朝比奈さんに化けられると思っていやがったのか? 口調まで真似やがって。
「どうせ小説だから、口調さえ真似てれば、バレねーなーと思ってました。キミはこのトリックを見破れたかな!?」
「何を言いたいのか知らんし、誰に向かって指さしているのかも分からんが、とりあえずお前は、日本全国の推理作家に土下座してくれ」
「すいませんでしたー!」
「ホントに土下座したー!?」
 謎の赤タイツはメイド服をキチンと折り畳むと、三つ指をついての見事な土下座を披露した。なんでコイツ、正体が外国人っぽいのに、ここまで綺麗な土下座が出来るんだ。
「それは、どげせんを読んだからと、言わせてもらおうか! 長門有希ちゃんにも、こうやって漫画を読んで欲しいところだね。まあ、この話は原作準拠だから、徹夜でゲームなんてしたりしないだろうけどねー」
 長門のほっぺたを突っつこうとする赤タイツ。長門は片手で本を押さえたまま、ぺちっと叩く。それでも諦めない赤タイツと、触らせまいとする長門。つんつんつん、ぺちぺちぺち。最初はゆっくりだったものの、やがてやりとりは光速へと。元より超人的な長門はともかく、同じぐらいの速さで付いて行っている、この赤タイツは何者なんだ。
「誰と聞かれたら答えなければなるまいよ! 俺ちゃんの名前はデッドプール。アメリカで大人気、日本で話題沸騰中、スカンジナビア半島ではどうだか知らない、正真正銘のカナディアンスーパーヒーローだぜ!」
 スパイダーマンのパチもんっぽい男は、いかにもそれっぽい派手なポーズを取って大仰に名乗りを上げた。長門の頬を突く作業は止めないまま。
 長門よ、なんならそのまま、その赤いのの指を折ってもいいぞ。俺が許す。

more