日々雑談~2164~

 本日、モハメド・アリの追悼番組として、伝説の試合であるモハメド・アリVSアントニオ猪木を放映。日本におけるアリのイメージは、やはりこの試合でしょう。

 この試合に関しては、虚の気配を漂わせながら、その試合は実。誰も見たことのない未知の異種格闘技戦を舞台に、世界中を巻き込み入り混じる虚実。誰もがどう捉えればいいのかわからない。
 数十年たち、観客の格闘技を見る目が肥えて理解が進んだ一方、数十年の間に出た様々な情報が無秩序に入り混じり、結局のところ惑わされてしまう。モハメド・アリのセコンドを務めたフレッド・ブラッシーが「100年に一度の試合」と評しましたが、ホントこれほど人を惑わし、研究のしがいがある試合が、100年に何度も出てきたら困ります。

 ホントこれなあ、最初プロレスの試合として取り決めがあったという関係者の証言も幾つかあるのですが、全部取り決めの内容が違う上に「いやそれやってたら、ブーイングどころか暴動起こってるよ」という案が混ざっていたりと、虚を追求しようとするだけでもカオス。はっはっは、客観的に見て法螺話としか思えない話が定説化してたり、保身やロマンや現実が入り組んでて、資料読むだけならともかく、それを纏めようとすると頭が痛くなってくるぞ。そして場合によってはデケえ火種になりかねないから、結論や仮説をTwitterで呟くのはちょっと躊躇うレベル。

 言えることとしては、それぞれのジャンルの一流であるアリと猪木が未知に挑み、また互いのプライドや思惑をぶつけあった伝説と呼ぶだけの価値は十二分にある試合だったのではないかと。
 おそらく試合に至るまで色々あった、いや絶対幾つかとんでもないことが起こっているのですが、試合を通しアリと猪木の間にきちんとした縁が出来た。つまり、結果オーライ! ということで。猪木の引退セレモニーへの参加や、湾岸戦争の際、日本人の人質を救出するためイラクに乗り込んだ猪木のツテになってくれたりと、アリはホント、猪木に何らかの好意が無いと無理なくらいに働いてくれています。もはや第三者にはわからぬ縁ですね。

 モハメド・アリ。調べれば調べるほど、華やかさや苦難に気圧される、不世出の天才ボクサーでした。改めて、ご冥福をお祈りします。