仮面ライダーカブト劇場版感想
とりあえず感動が薄れる前に感想を。
まー毎年平成ライダー映画はパラレルと銘打った設定無視の敏樹ワールドが開かれるのが恒例だったのですが、今回の映画は敏樹さんいないし別路線で。パラレルパラレルで毎年やられりゃ流石に飽きる。と、いうわけでカブト劇場版はTV版と連動した内容となっていました。TV版最大の複線のいくつかが消化されてました。そして、役者の熱演による感動のドラマと一部の役者によってもたらされる爆笑。作品的に真面目すぎる気もしたが、深いことを考えられずに楽しめるボウケンジャーと同時公開するならちょうどいいバランスでしょう。個人的には平成ライダー映画のベスト。
なお、続きは完全にネタバレ。
1からストーリをなぞる前回のボウケンジャー感想で懲りたのでライダーごとに感想上げ。
作品的なMVPはカブト&ガタック。敢闘賞はヘラクス。
笑いのMVPは残りのライダー。
世界観:TV版の世界は七年前に渋谷に落ちた小隕石のせいで都心が破壊され隕石に張り付いていたワームが人類を襲うという話だったが、映画版はそれより遥かに巨大な隕石が七年前に太平洋に直撃し、海が干上がり水の代わりにワームがそこを覆いつくすという最悪な状況。隕石の影響で各国の都市は壊滅状態、大地は砂漠化し人類は滅びのカウントダウン中という状況。
わかりやすく言えば北斗の拳の世界。モヒカンとスキンヘッドがいれば完璧です。
ネオZECT:ZECTのやり方が気に入らず離脱したメンバーで構成される組織。戦力的には脆弱だが、ヘラクスやドレイクといったライダーが所属している。
所属ライダー
仮面ライダードレイク
規則に縛られる組織は真っ平だという思春期の中学生っぽい考えでゼクトを離反する。TV版でもあんま強くないが、劇場版ではゼクトルーパーの一斉射撃で殺されてしまった。昭和ライダー的に表現するなら前座の戦闘員に殺されてしまったライダー。あんまりだ。
仮面ライダーヘラクス
劇場版限定のライダー。織田秀成が変身する銀色のカブトムシライダー。豪快で正直な性格だが、リーダーとしての資質は十分に持っている。中距離と近距離に長けたバランスの良い性能を持っており、天の梯子計画の際には待ち構えていたゼクトルーパーとザビーを撃破した。しかし、突如出現した謎の黄金のライダーに一撃で葬られてしまう。
ZECT:枯渇した海に再び水をもたらす為、「天空の梯子」計画を発動。宇宙ステーションと、そこに地上から一気に行ける高軌道エレベーターを設置する。なお映画開始数分で絶対何か企んでいるのがミエミエ。まあ、実際そうだったんだが。
天空の梯子計画の真意により招かれた新たなる隕石による世界の破滅を望む。
所属ライダー
仮面ライダーザビー
TV版でヘタレの帝王の異名を狙う影山さんから、元祖装着者の矢車さんへ装着者が変更。なんか矢車さんが出るだけで素直にうれしい。
まあ、誰が着ようと所詮はザビー。カブトに一撃で倒され、結局ヘラクスに破れ完全なる死を迎えることに。完全なる死ってわりには凡ミスからの敗北だった。なお影山さんは行方不明。ゼクトルーパーの中にでも入っているのだろうか。
仮面ライダーケタロス
劇場版限定のライダー。大和鉄騎が変身する銅色のカブトムシライダー。ゼクトへの絶対的な忠誠心を持つ。格闘戦が得意らしい。天の梯子計画の際に宇宙ステーションでカブトと激突。その後、大気圏から墜落死というライダー史上に残る屈指の死に方をする。ザビーが破れて追い詰められたゼクト幹部が「まだゼクトにはケタロスが居る」と言った瞬間に我が魂はゼクトにありィィィィッと燃えながら大気圏突入を果たす姿はなんというかスゲエ。その後、地面にぶつかり隕石のように派手にケタロスが爆死した瞬間の幹部の顔はまさに唖然としていた。俺は大爆笑。
仮面ライダーサソード
一応劇場版ガイドブックではゼクト所属なのでここに記載。
OPでワームと戦っているが本編には一切出ない。あんまりなライダーその2。
仮面ライダーコーカサス
劇場版限定のラスボス的ライダー。K-1ファイター武蔵演じる黒崎一誠が変身する金色のカブトムシライダー。役者さんの全てをこめたような感動の演技の跡に棒読みで登場。悲しみに包まれていた場内の空気を台無しにする程の恐ろしい力を持つ。空手の型を取り入れた変身ポーズはかっこいい動きと言うより無駄な動きが多い、これだったら拳法をイメージしたスーパー1の変身ポーズの方が…… 明らかに武蔵のキャラにあっていないライダーなんだなと実感。標準装備なバラも全くにあわねー、キャラ的な共通点は「戦う前に勝つことが決まっている」と言うことのみ。武蔵も判定ならよほどのことがない限り勝ちが決まっているし。
それはともかく、コーカサスは宇宙船でカブト&ガタックの最強コンビを圧倒する。
滅茶苦茶な強さの理由は腰に付けたハイパーゼクター。これにより高速移動クロックアップより遥かに早いハイパークロックアップの発動が可能。だが、ハイパーゼクターをもぎ取られた瞬間に弱体化。宇宙船のハッチにぶち込まれ、宇宙に追い出された。その後、地球への脱出艇に乗せられた重症の加賀美を襲撃するが、ハイパーゼクターを装着したカブトのハイパーライダーキックで爆発四散した。
主人公クラスのライダー
仮面ライダーガタック
加賀美が変身するスペック的にはTV版最強のライダー。現在のTV版では全く目が無いが、劇場版ではビストロ・サルのひよりと完全に恋人となっている。加賀美が幸せになってよかったなと思う反面、何故か少しムカツく。ゼクトに所属しているが一番の目的は愛するひよりを守ること。
天の梯子計画に実行者として参加するが、結末は悲劇的なものとなった。そして、自分がゼクトに騙されていたことと、守るべきひよりが死んでしまったことでゼクトに反旗を翻しカブトと共に地球を守る為の一戦に参加。コーカサス戦で重症を負い地球に送還される。途中で世界が救われた事を知り、涙を流しながら天道やひよりとの遠い日の再開を誓った。
仮面ライダーカブト
天の道を行き、総てを司る男。天道総司が変身する最強のライダー。
ふらりとネオゼクトとゼクトの争いの中に現れ、自分を両組織に売り込む。なにかとひよりにちょっかいをかけるなど、その真意は不明だったが、ひよりを気にかけていたのは七年前に生き別れた妹だったから、そしてその真の目的は「ぐちゃぐちゃになってしまったちゃぶ台をひっくり返すこと」だった。
コーカサスのハイパーゼクターを奪取し、カブトハイパーフォームに進化。ハイパークロックアップにより自分の周りの時間を巻き戻す能力を手に入れる。その後隕石と共に七年前にハイパークロックアップ。巨大隕石同士をぶつける事により、隕石の被害を最小限に抑えた。これにより巨大隕石が直撃した歴史の劇場版の世界は無かったこととなり、世界の全てが七年前に巻き戻される事となった(TV版の世界へ) ちゃぶだいはひっくり返されたのである。
そして彼はベルトを渋谷で苦しむ過去の自分に渡し、光となって消えた。