最強の冒険者達
劇場版ボウケンジャー~最強のプレシャス~の感想。
最初は感想書く気がなかったのですが、普通に面白い作品だったのでカブトとは別に最初に書くことに。二作品共に近年の劇場版じゃ屈指の出来だよな。
なお続きはほとんど完全にネタバレ
いきなり最初の画面に先日プールの排水溝に吸い込まれてしまった少女の冥福云々の文章が流れたからなにかと思ったら、レッドの大事にしている腕時計がプールの排水溝に吸い込まれるところから物語がスタート。こういうことだったのか。
突如大地震に見舞われる東京、そして謎の巨大な岩山が突如出現。同時に、謎の少女ミューズがTV電波をジャック、自分たちの文明の遺産=プレシャスを「最も強き方」に受け継いでほしいとのメッセージを配信する。それを聞き色めきたつゴードム文明、ジャリュウ一族、ダークシャドウの首領&幹部達。それぞれが岩山を望む辺りで睨み合う中、堂々と出現する我等がボウケンジャー。もうちょっと待っていればこいつら勝手にツブシあってたと思うのだが。
OP曲をバックに乱闘に突入。部下を全滅させられた挙句、一まとめにされ一成射撃でふっ飛ばされる幹部連。所要時間OP曲一曲の間に全滅。さて行くかと駆け出したボウケンジャーを踏み潰す巨大ロボット。ボウケンジャー最大の敵とも呼べるクエスターコンビは巨大ロボットで岩山を制するとやけに合理的な作戦でプレシャス強奪を計画。だが、ボウケンジャー第六の戦士のステンレス仮面ことボウケンシルバーがサイレントビルダーでそれを食い止める。ボウケンシルバーに後を任せて岩山へと向かうボウケンジャー。もちろんヒーローらしく非合理的に生身で挑む。
姿を現す謎の冒険者、名を明石虹一、明石暁ことレッドの父親だとか。いやーそっくりですね、無駄に我の強い辺りが。UMAハンターの彼は未知の生物を目的に岩山に来たそうで、プレシャスを愚かな人間の作り出した愚かなものと扱き下ろす。そして、山の中腹でレッドと虹一がにらみ合っている間に山を登ってきたゴードムとジャリュウ一族の戦闘員の皆様。幹部どころか怪人もいないのに働くその姿には並以上の忠誠心を感じさせます。そして集まった彼らはミューズにより嵐の海原に突き落とされる破目に、忠義あふれる戦闘員達は全員渦にのまれました。何しに来たんだこいつら。
その後、何故か舞台は灼熱の砂漠へ、そして謎の密林へと次々と転移。砂漠で業火に飲まれたイエローとブルー、密林で義父さま虹一を突き飛ばし代わりに蟲に連れ去られるピンクと次々に仲間を失っていくボウケンジャー。
なお、密林でのレッドと虹一のいさかいを見て「こういうの、親が居ない俺にはわからないけどよ……」と良い台詞を言おうとした瞬間に蟲に拉致られたブラックはMVP。彼のポジションが一瞬で理解できた場面でした。
ボウケンシルバーの元へ届く牧村博士からの。実は虹一の論文から、ミューズは恐竜を滅ぼした存在で非常に危険な存在だということが判明した。シルバーに一刻も早いボウケンジャーへの援護が求められるとのこと。
でもちょっと巨大ロボットにサイレンビルダーは押されまくっていた。通信もらってもそれどころじゃないという状態。具体的にいえば後一歩でチェンソーで搭乗者ごとズタズタ。だが、なんとか巨大ロボットを退けシルバーは遅ればせながら岩山へと向かう。
そしてついにミューズの元へたどり着くレッド。彼女の正体は星から星へと渡り、その星の最強の生物の遺伝子を取り込んでから星を滅亡させる遺伝子生命体だった。その究極の目的は自分を宇宙最強の生命体へと進化させること。
実は捕まえていたボウケンジャーのメンバーを人質にレッドを脅すミューズ。ドサクサ紛れに餌として戦闘員達も捕まっていました。
最強のプレシャスは仲間だと言い切り、ミューズを拒むレッド。その答えを聞き、息子の成長に満足した虹一により仲間達は無事に救出される。激怒し真の姿であるハイド・ジーンに変身するミューズ。美女にみせかけ中身は怪物、なんて恐ろしい美人局だ。虹一は自分が崇高だと思っていた未知の生物の心の醜さを見せ付けられ愕然とする。ハイドをひとまず退け、脱出するボウケンジャー&虹一。当然ながら戦闘員は放置プレイ。
今までの難関は全て幻影だったことを確認しながら逃げるボウケンジャー&虹一。だが、ハイドがそれに追いついてしまう。しかしシルバーも同時に救援に訪れる。期せず始まる激闘。ハイドは強敵でボウケンジャーを翻弄するが、シルバーの決死の攻撃から事態は好転。終にコンビネーションクラッシュとスナイパーガトリングの同時発射でハイドを葬る。それと同時に岩山が崩れ始めた。
なんとか脱出に成功したボウケンジャーの目に映ったのは岩山から姿を現す巨大龍型宇宙船ストリンクロスと合体したハイドの姿だった。ハイドはこの星での遺伝子調達をあきらめ、宇宙への脱出を図る。地上の救助をシルバーに任せ、究極合体アルティメットボウケンオーでハイドを追いかけるボウケンジャー。ビルダーのメカが人命救助にむいているのもあるが、サイレンビルダーは飛べないので地上で働くしかないというのがリアルな理由。
超高空域で大空中戦を繰り広げるAボウケンジャーとハイド。だが、巨体ながら変幻自在の動きのハイドにAボウケンジャーは捕まり、アルティメットな追加装備をはがされてしまう。このまま突き放されただけでボウケンジャーは普通にやられてしまう(飛行能力をもつジェットはアルティメットの一部なため) そんな中レッドが起死回生の案を出すものの失敗したらゴーゴービークルは自爆してしまう。
「え!?」と俺のも自爆するの!?といったリアクションで地上のシルバーも心配する中、レッドは新コンビネーションを発動した。
あまりものビークルボウケンジャー追加装備ビーグルの全てが合体した新たなる巨人ダイタンケン。ちなみにデブメカと呼ばれお子様からの評判は非常に悪い。劇場版限定の新合体だ。
ボウケンジャーを救い、ハイドの胴体に着地、ダブルコンビネーションでハイドに立ち向かう。
ボウケンジャーの轟轟剣・アドベンチャードライブの乱れ斬りとダイタンケンの必殺技ビッグ・レッド・ボンバー(自分の頭を取り外して敵に特攻)でハイドを完全撃破。再びAダイタイケンに合体したボウケンジャーは地上で子供達の声援に迎えられた。ところで誰かウッカリマンって覚えてます?
いつの間にか消えていた虹一だが、レッドの背中に昔撮った自分と子供姿のレッドの写真とメッセージを貼り付けていた。写真をネタにメンバーにいじられまくるレッド。
その頃、虹一はダイボウケン戦闘時に拾ったレッドがプールに流してしまった腕時計を付けて懐かしそうに眺めていた。かつて自分が彼に上げた時計をとても懐かしそうに。
総括
これまたえらい完成度の高い作品となった。30分という時間にめいいっぱい詰め込んだという感じで近年の戦隊物映画版でも屈指のできばえ。最後の巨大ロボットの戦闘シーンなんかはまさにジェットコースター的な迫力。ボウケンジャー自体の評判が良い理由がこの作品を見てわかった。近年の戦隊物にはハズレが無えな。