はじめてのローグス~前編~
ふじい(以下F)「ローグス大原則! ひと~つ! 女子供を殺すな!」
サイレン(以下S)「ローグス大原則! ふた~つ! 麻薬はやるな!」
F「ローグス大原則! み~っつ! スピードスターは殺すな! というわけで、今回の放談はフラッシュのファンクラブ好敵手集団ことローグスの紹介です。闇の騎士バットマンにはジョーカー! 鋼鉄の男スーパーマンにはレックス・ルーサー! 世界最速の男フラッシュにはローグス!」
S「……誤解を招かぬよう最初に言っておきますが、決してネアカなバットマンB&Bのノリに合わせたのではなく、普段からローグスはこんな感じです。フラッシュが死んだら解散して更生、でもフラッシュが戻って来たら再結成後ヒールターン。それがローグス!」
F「決して三流ではなく、一流の実力をフラッシュと遊ぶ戦う方に当てているだけだからな。だいたい、能力だけ抜き出すと、大半のメンバーがX-MENのオメガクラスのミュータント(マグニートーやストーム)と被るんだぞ。お前らもうちょっとこう……ねえ!」
S「ねえ!と言われても。オメガクラス辺りだと、世界の事象を歪められるんだっけか? こう書くと、アイツらスゲーな」
F「それにローグスのメンバーの一人、元素変換能力を扱うドクター・アルケミー。何の変哲もないブレスレットを用意にプラチナへ、女性用下着を黄金に、能力の種は、お守り代わりの賢者の石だぞ」
S「錬金術師の夢じゃねえか! てーか、真理の扉を開くとかベホマラー代わりとか、もっとマシなことに使えよ! 下着に使ってるなよ!」
F「女の子に頼まれたらしょうがないだろ! んなこと言ったら、ローグス全員、フラッシュに全力を傾けている時点でアウトだ。まあほら、賢者の石の存在のおかげで、ローグスがどれだけスゴいか、わかりやすくみんなに伝わったじゃないか」
S「嫌というほどにな!」
F「ローグスっつっても、人数多しメンバーの入れ替わりも多いからな。だがまあ、上記アニメに出た三人はほぼレギュラーと言ってもいい。なのでこの三人を、まずは紹介していこう。小さなことから、コツコツと」
キャプテン・コールド
F「ローグスと言えばこの男。まさしくミスターローグス! ヒエヒエガン冷凍銃を扱う男、キャプテン・コールド!」
S「フラッシュの光速移動を止めるには、静止の力である氷。理屈的には、間違ってない。もっと簡単な話、地面を凍らせるだけでも、滑って転ぶよな。フラッシュ」
F「割りと、隙が多い人だからねえ。ともかく、偶然の事故で誕生した冷凍銃が武器、逆に言えば冷凍銃以外常人なキャプテン・コールド。ただし、冷凍銃を扱わせれば天下一品。例えば、自分の周りに冷気を這わせてバリヤにするとか。銃弾は止まるし、かと言って殴りかかれば、腕が凍るというね」
S「触れただけでアウトって、アクションゲームの敵キャラかなんかか」
F「他にも氷壁にトラップを仕込んだり、広域散布で敵の皮だけを凍らせて動きを防いだりと、ベテランだけあって、冷凍銃の使い方は誰よりも心得ている。あと、殴る蹴るの喧嘩殺法もよく使うので、凍結+打撃のコンボで、時折悲惨なことに」
S「痛ッ!? 女子供以外には、全く容赦ねえな!」
F「女子供でも、相手に殺意があるならば、やり返さんこともない。キャプテン・コールドもう一つの特徴が、冷徹な心だ。たとえ愛情を持った相手でも、襲ってくるならば、必死に感情を押し殺して応戦する。決まりを破ったメンバーがいれば、制裁や処刑を請け負う。伊達に、キャプテンと名乗っているわけじゃねえぜ」
S「最もキャプテンじゃなくて、ミスター・コールドじゃ、ややこしいからな。なにせ、バットマンのミスター・フリーズとカブる」
F「キャプテン・コールドの嫌いなことは、ミスター・フリーズに間違えられることと、DCキャラクター大事典にまで記載されてるからな。いっしょにすると、凍らされるぞ?」
S「同じ冷気を扱う悪党か。二人の差って、あるのかね」
F「コールドは犯罪者で、フリーズは元科学者。荒々しさのコールドと、頭脳のフリーズ。おそらく、フリーズのスーツや冷凍銃の方が性能自体は上だろうけど、喧嘩強さって結構大事だからなあ……。なお、この二人が組むと」
S「組むと?」
F「まあ地球の一つや二つは、氷河期に」
S「想像より遥かにスゲエ!」
F「氷の次は、炎だろ。常識的に考えて」
ヒートウェーブ
F「幼少時代、精肉工場の冷凍庫に長時間閉じ込められたせいで、冷たい物を恐れ、温かいものや熱に執着するようになる」
S「成長したヒートウェーブは、手製のハイテクヒートガンを掲げ、犯罪者への道へ。武器は当然、ヒートガンから放たれる炎。コスチュームは保温性の高い、耐熱素材と」
F「……」
S「……普通じゃね? 特にコメントがないくらいに、普通の炎使い」
F「シンプル・イズ・ベストと言おう! 実はゴッサムにも炎系犯罪者のファイアフライというのがいるけど、ヒートウェーブとファイアフライを比べた場合、ヒートウェーブの方が格上に見えるなあ。飛行可能なファイアフライの方が装備充実してるのに」
S「ローグスより、予想通りなゴッサムの犯罪者の宝石箱っぷりが気になってきた。なんでコンパチを、容易く用意出来るんだよ」
F「ゴッサムだからとしか、言い様がない。話をヒートウェーブに戻すが、ローグス以外のチームや組織に結構雇われている気もするので、やはりシンプル・イズ・ベストで評価が高いのだろう。ファイナル・クライシスにおいて、自分と同じ炎使いの犯罪者と真正面から炎を浴びせあって数秒後、容易く相手を燃やし尽くすシーンは、文字通り燃えるぞ」
S「正しく文字通り」
F「本日最後の一人は、気象予報士泣かせのこの御方」
ウェザー・ウィザード
F「三流犯罪者が、科学者である兄弟からウェザー・ワンドを盗んだ瞬間、ローグス最高峰の能力者が誕生した」
S「なになに。風力を扱い、気象を変化させる。ライトニング・ボルトや竜巻を発射し、大雨から吹雪に日照りまで使用可能。ついでに空も飛べる。やだこれ、超強い」
F「ワンドがないとダメとはいえ、天気を自由自在に規模問わず扱えるのは、相当ヤバいぞ。何より、能力が多彩すぎて、他のローグスと組むと手に負えなくなる」
S「ああそうか、キャプテン・コールドの冷凍銃と自分の吹雪で合体攻撃出来るな」
F「日照りだって、ヒートウェーブが隣にいれば、乾燥+炎のコンボで街の一つや二つ焼けるぞ。逆に氷や炎が必要となったのに、二人が居ない! そんな時は一人で代役を請け負えるし。炎は多少工夫が必要になるけど」
S「ひたすら便利な男だ」
F「常人のバットマンじゃ、ウェザーウィザードには勝てないよ!とキャプテンアトムが嘲笑っていたこともあるし。ヒーロー側からの評価も、相当高いぞ」
S「それより俺の中で、キャプテンアトムの評価が急降下だよ!」
F「きっと、壊れた原子炉から放射能を吸収するだけのお仕事に、疲れきっていたんだよ……」
F「よし。今回の分は、これで完了。次回もまた、複数人解説して、その次もまた。全三回でシメってところかね」
S「あらやだ、意外と長い」
F「人数そこそこいるし、語りたいことも多いし。こういう、日本での認知度が低いキャラを扱う時は、どうしても慎重になるしね」
S「ところで。DCコミックスって、一回設定リセットのリランチ入ったから、今日書いた設定って今はもう……」
F「それを言っちゃあ、オシマイよ。わりと本気で」