ゾンビと頭のデッドプール
ふじい(以下F)「マーベル・ゾンビーズ発売直前……待てよ? もう神保町では売ってるのか? そもそも、あと数日で発売するので、後日この放談を見返した場合はどうなる。えーと、アメコミ放談、始まるよ!?」
サイレン(以下S)「グダグダだなあ、おい!」
F「平常営業、平常営業。えーと、Marvelのヒーローがみんなゾンビになって全てを喰らい尽くす問題作、マーベル・ゾンビーズが遂に邦訳されました。もっと先に邦訳すべき物があるんじゃね? という意見もありますが、こういうキワモノを邦訳するのも大事ですよ。変化球を投げることで、今までストレートをキャッチしなかった層が、キャッチしてくれる可能性もありますし」
S「まるでウチのサイトの路線のようだ」
F「ビバ、スキマ産業。さて、ウチの場合。ゾンビーズ記念というきっかけ、加えて他ではあまり取り上げないことをネタにするわけだ。スキマはスキマで気を使うものよって、八雲のババアお嬢さんが言っていた」
S「いやー、あの方も相当自由人ですよ? だが確かに、その条件に合致するネタを探すのは難しいな」
F「うむ。さんざん悩んで考えて考えたところで、ピピっと天啓が。マーベルゾンビーズの世界でゾンビになりながらも、新たな可能性を自ら見つけた男……ゾンビデッドプールでいいんじゃないかって」
S「いつも通りだー!? お前、絶対考えてない、脊椎反射で決めただろ」
F「どうしてバレたんだろう(棒読み)。というわけでね、ゾンビデッドプールですよ。分かる人には、ヘッドプールと言った方が分かりやすいかな」
S「その呼び名と姿については後に解説するとして。でもさー、思うのよ」
F「何が?」
S「デッドプールさん、生前からちょっとマスクを取っただけで、ゾンビや妖怪や悪魔へのなりすましに成功していたじゃないですか。そんな人間がゾンビになった所で、何か問題あるのかな? そもそも、この間出て来た、エビルデッドプールもゾンビみたいなもんじゃないか?」
F「確かにそうなんだけどよ。本人もこの素顔のお陰で潜入できたぜプププーぐらいに思ってるけどよ。冷静に立ち返るとおそらく本人傷つくから、そこは放って置いてやれ」
F「えーと、まず来歴ね。ゾンビデッドプールはマーベル・ゾンビーズに出ているものの、出てくるのはマーベルゾンビーズの続編、マーベルゾンビーズ4からです。最初のマーベルゾンビーズ? ひょっとしたらカメオぐらいならなあってレベル。確か、カメオでも出てないけど」
S「またデッドプールさんは、邦訳される機会を逃したのか」
F「ニアミスはしてるんだけどねえ。デッドプールは邦訳されないことを……強いられてるんだ!(集中線)。いやはや、需要も間違いなくあるのに、不憫な」
S「強いられてるんじゃ仕方ない」
F「話をゾンビデッドプールさんに戻すと、なんかうっかり異次元ゲートに巻き込まれて正史世界に来たものの、身体をミンチにされてしまいました、おしまい」
S「終わった!?」
F「いやあ。ゾンビですよ? デッドプールですよ? 身体をミンチにされたぐらいで、死ぬわけ無いじゃないですか。頭だけは無事だったゾンビデッドプールは、ゾンビ改めヘッド、頭だけのヘッドプールとして活動開始。カリブで適当にバカンスを楽しんだあと、漂流して、原始の王国サベッジランドへと漂着。原住民に神様扱いされ、うひょー! 夢のデッドプール1000年王国だぜ!と原住民総動員で巨大なデッドプール像を建設したりして大はしゃぎ」
S「頭だけになっても、全くバイタリティに衰えが見えない。むしろ、いっそう酷くなってる」
F「まあ。ゾンビウイルスなんて、危険でレアな物を持っている存在が、放置されるわけないんですけどね。秘密結社ヒドラやモードックが首領のAIMが、ヘッドプールの存在を察知。そして、現地調査のために派遣されたエージェントが、1000年王国の野望を打ち砕く!」
デッドプール「オレのデケえ石像だー! え? 何? デッドプールキングダムなのココ? 左うちわの生活が出来るの? やべえ、超最高!」
S「……来ちゃったんだ、正史世界のデッドプール」
F「うん」
S「世界は違うとは言え、同じ人間同士の邂逅。まずいんじゃないの?」
F「本当に、まずいと思っているのか?」
S「全然」
F「所詮、二人ともデッドプールだしねえ。ヘッドプールは新しい身体が来たと大喜び。逆アンパンマン方式でデッドプールの身体を奪おうとするものの、デッドプールの抵抗により失敗。ヘッドプールを奪って逃げるデッドプールと追う原住民。ヘッドプールを狙って現れたヒドラの戦闘員。デッドプールを助けに来たサベッジランドの王者ケイザーとペットのザブー。更にサベッジランド現住の恐竜にヘッドプールが噛み付いてしまい、恐竜がゾンビ化。なんかもう、シッチャカメッチャカですね、コレ」
S「カオスすぎるわ」
F「この辺りのエピソードは、俺イチオシのデッドプール本、Deadpool – Merc With a Mouth: Head Trip の話だな。ちなみにコレ、前々半の小さな山場だから。もっとヒドいエピソードが、Deadpool – Merc With a Mouth: Head Tripには目白押しサ!」
S「え? これで? これで小さいの? どうなってんだHead Trip」
F「まあー詳細は省くけどね。話していたら、年度が変わるぐらい長い話になるし。とりあえず、友情のヒトコマを載せておこうか」
S「あーなるほど、デッドプールがヘッドプールを頭に乗せてゾンビに化けてるのねーなるほどー……なんで彼ら、こんなことしてんの?」
F「マキで行くので、あえてスルー。最終的に、ヘッドプールはマーベルゾンビーズとは別次元のゾンビ世界、五体満足なゾンビデッドプールから身体を奪うことに成功。うひょー! これで元の次元に帰ってリベンジだ―!と勇んで帰ったら、一コマ持たず、再び身体がミンチに。そしてまた、ボートに乗せられ漂流へ……」
S「話が一周しただけじゃないですかー! やだー!」
F「Head Tripの、300ページ超の物語はなんだったんだろうね。その後、以前「海賊王に俺はなる!」と言い出したデッドプールに壊滅させられた海賊団の残党が偶然ヘッドプールを回収。さてどうしたものかと残党が悩んでいたら、ヘッドプールを探しに来たデッドプールが大暴れ。海賊団、完全壊滅」
S「悲惨すぎる。ヘッドプールを探しに来たデッドプール……ああ。アレの話か」
F「デッドプールによる、デッドプールのための、デッドプールのチーム。デッドプールコープスのメンバーとして、ヘッドプールも招集されることに。海賊団につけた貰った新装備のおかげで、自分一人での飛行移動も可能に。もはや、空飛ぶ生物兵器!」
S「これ、タケコプ」
F「シーッ! 言わなきゃばれないって、ヘリトンボそっくりだなんて!」
S「なんで!? なんで旧名!? それにまさかのドラえもんオチ!? なんだこれ!」
F「えっと……何だろう?」
S「お前が困るなよ!」