読解 ワールド・ウォー・ハルク~激闘 本戦~
前回のあらすじ
ハルクが地球に帰還。まずはブラックボルトを血祭りに上げた。
ふじい(以下F)「えーと、ここまで書いたんだったな。久方ぶりで、どこまで書いたか忘れちまった。という訳で、ワールド・ウォー・ハルクの続きな。悪の根源イルミナティとの対決編って感じで」
サイレン(以下S)「あれ? 本戦? 予告だと、激闘としか書いてなかったよな」
F「最初はいっしょくたにしようと思ったけど、正直長い! なので本戦でワールド・ウォー・ハルク本誌に掲載された戦いを解説。その後、番外でも乱闘でも、とにかく適当なタイトルつけて、他誌に掲載された戦いを解説する」
S「ゴーストライダーやX-MENとの戦いは、マジで書いたらエライ量になるだろうしな。それでいいんじゃね?」
F「という訳で、今回は対イルミナティ戦だ。ハルクからニューヨーク市民に与えられた、24時間という猶予。人々は避難し、ヒーローは避難誘導に奔走する。そんな中、イルミナティのトニー(アイアンマン)とリード(ファンタスティック4)の二人は、ある場所へと向かっていた」
F「ハルクは地球にいた時より、一層パワーアップしている。だが、そのパワーアップ分も加味しても、こいつならハルクに勝てるんじゃないか? という人材は何人かいる」
S「そうだなあ。単純に力と体力でハルク並といえば、ジャガーノートか」
F「ただし映画版は除く。他には、X-MENのストロングガイやハーキュリース(ヘラクレス)が互角と称されるパワーキャラだな。ソーはパワーキャラじゃないけど、ハルクと互角の腕力と明言されてるので、これに加えてもいいかも。ファンタスティック4のシングは微妙なラインか?」
S「X-MENのコロッサスさんは……平時のハルクより数段劣る怪力って設定だったな。褒めてんだか、けなしてるんだか。まあでも、数段劣ってても十分パワーキャラとしてやってける時点で、ハルクのタガの壊れっぷりはハンパねえな」
F「勝てそうな人材はいなくはないけど、多くはない。だいいち、以前のハルクと互角だったとしても、今のハルクに勝てる保証はないからな。でも一人だけ、コイツならハルクに勝てる! その上連絡も取りやすい!という男がいた。その名は、恒星の力を持つ男、セントリー」
S「うん。まあ、セントリーならね……」
F「うん。彼強いよね。昔々、シルバーエイジの時代から活動していた(という設定)のヒーローで、高速飛行で怪力持ち。まあぶっちゃけ、能力がシンプルになったスーパーマンです。コスチュームにも“S”ついてるしね」
S「ライバルは自分と同程度の力を持つ邪悪なる者ヴォイド。ワールド・ウォー・ハルクより後のシリーズ、シージーのラスボスだよな! 神の国に現れた、神を殺す者。ソーのライバルであった邪神ロキもヴォイドに殺されたしな! ヴォイド超強い!」
F「ヴォイドとセントリーについて語ると、丸々一話使い果たすので、ここまでにしておこう。まあ、性格がダメ人間のスーパーマンと思っていただければ……」
S「最近の性格は、福本伸行が書くダメ人間レベルだもんな……彼。カイジの安藤レベルの」
F「せめて、状況に流されやすい古畑レベルじゃなかろうか。一応ヒーローとして最低限の矜持は持ち合わせているし。まあとにかく、トニーとリードはハルクを止めてくれと頼みに行くものの、セントリーは動かなかった。ただ、“後で行くよ”レベルの了承を取り付けることは出来た」
S「個人的にハルクと仲が良かったんだっけ? 隠遁してたセントリーを第一線に復帰させたのもハルクだとか」
F「セントリーは自分を知る者の記憶を消して隠遁してたんだけど、ハルクは嘗て友情を育んでいた故か、セントリーのことを覚えてたワケで。とにかく、即断即決の手段を直ぐには使えないことは明らかになった。当然、イルミナティはそれぞれ、自分でハルクをどうにかする手段を模索することとなる。ほとんど無理ゲーだけどな!」
避難活動が終わり、ほぼ無人となったニューヨーク。集結するアベンジャーズの前に現れたのは、対ハルク用スーツ“ハルクバスター”を装備したアイアンマンだった。
「私がハルクを止める」
ハルクバスターが未完成であることは一切口にせず、アイアンマンは現れたハルクとの一騎打ちに臨む。ニューヨーク全域を使った、ド派手なバトル。二人は縺れ合ったまま、アベンジャーズの基地であり象徴でもあるアベンジャーズタワーに激突する。崩れ落ちるアベンジャーズタワー。瓦礫の中から現れた勝者は――。
S「そりゃ、勝てねえよな。未完成じゃ」
F「未完成品で驚異に立ち向かうって、普通カッコいいシーンなんだけどね。そもそも社長が元凶だしなあ。余計なことしなきゃ、未完成品を持ち出さなくてもよかっただろうに」
S「ハルクバスターはアイアンマンのアーマを装着した上で着る、いわば追加装甲?」
F「以前のハルクバスターは、直接アーマーを強化したものだからな。だいたいこんな感じで。なんとなく、ジャガーノートに似ている気がする」
S「シルエットにしたら、見分けられないんじゃなかろうか?」
アベンジャーズの前に現れたハルク。ハルクを守る為に参上する、ウォーバウンドの面々。そんな一瞬即発の状況を、ハルクのいとこであるシーハルクが止めた。
弁護士でもあるシーハルクは、ハルクが退いてくれれば、イルミナティを法律で裁くことを約束するものの、ハルクは拒否。地球のヒーローとサカールの闘士の戦いが始まった。
真正面からのぶつかり合いを制したのはウォーバウンドだった。敵はハルクだけではないと、生き残りのヒーロー達は考えを改めることとなる。
F「シーハルクを筆頭とした、三人のヒーローを倒したハルク。しかしウォーバウンドも一対一で、ヒーローを倒していく。ミズ・マーベルやスパイダーマンはハルクに触ることさえ叶わず、ウォーバウンドに一蹴されてしまった」
S「スパイダーマン、色々なところに出てるけど、決してヒーローとしての能力が高いわけじゃないからな……。平均レベル?」
F「平均より上には行かないだろうなあ……。まあ、一時期ハルク並の怪力キャラだったワンダーマンや、万能キャラのミズ・マーベルやスパイダーウーマンも、ウォーバウンドに負けてるからねえ。多分、こんな感じじゃね?」
ハルク>>地球の強いヒーロー>>ウォーバウンド>>地球の並のヒーロー
S「サカールの闘技場のレベルはハンパねえな」
F「厳しい環境だからこそ修行の効率もいいって、サイヤ人の悟空さんが言ってた」
アイアンマン撃沈。アベンジャーズ壊滅。ハルクとウォーバウンドは、ファンタスティックフォーの元へ急ぐ。友人であるブラックパンサー、妻であるインビジブル・ウーマン(スーザン・リチャーズ)に非難されながらも、対ハルク用兵器の完成を急ぐリード。しかし、完成間に合わず。ブラックパンサーと妻のストームが時間稼ぎに向かうものの、彼らはウォーバウンドに止められてしまった。
最大火力が効かず、倒されるヒューマントーチ。真正面から挑んだものの、粉砕されたシング。無敵のバリアを打ち砕かれるインビジブル・ウーマン。兵器も破壊され、身一つで挑んだリードも叩き潰される。
ファンタスティックフォー、ここに壊滅。
S「そうだ。ストームの事情について、説明しないとマズイんじゃないか? 日本でのイメージはX-MENのストームだぞ?」
F「そういやそうだな。ストームはアフリカの小国ワガンダの王ブラックパンサーと結婚して、ワガンダ王妃になりました。ブラックパンサーとセットでの行動が多くなったものの、外部メンバーとしてX-MENに現在進行形で協力してます。あとついでに言うと、ワールド・ウォー・ハルクの直前まで、休養中のリードとスーザンの代わりにファンタスティックフォーに加入してました」
S「それにしても、イルミナティに反対しておきながら、尻拭いを手伝ってくれるブラックパンサーさんは素晴らしいお人だな」
F「あの世界、頭のいい人格者って珍しいからな!」
S「シングもいい人だよな!」
F「ハルクに全力でぶっ叩かれたけどな! ウォーバウンドのヒロイムさんが思わず『あの男、死んだんじゃないか……』と呟くぐらいの一撃をくらって」
S「そういや、ウォーバンドの岩石男コーグさんとシングは、この戦いでもこの後でも、会話や絡みが多いな」
F「岩石男繋がりで、シンパシーでもあるんじゃなかろうか。両方、人格は至極まともな二人だし」
倒したヒーローを引き連れ、凱旋するハルク。遠巻きに見守る警察やマスコミ。そして、ハルクを歓迎するヒッピー達。そんな彼らをかき分け現れた、一人の男。
「友人に会いに来た」
男は一人、ハルクの前に進み出る。止まるハルクの歩み。ハルクにとっても、彼は友人だったのだ。
一方、イルミナティ最後の一人であるDrストレンジは、自分にしか出来ない作戦に打って出ようとしていた。ハルクの脳に魔法で直接干渉し、ブルースを呼び覚ますことでハルクを沈静化する。そんな、手遅れな作戦を考えていた。
F「今日はここまで。次回は~激闘 番外編~。X-MENやゴーストライダー、ハルク本誌ではなく別紙で描かれた戦いを解説してみようか」
S「なんというか、バッタバッタとやられていくなあ」
F「アメコミって基本月刊でP数も少ないんだけど、展開は早いんだよな。価格も高いから、だらだらストーリーを引き伸ばされた日には、読者もたまったもんじゃないだろ」
S「まーな」
F「もしアメリカで、ブ◯ーチや最近のバ◯みたいに展開がのんびりしたものを理由なく書いてたら、どんな大御所でも出版社から追い出されると思うぞ。前者はコマ割りがアメコミ風の大ゴマだから、アメリカでもそこそこ受けてるみたいだけど」
S「ストップ! それ以上いけない!」