日々雑談~5827~

 18年の眠狂四郎で引退してから3年。あの時から終わりを意識していたのだと思います。
 ご冥福をお祈りします。

 眠狂四郎にパパはニュースキャスターに古畑任三郎、とりあえず俺の中での忘れられない田村正和さんは「総理と呼ばないで」の内閣総理大臣。このドラマ、全員総理大臣や官房長官といった役職名がそのまま役名で、個人の名前の設定は無かったんですよ。

 快刀乱麻にすべての政局や国難を解決する名総理の物語……ではなく、うっかり総理の座を射止めてしまった史上最悪の総理大臣のコメディ。政治家としても微妙、人間的にも器が小さく、家庭面でも妻が間男と駆け落ち(未遂)するぐらいにアレなお方。でもこれは、ダンディではあり政治家とは違う色気のある田村正和だからこそ演じられた役。実際に政治家が似合う役者やドタバタコメディが似合う芸人が演じてたとしたら、おそらく作品のバランスを崩していたのではないかと。

 でも、立場が人を作るとの通り、追い詰められていくことで若干ながら総理の中で何かが変わっていき、史上最悪だからこそ出来た偉業を人知れず果たすラストは感動の一言。総理のスキャンダルを暴いてご満悦だった記者が、総理が最後に果たした偉業に気づいてしまったシーンがいいんだ。首席補佐官に、記事を書かせてくれ! あの人のやったことを伝えたいんだ!と震えながら懇願するのよ。でも、その偉業は公になった瞬間に台無しになると諭されてね。そああもう、今でも覚えてるよ!

 あんま俺、昔からドラマは観ないんだけど、。なんかこのドラマは覚えてるんだよね。ってことは、ちゃんと観てたってわけで。流石に観た理由や時期までは覚えてないけど、いいものは刻み込まれて残るもんなのさ……。