クマーに釣られた野獣
フィリップと合体出来ない翔太郎はショックのあまり失踪した。フィリップは照井竜を新たなパートナーとして選び、新たな仮面ライダーWが生まれる。新たなWがミュージアムとの戦いを繰り広げる中で生まれる新たな噂。ドーパントを狩っている怪人がいる。男の顔はまるでドクロのようで――。
仮面ライダースカルの復活。フイリップは検索するまでもなく、スカルの正体を確信する。スカルの正体は翔太郎だと。しかしそれならば何故、スカルはドーパントを倒す際、メモリの持ち主に必要以上のダメージを与えているのだろうか。フィリップは悩みを抱くこととなる。
翔太郎は既に人としての感情を捨て、一人の処刑者と化していた。力が足りぬのならば、死した感情を積み上げて、高みに到達する。その乾いた心は、ハードボイルドと呼ぶのに相応しい。ならば何故、翔太郎の心中には後悔の二文字だけが残っているのか。協調を捨て、孤高を選んだ彼の問い掛けに、答える者はいなかった。
亜樹子「どう?」
翔太郎「いや、どうって……」
亜樹子「無理やり、話の流れをハードボイルドにしてみたわ。で、どうよ?」
翔太郎「そうだな。そのドヤ顔がすっげーイラっとする」
合体物の王道、片方の急成長によるバランスの欠如。半熟卵は突きつけられた試練にどう立ち向かう? 急展開の仮面ライダーW 31話感想。残された記憶、残った謎、新たな試練。全てを降りきって、前に進むしかない。
鳴海壮吉:何者かにスカルのメモリを託された名探偵。
フィリップ:運命の子。メモリ製作者の過去アリ。
照井竜:様々なガジェットやメモリを授かった復讐者。
左翔太郎:なんかよく分からんウチに、ライダーになってたハーフボイルド。
ヒーローとしてそれなりに成熟してるせいで気付かなかったけど、翔太郎だけが巻き込まれた側の人間だったのか。おやっさんや照井は自ら足を踏み入れていて、フィリップはもっと深い根源に元々いた。そりゃシュラウドもダメだしするわ。おやっさんはまだ確定していないけれども、唯一、シュラウドと関係ないライダー変身者が翔太郎なワケで。
考えてみれば、翔太郎も出自が全く分かってないのな。半ズボンで探偵助手をやっていたのが最も古い姿? ひょっとしてWの二人、現時点で最も出自不明なライダー主人公なんじゃなかろうか。フィリップはともかく、翔太郎の出自はメインストーリーに関係なかったら、一生分かりそうにねえな。
壮吉を期待してやって来て、翔太郎がいたら誰だって困るよなあ。そりゃあ、サムだって困るさ。全ての根源は10年前の事件に。10年前からドーパントやってるマルすげえ。野獣人間って言い方は気に入りました。ハードボイルド小説のタイトルみてえ。
ところでベルが胡散臭いんですけれども。風都の女にロクなのいねえという適当な思い込みはさておいて、将棋を指している辺りが。あれは裏で物事を操っていたことへのメタファーじゃなかろうか。
野獣というキーワードを使ってナンパしたら、もっと飢えた男に逆ナンされたでゴザル、の巻。今回も介入してきた井坂さん。最初はこの人がW最強フォームの筆おろし相手になると思っていた。なんだかんだで、もうミュージアムの立派な幹部じゃないか。霧彦さん……先日、Wを見てたら時代劇になっててビックリした君沢さん……フレッシュプリキュアを見てようやく落ち着いた君沢ユウキさん……。
死人返りしても誰も文句言わんから、霧彦さん復活させてくれよ! かわいそうだろ!
力不足のモヤの向こうには、新たなる可能性の影が。仮面ライダーWサイクロンジョーカーエクストリーム、名前、長すぎるだろ。歴代最長? まさかヒートやルナの派生もあるんじゃなかろうな。
果たして翔太郎とフィリップは、二人でさらなる強さを手にいれることが出来るのか。何がイイって、パワーアップの必要性が感じられるのがイイ。ウェザー登場で最近Wの力不足をヒシヒシと感じていたから。堅実に伏線を張った王道展開って素晴らしいだろ。