ゲーム DeadPool(デッドプール) レビュー

 映画? なにそれ美味しいの?とばかりに、映画化→ゲーム化の流れをすっ飛ばして僕らのMarvelヒーロー、デッドプールさんが主役のゲーム、DeadPoolが先日発売されました。北米やアジアでの販売で、日本語版発売というわけではないですが。つまるところ、オール英語の洋ゲーです。

 アイアンマンもキャプテン・アメリカもソーも、次世代ゲーム機でのゲーム化は映画とストーリーや企画共に準拠なので、こうして映画と全く関係ない所で単品ゲーム化するのは、X-MENやスパイダーマンくらい。でも、X-MENは映画の公開時期に合わせていたり、スパイダーマンも新作映画アメイジング・スパイダーマンをゲーム化するようになったので、本当に全く映画も何も関係無いのは、デッドプールくらいですね。お祭りゲーであるマブカプ3も、アベンジャーズ出演に関してのホークアイ推しや、現在未公開の新作映画ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシーを見越してのロケットラクーン参戦があったようですし。でもいい加減、デッドプールも映画化してやれよ。製作予定の話だけなら、キャップやソーやアベンジャーズより早かったじゃねえか。
 それはともかくとして、ゲームDeadPoolはPS3と360で発売。VITAや3DSのような携帯機、Wii∪のような任天堂ハードでの発売は無し。なるべく多くのハードに出そうとする洋モノキャラゲーにしては、2機種はかなり少ない部類ですね。
 オールリージョンフリーなPS3は当然として、360での動作も確認されたので、PS3&360共に日本の本体で楽しめます。近年は殆ど360の洋ゲーも日本の本体で動くのですが、でもまだ時折リージョンコード(再生地域限定コード)に引っかかって動かないゲームが有るんですよ。近年だとベセスダのRAGE、Marvelのキャラゲーだとインクレディブル・ハルク(北米版)が日本の本体でのプレイが不可能でした。この辺り、実際やってみるまで未知なので、日本で洋ゲーを扱っているショップさんも、確実に日本の本体で動くPS3版を多めに入荷する傾向にあります。

 まずゲームとしての評価ですが、非常にとっつきやすい作品です。英語が分からずとも、ハイテンションさで第四の壁どころか言語の壁すら破壊せん勢いのストーリー。弱攻撃、強攻撃、回避の三ボタンでこなせる容易さと、武器チェンジや射撃ボタン等を組み合わせることによる幅の広がりを併せ持ったアクション。総じて、是非とも洋ゲーの入り口としてプレイして欲しい分かりやすさが。マブカプ3で大暴れしていた変な赤タイツぐらいの知識でも、きっといけます。
 一部アクションがあまりに平均点すぎるとの評もありますが、突き詰めると最終的に、湧いて出る敵をズバズバ切ってバスバス撃ってヒュンヒュン避けてガンガン撃たれるデッドプールファイトが再現可能な仕様だと思うのですよ。攻略情報的なものは、後に稿を改めて書ければと。入り口のシンプルさが、単純なアクションとして評価されてしまった面もあるかなと。慣れるとハンドガンのみでガン=カタできますよ。デッドプール本人の希望通りに。

 ゲーム開始早々、自身のCV担当のノーラン・ノースと喧嘩し、便座に腰掛けタイツを脱げば自分で股間隠しのモザイクを伸ばし、呆れるほどのパンケーキを焼き上げご満悦。ええ、実にいつも通り。コミックスそのままのデッドプールです。この後、悪徳メディア王の拉致や、ミュータントにとって因縁の地であるジェノーシャでの巨悪ミスター・シニスターとの決戦と話がどんどんでかくなっていきますが、ノリは一切替わりません。このまま、最後まで突き進みます。制作会社であるハイムーンスタジオズもシナリオの悪乗りに合わせ、大暴走。技術力有る悪乗りほど、ひどいもんはないね! なんで、ゼ◯ダよ。なんでヤッターと日本語で叫んだ後、JRPGじゃねえんだよ!ってキレてるのよ。なんでお姉ちゃんのおっぱいに顔を埋めたと思ったら、いかにもCV玄田哲章な未来傭兵の胸板(以下削除
 この原作同様のノリの秘密は、シナリオ協力のダニエル・ウェイに。ダニエルさんは、ついこの間までデッドプールの担当ライターをやっていたお人です。2008年から2012年まで続いた第三期デッドプールシリーズ。マーベル・ユニバースの時系列としては、シークレット・インベーションからマーベル・ナウ!直前までですね。今は、デッドプールではなく新生サンダーボルツのライターやってます。最も、新生サンダーボルツのメンバーにデッドプールいますけどね!
 話がズレました。つまり、最もデッドプールに携わっているライターが、この原作まんまのシナリオの裏に居るわけです。そりゃ、そのまんまに決まってますよ、当時の現行シリーズ、第三期デッドプールの延長線上にあると言っても、過言ではないのだから。
 結果、エンディングの頃には、アメコミを1シリーズきっちりと追いかけたような。そんな満腹感があります。出番に差はあれど、ケーブルやウルヴァリンにローグと言った、人気キャラも登場。もれなくヒドイ目にあってるのはさて置いて。特にローグとか……あと本人出てないけど、扱いがヒドすぎる鵜堂刃衛某フランス人盗賊とか! この件に関しては、シニスターがヒドいよ! 原作準拠の使い方だからこそ、余計に!

 洋ゲー、洋制キャラゲーの入門作としての個人的評価は高く、もういっそのこと邦訳して日本でも売ってくれないかなと。全世界に通ずるノリと簡易さがあるので、入り口の分かりやすさと広さではかなりの物ですよ。贔屓目抜きで、大好きかもしれん。

日々雑談~1421~

>鬼太郎を喰ったルーミア、霊夢さんを侮辱するビビビ、無知とは恐ろしい。知った上でやらかすチルノはある意味サイキョーなのでしょうか・・

 知っても多分、秒単位で忘れるだけです。それはともかく、物怖じしない勇気もサイキョーに必要不可欠な物なので、巫女にも閻魔にも屈しないチルノの性根は、既にサイキョーなんじゃないかと。幻想郷には引くことを知る、打算的な妖怪も多いですし。他人が憧れるサイキョーさには、ある種向こう見ずに見える勇気も必要です。

 PS3版Deadpoolをクリアしました。終えてみると、普通に良いゲームだったなと。個人的には、Spider Man: Shattered DimensionsやX-Man Origins: WolverineやThe Amazing Spider-Manと並べて“英語が分からなくても楽しめる洋ゲー”のカテゴリーにぶち込んでもいいかなというくらいに。アクション部分が最初物足りなくても、アクションやスキル開放、そして慣れによりアクション部分も楽しめるように。一周目はストーリーを楽しみ、二周めはアクションを楽しみ。ジェットコースターのように、ハイテンションなゲームでした。
 また改めて感想を書く気ではおりますが……ネタバレを避けつつ、ストーリーの面白さを解説するの、えらく難しい気がする。

東方大魔境 血戦 幻想郷~4~

ゲタに案内されたのは、人里と森の境目にある倉庫であった。
「洋館、お屋敷二回に神社と来て、今度はこのボロい倉庫ねえ。どうもたいしたヤツがいそうにないわ」
「巫女殿静かに。敵に見つかってしまうぞい」
目玉の親父と霊夢は屋根に陣取り天窓からこっそり工場の中を覗いている。ゲタは大人しくなったので、とりあえず霊夢が持っている。現在工場はゆっくりと稼働中であった。
「ねえねえマネージャー」
ノルマをこなしヒマそうなチルノがネズミ男に声をかける。
「あんだい」
「アタイ、もっと外の妖怪とやりあいたいんだけど。そうすれば外の世界でも、アタイのさいきょーさが有名になるじゃない。この間のきたろーってゆうのも弱かったし」
「我慢しろい。アイツを倒したら、子泣きや砂かけが押しかけてくるのがお約束。待てばそのうち来るさ」
鬼太郎がやられて仲間が押しかけてくるのは王道であった。
「くぅ、まさか鬼太郎がやられているとは」
天窓に張り付いている親父が嘆く。
「やられたって、あの工場に居るのはチルノとリグルとミスティアとルーミアと雑魚軍団と、それにネズミ男ってやつだけなんだけど。ネズミ男って強いの? ウチのネズミとは、随分タイプが違うみたいだけど」
「んにゃ。妖怪未満人間未満のダメなヤツじゃが」
「あのバカルテットも所詮前座のボスなんだけど……。いや、けっこう強いって聞いてたのに、アレに負ける鬼太郎さんって」
ハードならともかく、イージーで彼女らに負けるシューターは余程シューティングが苦手だ。それはさておき。
「あせっちゃダメだよ、チルノ」
「そうそう、それにまだ大事な奴を忘れているわ」
「……そうだよ」
リグル、ミスティア、ルーミアの三人もヒマなのか話に参加してくるが、どうもルーミアの様子がおかしい。
「ちょっと、大丈夫なのルーミア? なんかアンタ元気ないわよ」
いつもは食物連鎖の下に居るミスティアも、ルーミアを心配する。
「うん、だいじょうぶだよ、みすちー。なんならその翼をひとくちで」
「ああ、それだけ元気があれば大丈夫ね! てーか元気でも何でもヒトの翼を食おうとするな! 絶対に食おうとしないでよ!」
「えーと、ネタフリなのか?」
「違うー!」
「アレは置いていて、なんだよリグル。もしかして、幻想郷にも正義の妖怪がいるのかよ」
やいのやいの始めた二人を放っておいて、ネズミ男が正義への煙たさを隠さず。リグルに尋ねる。
「妖怪じゃないけど、幻想郷にもトラブルの解決屋がいてね。霊夢って巫女だよ」
「巫女? まさかヒ一族じゃねえだろうな」
ヒ一族とは、妖怪の天敵と呼ばれる一族の事だ。一時外の妖怪は彼らに絶滅寸前まで追い込まれた。
「たぶん違うと思うけど、なんかトラブルがあると首を突っ込んできて、よけいに騒動を大きくするんだ。私たちなんか騒動と関係ないのに、巫女の通り道にいたってだけで、ボコボコにされたし」
「カーッ、そりゃまたロクでもねえのがいるなあ。それじゃ正義の味方どころか通り魔ヨ」
ピシリと、天窓のガラスにヒビが入った。
「待て巫女どの、落ち着くんじゃ!」
「ふふふ、リグルきゅんもずいぶん言うようになったわねぇ……」
ビシビシと妖気をこえる殺気が空気を震わしている。どうやれば人間がこんな気を出せるのか。
「まーつまりレイムは、空気が読めないバカなのさ」
チルノが霊夢をバカにした途端、工場の屋根が爆風と共にはじけとんだ。
「な、ななななななぁ!?」
逃げ惑うネズミ男の視線に入ってきたのは、まさに鬼。屋根の残骸の上にゆっくりと降り立つ霊夢が彼にはそうとしか見えなかった。
「よりによって⑨にバカにされちゃあ、さすがに黙っていられないわよねぇ?」
瓦礫を蹴り飛ばし、ゆっくりと霊夢が降りてくる。バカルテットとネズミ男にできる事は怯える事のみだった。
「なんなんだよコイツは、ヒ一族よりヒデえ……」
「オイ、ネズミ男! おぬし鬼太郎をどうした!」
霊夢の巫女服にある脇の切れ目から、目玉の親父が這い出て来た。
「ああん? 親父も来てんのかよ。ああ、そうだよ、鬼太郎はな、ここにいる四人の先生方に氷漬けにされて川に流されたよ。そうだよな、ルーミアよ」
「う、うん」
ネズミ男の問いかけに、未だに様子のおかしままのルーミアはなんとか首を縦に振る。
そんなおかしいルーミアを見逃さないモノが居た。
鬼太郎のゲタが、突如勢いを取り戻しルーミアめがけ襲い掛かる、不意打ちの一撃は、ルーミアの腹に直撃した。痛みのせいか、ルーミアが腹を抑えうずくまる。
「ちょ、ルーミア!? 霊夢、あんた相変わらず極悪非道の巫女ね!」
「ちょっと待った、今のは私じゃないわ。ゲタが勝手に」
「このばかー! ゲタがかってに動くわけないだろ、このバーカ!」
どさくさまぎれにエラくチルノが調子に乗っている。
うずくまったままのルーミアは本当に苦しそうだ。うずくまったまま、痙攣している。
「ちょ、これ本気でやばいよ!」
「ルーミア、大丈夫!? 何処が痛い!?」
「お腹が、お腹がいたいよぉ……」
すぅっと、ルーミアの口から白色の気体が漏れてきた。気体は途切れることなく続き、やがて集まり人型を象っていく。
少女の痛みは、下駄の外傷ではなく、腹の内部にあった。
「ちょ、ルーミア。あんたなに食ったのよ!?」
それは所謂、食あたり。
「まさか! オメエひょっとして、氷の鬼太郎を食ったな!?」
白色の気体に色がつく。それは、黄色と黒の縞模様。続いて肌色に青色と、気体はどんどん人らしくなっていく。最後にゲタが、久しい主の下へ嬉々として戻った。
「助かったよ、その子の食い意地がはっていて。カキ氷機に身体をかけられたときは死ぬかと思ったけど」
ゲゲゲの鬼太郎は易く復活を遂げた。
様々な特殊能力が鬼太郎にはあるが、まず恐ろしいのは、この殺しても死なない生命力だ。
「鬼太郎―!」
親父はすばしっこく鬼太郎の身体を駆け上がり、頭の上のいつもの定位置へと着いた
「あっ、父さん。あれ? そこの巫女さんは?」
「うむこの方は博麗霊夢と言ってな、カクカクシカジカ」
親父から霊夢や現状に関してのだいたいの説明を受けた鬼太郎は、まず霊夢に一礼した。
「ありがとうございます。父さんをここに連れてきてもらって」
「どういたしまして」
「ついでにもう一つお願いがあるんですが」
「いいわよ。もう何か分かっているから、譲るわよ」
まあ、たぶん前評判からいってやりすぎる事はないだろう。わざわざ彼にスペルカードルールを教えるのも面倒だなと、霊夢は判断した。スポーツライクにスペルカードで争ってもらうのが一番だとしても、飛べないんじゃしょうがない。
あっさりと霊夢は退き、代わりに鬼太郎が五人の妖怪の前に立ちはだかる。いや直ぐに四人の妖怪になった。ネズミ男は既に逃げ出している。逃げ足だけで言うなら、幻想郷のネズミより上かもしれない。
「さて四人とも、もう一回僕と勝負してもらおうか」
鬼太郎は、高らかにそう宣言した。
「ふっ、さっきあそこまでギタンギタンにやられていて、いいどきょーだ。リグル、みすちー、また痛めつけてやろうよ」
「そうだね、一度勝ったんだから、二度はあるよね」
「ルーミアはちょっと休んでなさい。まだお腹痛いでしょ」
「ごめんみすちー……」
とりあえずルーミアが下がって、残りの三人が鬼太郎に立ちはだかる。
幻想郷の妖怪VS外の妖怪の血戦が、再び始まろうとしていた。

 

more

日々雑談~1420~

 はい。ついさっきまで、ゲーム版Deadpoolやってました。レビュー関係の物を書くとしたら、一周終えた後となるでしょう。ゲームはやはり、起承転結を体感した上で、評価しなければ。
 現状、問題はというと。コレ、レビュー出来るのかなあ……。ネタバレもそうですが、真正直に展開を書いて信じてもらえるかどうか以前に、おそらく俺の正気が疑われる。なんか牛飛んでた、あと家屋。そして犬がジェット噴射で。ダメだコレ、正気の発言じゃねえ。
 プレイすることで各レビューサイトで、周回プレイへの不満が歯切れ悪く書かれていた理由が分かった。繰り出されるネタのインパクトの凄まじさが、既知である2周目だとどうしても和らぐからだ! 逆に言うと、それだけ無茶苦茶ということです。
 そして何故かネタ扱いされる、JRPG。評価されてるのかどうかはわからないけど、ジャンルとしての認知度は高いんじゃないかな、JRPG。
 兎にも角にも、凄まじい作品です。そりゃ売れ行きいいわけだわ……商品引き取りに行った時に店の人に聞いてみたら、近年出たスパイダーマンのゲームより売れ行きがいいとか。それは正直どうなんだろ!?

日々雑談~1419~

 昨日、久々にワールド・ウォー・ハルク関連の記事をアップしました。記事内でも触れましたが、邦訳での出版による、情報が共有出来る環境あってこその記事。後編では、マーベルユニバースの情勢からも触れていく予定なのですが、過去はともかく、未来の話は何処まで触れていいんだろうか。後の事件であるシークレット・インベーションも、邦訳予定に入っていた気がするし。

 PS3の、DeadPoolがようやく手元に! 遠回りしたせいで、一週間かかってしまった。今度から、入手方法はもっと吟味せねば。
 まだ、さわりしかプレイしていないので、言及は控えます。ええ、実にひどい。ポジティブにひどい。シナリオ担当が、ついこの間までデッドプールの担当ライターだったダニエル・ウェイなだけはある。前期デッドプールシリーズ全盛期のノリその物です。前シリーズ末期は結構グダグダだったので、末期のノリでなく一安心。
 徐々にプレイしつつ、大体の雑感をまとめて行くつもりです。ポジティブなダメさは、どうにも愛おしい。