デッドプール邦訳奇譚~デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバース ~

デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバース

デッドプール:キルズ・ザ・マーベルユニバース

あらすじ

無数の存在する多次元世界。その一つ一つに固有の物語が存在する。数ある世界の中には、無敵のマーベルヒーローが無残な最期を迎えた世界も少なくない。そして、ここにもそんな世界が二つ……。
一つは、デッドプールが己が存在の真の意味を見出した世界……。
そしてもう一つは、パニシャーがヒーロー達への復讐に駆られた世界……。
デッドプールとパニシャー、二人の怒りの前に、マーベルユニバースは崩壊の時を迎える……。マーベルヒーローは皆殺しだ! コミックスの常識を遙かに超えた内容で大反響を呼び起こした二つの問題作が奇跡のカップリング!(Amazon掲載の商品説明より抜粋)

F「デッドプール邦訳紹介二つ目は、デッドプールとパニッシャー、もといパニシャーのキルズ・マーベルユニバースだ!」

S「なんつーか、マーク・ウィズ・ア・マウスが直球だったら、キルズは変化球だよな。うねりにうねって、バッター殺す的な。テニスの王子様の、必ず殺す系の魔球」

F「得点でなく、選手の命を奪うアレな! デッドプールのキルズのストーリーは、“ヴィランに頭を弄くられた結果、完全に目覚めてしまったデッドプールが、ヒーローもヴィランもMINAGOROSHI!”以外の何物でもないもんな。普段ヒーロー側にある主人公補正や出版社の都合が奪われて、殺戮側に全部持っていかれているんだから、本当にタチが悪い」

S「パニシャーも“ヒーローとヴィランの戦いに巻き込まれて家族が死んで、結果全員MINAGOROSHI”だもんな……テーマの時点で、でっけえハードルがあるから、合う合わないが事前にわかるのはありがたい」

F「タイトルも表紙も、一切オブラート包んでないもんなあ。君の好きな人気ヒーローが沢山出てくるけど、みんな死ぬからね! アンケート取ったわけじゃないけど、10人中10人が受け入れられるテーマでないのはわかる。ただ、受け入れられるのであれば、ハイになって楽しめるぞ! デッドプールじゃないけど、パニシャーのキルズは、かのヒットマンのライターでもあり犬溶接マンやセクション・エイトの生みの親であるガース・エニスが担当。“ヒーロー仲間の弱点を調べ尽くしているバットマン”と並ぶ、“本気出せばヒーローを皆殺しにできるパニシャー”として、日本で伝説化していたからな! 結果的に両方共邦訳されて、日本でも直に読めるようになったんだけど」

S「吹っ切れた常人、精神的超人マジ怖い」

F「かたやデッドプールの方は、ある程度物語の枠に収まっているパニシャーに比べ、無法地帯かつ楽屋オチ的な空気があるんだけど……結果的に今、この作品は完全体になろうとしているからな」

S「ひょっとして、続刊となるデッドプール・キラストレイテッド/デッドプール・キルズ・デッドプールが出るのに関係ある?」

F「OH! YES! キルズ・マーベルユニバースで地獄を創りだした男の行き着く先が、シャーロック・ホームズやネモ船長とガチで殺り合うキラストレイテッド。マーベルユニバースが起承転結の起承で、キラストレイテッドが転結ぐらいには思ってるからね、俺。ある意味、二つで完結」

S「それだと、キルズ・デッドプールの立場が無いぞ?」

F「キルズ・デッドプールもしっかり繋がってはいるんだけど、立ち位置的にボーナストラックというか、ボーナスステージというか……うん。やっぱり、三作で一纏めだな。ああそうそう、キルズ・デッドプールにはレディデッドプールやヘッドプールやデッドプール少佐のような、マーク・ウィズ・ア・マウスで出てきたデッドプールたちもちゃんと出てくるからな!」

S「続刊発売を機に、セットで買ってみるのも悪くないってか」

F「だな。このキルズ・マーベルユニバースから一年近く、デッドプールの邦訳は休眠期に入るわけだが……もし、マーク・ウィズ・ア・マウスが出てなくて、デッドプール/パニシャー・キルズ・マーベルユニバースだけ出ていたら、このデッドプール史でも群を抜いてイカれポンチなデッドプールがスタンダードになっていて、大変だっただろうな……と」

S「あー。確かに、今のデッドプールのイメージ、だいぶ変わっていたかもしれないな」

F「アクセル全開な作品を一発目から出して惹きつける!というのもアリだとは思うが、キルズは劇薬すぎてなあ。予測としては、デッドプールが10冊ぐらい訳されてイメージと閉塞感が出来た頃に出る弾だと思ってたし……でもまあ、ある意味正統派なマーク・ウィズ・ア・マウスとのセットで、休眠期をしっかり支えてくれることとなったんだから、結果オーライよ」