日々雑談~2313~

 ブラックパンサーの波が来ている? ということで、以前書いたレビューを推敲して、ツイッターで再度紹介。あとフューチャー・アベンジャーズや映画の話も若干付け加えました。コミックスにおけるブラックパンサーとワカンダについては、この本を読めばだいたい掴めます。まあ、他にブラックパンサーメインの邦訳が無いというのもあるのですが、それを差っ引いてもおもしろ情報満載なイイ話です。わりと俺の中で、全アメコミに範囲を広げても、かなりの上位ランカーなのよね。そりゃ、紹介するさ。

日々雑談~2312~

 ……むせる(驚きで
 なんだろう、現時点で何故こうなったのかさっぱりわからん! なんだけど、実際どういう内容か発表された瞬間、また驚いてむせる自信があるぞ!?

 

初週の全米週末興行収入で1億9千万ドル叩き出したことで、ブラックパンサーは歴代5位になったわけかー……この5位って、スーパーヒーロー映画や今年というくくりじゃなくて、今までの全部の映画における5位なんだよな。映画史上のこのランキングでブラックパンサーの上にいるのは、新生スター・ウォーズの2作やジュラシックワールドやアベンジャーズの四作品だけだってことですよ。

 これはもはや、映画史に残る快挙。今回なるべく情報はシャットアウトしているけど、評判を聞くにガクン!と次週以降下がるタイプの映画でもないし、もはや世界的に強いブランドなマーベル・シネマティック・ユニバースだからなあ……こりゃあまだまだ、とんでもない記録を残すぜ? デッドプールもそうだったけど、若干日本での上映が本国より遅れたのが功を奏すかもな。これは売れる作品だ!と分かれば、上映館数の増加や宣伝も間に合うってもんよ。つーか、ブラックパンサーの起こした波が大きすぎたせいで、映画界隈もコミックス界隈も対応が間に合ってねえもん。いや、まさかここまでなあ……ビックリだわ……。

日々雑談~2300~

 衝動的なものかと思ってたら、なんかもう根深い陰謀論でどうしようかと。今回槍玉に上がったロッテン・トマトにおけるDC映画は単に批評家の評価が低いだけでなく、観に行った観客の支持率はそれなりという条件が加わることで、この話の土壌になったんだろうけど、なんだかなあ。良さだけでなく悪さも分析しなければならない職業としての映画批評はだいたい減点方式になるものの、この方式だと尖り気味なDC映画はちと不利ですしな。俺もDC映画は嫌いどころか好きだけど、ファン視点でなく仕事として公正な目線で評価するとなったら、少し厳しい評価になるかと。その厳しさを補うような良さのアピールは、しっかり付け足しますけどね。

 まあぶっちゃけ、ワンダーウーマンが批評家&観客共に高評価な時点で、工作なんてのはないと思いますがね。本当に工作があるとしたら、好評な映画こそ足を引っ張ってナンボなので。あとマーベル・シネマティック・ユニバースの作品は基本的に高評価なものの、やはり幾つかの作品は低評価だったりするんだよな。ドラマに関しては、たぶんDCの方が調子いい。

 そして大前提として、もし何か不正があってそれを正そうとしているとしても、映画を観ないで低評価をつけようとしている時点でアウトですね。自分で正しいと思ったからって、正すために何をやってもいいわけがなく。ここ最近のヒーロー映画が、映画というジャンルの中で重要なウェイトを示すようになった弊害ですね。そりゃ、人気があればどうしてもトラブルは起こってしまうさ……。

ブラックパンサー 暁の黒豹 レビュー

 よき相談役、頼れる仲間、超国家の王。優れた頭脳と肉体、更には王としての資質まで持ちあわせたヒーロー、ブラックパンサー。一体彼はどんな男なのか。アフリカにある彼の王国、ワカンダとはどんな国なのか――?

 その答えは、ブラックパンサー:暁の黒豹の中に有り!

 

ブラックパンサー 暁の黒豹

 

 ワールド・ウォー・ハルクではファンタスティック・フォーを助力。AVX:アベンジャーズ VS X-MENではアベンジャーズの一員として参戦。ディスク・ウォーズ:アベンジャーズではアニマル属性のセカンドヒーローに就任。フューチャー・アベンジャーズでは、厳格なワカンダの王として君臨。アルティメット・アベンジャーズ2:ブラック・パンサー ライジングでは若きヒーローとして登場。

 そして、映画シビル・ウォー:キャプテン・アメリカにて、キーキャラクターとして鮮烈デビュー。自身が主役となる映画ブラックパンサーは映画史に残る大ヒットを記録しております。

 ブラックパンサーは上に挙げた様々な日本進出のメディアにてその活躍を楽しめるヒーローなのですが、実のところサポート役やチームの一員としての登場が多く、今までの日本におけるブラックパンサーの扱いは短編の主人公や群像劇のメインキャラが限界とも言えました。もっとも、高い資質を持ちつつも存在が隠れ気味だった結果、映画にて世間に鮮烈デビュー!を果たせたという痛し痒しなところもあるのですが。

 そんな中、遂にブラックパンサーが主人公であり、正体であるワカンダ王ティチャラやワカンダ王国に焦点を合わせた邦訳コミックスが登場。それが、ブラックパンサー:暁の黒豹です。

 

 ブラックパンサー:暁の黒豹は、ブラックパンサーの設定周り全てが詰まった作品と言っても過言ではありません。ブラックパンサーと因縁浅からぬ暗殺者クロウが、ヴィラン連合を率いワカンダを襲撃。クロウの背後にはベルギーが、そして豊かな資源と高い科学力を持つ独立国家ワカンダへの干渉を企んでいたアメリカもクロウの襲撃をきっかけに動き出す。ブラックパンサーは、自分自身と国を守り切ることが出来るのか。

 大筋のストーリーはこんな感じなのですが、侵略者対ヒーローというダイナミックな構図を描きつつも、その内にブラックパンサーやワカンダ王国の歴史を織り交ぜた、非常に見応えのある作品となっております。

 歴代の王族が力を示すことで受け継いできた衣装と称号である“ブラックパンサー”。歴代のブラックパンサーは、どのように侵略者と対峙してきたのか? 現行のブラックパンサー、ティチャラが王位を継いだ経緯とは? 

 ワカンダ王国の宗教や日常、超金属ヴィブラニウムを筆頭とした資源の豊富さに、世界の最先端を更に超えた科学力。宿敵であるクロウとの、世代を越えた数奇な宿命。ティチャラの妹や叔父といった親族たち。これらの情報や回想が、物語のテンポを崩すこと無く組み込まれております。

 そしてええ、ブラックパンサーやワカンダ王国のハイスペックさは知っているつもりでしたが、本作で提示された可能性は、ハイスペックどころかチートの次元に到達してました。

「ワカンダには相当量の石油が眠っていると聞くが」
「ええ。ですが、手付かずです。太陽光や水素のような、環境に影響を与えない代替エネルギーを使っているのでエネルギー源としても財政源としても必要ないのです」
  
「そんな小国、捻り潰してしまえ! 工作兵の部隊でも一つあれば……」
「第二次世界大戦の最中、アメリカ最強の兵士であるキャプテン・アメリカがナチスを追ってワカンダに赴いた際、当時のブラックパンサーに負けてますが。ナチス兵も処刑されてました。あと、あのファンタスティック・フォーも今のブラックパンサーに負けてます」

 こんな感じのやり取りが作中繰り広げられるのですが、これもう一周回ってギャグなんじゃないかと。なお、ワカンダ王国の守護神って黒豹じゃなくて青いタヌキじゃねえの? と疑うぐらいに、数世紀は科学力がすっ飛んでおります。というか、実際作中でも「ワカンダの科学は世界最先端」と明言されております。DCコミックスのゴリラシティといい、アメコミにおけるアフリカの野生と科学の融合っぷりはとんでもないですね。

 

 更にボーナスエピソードとして収録されているのが、ファンタスティック・フォーの#52と#53、ブラックパンサーの初登場エピソードです。上でも触れたファンタスティック・フォーがブラックパンサーに負けたという話の元ネタと思われるエピソードです。

 マーベル・コミックスの土台を築き上げた、ライターのスタン・リーとアーティストのジャック・カービーによるファンタスティック・フォー。この直近の作品としては、シルバーサーファーやギャラクタスの初登場回などこれまた歴史的なエピソードが多数あり、ファンタスティック・フォー黄金期とも呼べる時期です。

 このエピソードのもう一つの記念碑的な部分としては、超金属ヴィブラニウムの設定がきちんと作られた回でもあります。ヴィブラニウムの初登場自体はこの話より以前に刊行されたデアデビル #13なのですが、この時は創作物によくある凄い金属としての登場であり、どんな振動でも吸収する性質や原産国がきちんと設定されたのはこのファンタスティック・フォーの#53となっております。キャプテン・アメリカのシールドやウルトロンのボディにも使われるヴィブラニウム。始まりの一つがこのエピソードと思って読むと、何やら感慨深いものがあります。

 本編である暁の黒豹とファンタスティック・フォー、互いにブラックパンサーの生誕秘話やクロウとの因縁が書かれているのですが、内容はまるっきり違います。ファンタスティック・フォーが原初で、それを改変したのが暁の黒豹となっております。時代に合わせて変わっていくアメコミの設定が如実に現れている組み合わせ。この変化を楽しむのも、これ通な楽しみ方かと。初登場回のブラックパンサーはワカンダの凄さが全部ティチャラ一人に集約されてて、コイツ一人でいいんじゃないかな? レベル。

 

 暁の黒豹におけるブラックパンサーは、強者です。ヒーローとして、指導者として、王として、揺らぐことなく決断を下し、侵略者に真っ向から立ち向かう。ただの人でしかなくても、意志の力を持って最強となることは出来る。その意志の強さは、数多のヒーローと並べても、群を抜いていると言ってしまってもよいでしょう。

 この作品は、アフリカの強き英雄を、心ゆくまで堪能できる作品でもあるのです。

日々雑談~1740~

>ブラックパンサー、良いですよ、アメコミで初めて政治問題を持ち込んだシリーズだけあって深い話が多いです。fear itselfなんかは現代日本でも通じる話かと

 黒人ヒーロー、アフリカ系ヒーローを切り口としても面白いんですよね、ブラックパンサー。この鉱脈は、やっぱもうちょっと積極的に紹介すべきかもしれん。

ふと付けたTVで、上野アメ横多国籍地下食品街の特集をやっていたので観てみる。淡々と、色々な国の人が出てくるだけで面白いし思いを馳せることが出来る。こういう番組は、シンプルであればあるほど映えるなー。
 なんだかんだで、人種のるつぼでもある東京。これからおそらく、オリンピックが近づくにつれ、国際色はどんどんと豊かになっていくでしょう。そうなると自然と、外国語を学ぼうぜという風潮も強くなり。こうして学ぶ機会が増えるのは、良いことです。どんな知識でも、知らないよりは知ってる方が強い。最終的には知っている奴が勝つと。
 ただ、道案内や簡単な接客ぐらいだと、語学力よりある意味役に立つのが、意思疎通力かと。簡単な単語の羅列や、メニューを指さすなどして押し通すアレ。コレも結構場数は必要ですけど、完全意思疎通レベルの語学の習得よりは簡単です。そもそも、相手を思いやって理解する力は、日本人同士でも必要ですしねー。そういうことが普段から出来る人は、言葉が通じぬ相手でも結構どうにか出来ます。
 数年前、結構国際色豊かな場所、中韓インド欧米とごっちゃ混ぜな所に住んで働いてもいたのですが外国の方も地元の老若男女も、だいたいこの意思疎通力で生きてたので。語学力があればベストなんでしょうが、人種が多い分、英語や中国語もメインとして使えず。こうなっちゃうと最終的に、拙い日本語での会話がベターなであり。やっぱ、地元合わせが楽ですわ。
 こんな混沌とした状況でも、互いに相手の言ってることを理解しようという気持ちがあればどうにかなります。逆に言うと、言葉が多少通じても、例えば教わる立場の方が受け身オンリーだったら上手くいかないですね。結局のとこ、国云々ではなく、人同士なんでしょうね。日本人同士でもどうにもならない時あるんだし、ある意味この辺、国境ないな!