ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その22~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第22話!
 陰謀の神ロキVSアベンジャーズ。決戦! 決着! そして……。

 シリーズの区切りとも言える、ロキとの最終決戦。作画、脚本、演技、全てに力の入った、決戦にふさわしい回でした。ロキVSアイアンマンの高機動戦闘、物語の発端であるラフト刑務所やハルク暴走も練り込んだストーリー、溜めに溜めての全ての誇りや勇気を叫びに乗せるような「アベンジャーズ・アッセンブル!」。いやあ、いいもん見たなと。トニーのスーパー悪口タイムに、子どもたちの覚醒に、エドとハルクの絆、この喜怒哀楽のてんこ盛りが一話にぎっしりと。ああ、いいもん見たなあと!
 もし数年前にデッドプールに出会わず自分の中のアメコミというものが薄かったとしても、きっと90年代の思い出から見始め、最終的にこの最終決戦で「やべえ! アメコミ面白え!」になっていたと思います。その場合はおそらく、今以上に第一話からの丁寧な土台作りに感謝していたかと。
堂々と、面白い!と言い切れる作品に出会えるのは、とても幸せなことです。

 あとアレヒドイですよね、ロキのハルクへの囁き。
「アイアンマンは、お前を騙して誰もいない死の惑星に追放しようとしているのだ」
 全くもって、ひどいデマです。アイアンマンがそんな事する筈ないだろうに! どこかの別世界のアイアンマンがやったのは「ハルクを騙して、自然あふれる平和な惑星に追放しようとした」のであって、死の惑星にハルクが流れ着いたのは事故ですよ! 事故! この事故の結果は、ワールド・ウォー・ハルクで。何度も紹介していると思っても、手は緩めず!
一応、もしもの話を書くWhat If?での「ハルクがもし当初の予定通り自然あふれる平和な惑星にたどり着いていたら?」では、最終的に生まれ始めた知的生物の守護者として幸せに生きましたという結末にはなっています。この場合、結果オーライにはなっていたでしょうが……やっぱ追放はダメだわ。
 マニア心をくすぐりつつ、元ネタがわからぬ人に不自然さを感じさせず、物語の展開に自然に組み込む。非常に、勉強になります。

 数で負けている+1人は新人ミュータント。この圧倒的不利な状況を覆し、DWレギュラーヴィラン勢を鎮圧したX-MEN。アボミネーションやグラビトンと、下馬評では有利が取れるであろうヴィランもいましたが……。X-MENって、基本、チームとしての連携や集団戦の訓練受けてますからね。ストームもアイスマンもコロッサスも、小隊長レベル以上の指揮力は持っており。個々ではともかくとして、X-MENと寄せ集めヴィランチームで下馬評作ったら、X-MEN圧倒的有利よね。

 そしてロキ退場により、次回から新展開。赤い恐怖が、新たなる大敵が、暗躍を始める! 予告の断片とバチ魂でのデザインを照らし合わせるに、おそらく赤き恐怖の正体はあの男だとは思いますが。だとしたら、笑いの神虚言の神との戦い以上の、熾烈な試練が待ち受けているはず。今後の展開からも目が離せません。
……確かに赤いけど、赤い恐怖=デッドプールでは無いと思うヨ!?

 前半もここで(多分)一区切り……ということで、放送開始の第1話から現在最新の22話まで、ディスクウォーズに出たマーベルキャラを一挙紹介! 以前解説記事を書いたキャラに関しては、キャラ名の所に、リンクを張っておきますので。しかし多い、バチ魂に出ているキャラ(例:パワーマン、サンファイア、ダイナ・ソアー)も含めると、更に多い。話数よりもキャラ数の方が多い上に、アニメではほぼ全てのキャラに見せ場が。まさに多彩の豪華絢爛よ!

注:ディスクウォーズ=DWと以下省略しております。

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ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その18~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第18話!
 ……ディスクウォーズ:X-MEN第18話!
 ノリコを巡る人間模様、彼女が現状を打破する希望となったことで生まれる、人間関係の亀裂。更には、キャプテン・アメリカを蝕んでいた過去への後悔も噴出。この、誰も悪くないけど、空気はまず悪い。ああ、このやり切れなさ、X-MENだなと。序盤に情報を主とした地固めをした事により、世界観を展開するだけの猶予が誕生。その猶予で作られたのは、情報よりも先の段階といえる本場の空気感。やっぱ、キャラ名や設定のような情報も大事だけど、こういうアメコミの空気!を積極的に再現しようとするのも大事だと思うんですよ。序盤よりこの空気感はありましたが、最近は更に濃密です。
 空気が合うなら、ひょっとしたら映画や原作にも進んでくれるかもしれない! 地上波である以上、TVさえあれば、この空気を味合うのは無料! ジャンルの入り口、最大開放!
 いくら失態を挽回できるとは言え、焦りすぎなんじゃ?のトニーですが、トニーの回りにいるアベンジャーズのメンバーって基本能力手に入れてやる気になってる人、既に答えを出している年長者が多いですからね。X-MENのメンバーのスタート地点、能力に戸惑う若年層への距離感にはあまり慣れておらず。若者への距離感というのなら、キャプテン・アメリカもバッキーの死が響いているわけで。こうした大人のひずみが少年少女にどう影響するのか。楽しみ半分怖さ半分、いや怖さのほうが現状大きいかな……? 
 今日の紹介は、暗めなストーリーにおける一服の清涼剤こと、アメリカンバカルテット四人衆です。強い彼ら、他のヒーローを圧倒する四人の勇姿は、9月発売の邦訳デッドプール:スーサイドキングスにて!

レッキングクルー:レッカー

「引っこ抜くぞ! レッカー!」

レッキングクルー:パイルドライバー

「打ち抜く! パイルドライバー!」

レッキングクルー:サンダーボール

「砕け散れ! サンダーボール!」

レッキングクルー:ブルドーザー

「全てを轢き潰す! ブルドーザー!」

レッキングクルー見参!

「「「「俺たち四人合わせて レッキングクルー!」」」」

~完~

 一回どころか何回もざっと書いてるし、彼らについてはもうこれでいいんじゃないか?という手抜きへの欲望と戦いつつ、今回はレッキングクルーのメンバーであるサンダーボール、パイルドライバー、ブルドーザーについてなんぞを。なお、レッキングクルーの概要とリーダーのレッカーについては、以前書いたこちらを参照して下さい。
 バールのようなものを武器に、ソーを筆頭としたヒーロー達と一人戦っていたレッカー。ある時、力を失った彼は、常人として刑務所に収容される。ずさんであったその刑務所、職業人種、顔ぶれからしてバラバラなメンツが一つの房に入れられることになった。この運命と適当さで集まった、レッカー含む四人組。やがてレッカーが力を取り戻したその時、共に居た三人もレッカーと同じ力を授かり超人となる。脅威の四人組、遠慮はいらない怪力四人衆、アメリカンバカルテットことレッキングクルーの誕生である。

レッキングクルー誕生秘話

 まずレッカー含む全員に共通する能力は、怪力とタフネス。銃弾も効かず刃も通らず、10トン以上の物体を全員持ちあげることが出来る。基本としては、このベースに各員の装備や個性が付くこととなる。

レッキングクルー:パイルドライバー

パイルドライバー
 本名、ブライアン・キャルスキー。ニューヨークのブルックリン生まれだが、農場で育てられそのまま農業に従事することとなる。農家としての人生は退屈すぎたため、犯罪に走った結果投獄されレッカーと出会う。素行は悪いが、性格自体は田舎のあんちゃんといった感じで明快。息子も居る。
 特別な武器や装備は持っていないが、力が両手に集まっており、その影響か手が一回り大きい。大きな手の握力は他のメンバーに比べても高く、自慢の拳から繰り出すパンチが武器。装備なしでも戦える利点から、変装して潜入、一般人のふりをしてヒーローを奇襲するような事も出来る。手が大きいので、よく見ればバレバレだが。

レッキングクルー:ブルドーザー

ブルドーザー
 本名、ヘンリー・キャンプ。不名誉除隊された元軍曹であり、順当に犯罪者の道を走る途中、レッカーと出会う。彼の武器は特殊な金属で出来たヘルメットと首や肩を護るアーマー。防御力を盾に目標めがけ一直線、全てを轢き潰すとの豪語は伊達ではない。元軍人だけあって、軍隊式の格闘術も習得している。経歴といい能力といいジャガーノートとかぶり過ぎなんじゃ……?
 最近あまり見ないが、いつの間にか死んでいたという話もある。本当にいつの間にかで、特に死亡シーンも無いまま……真偽は不明なものの、彼の娘であるマーチ・キャンプの証言、そして彼女が能力とアーマーデザインを引き継ぎ、新たなブルドーザーとなったのは事実である。

二代目ブルドーザー

 なお、彼女が所属したのは、そのままのレッキングクルーではなく、ファンタスティック・フォーの対抗組織、フライトフル・フォーだったりする。

レッキングクルー:サンダーボール

サンダーボール
 本名、エリオット・フランクリン。レッキングクルーの頭脳担当。四人居るんだから、一人ぐらい頭脳担当がいてもいいだろ! 三国志の南蛮軍だって南蛮一の知恵者の朶思大王がいるじゃないか! 元よりある毒泉を使うだけの作戦が知恵に基づくものかと言われたら微妙だけど!
 正味の話、サンダーボールこそレッキングクルーの頭脳である。前歴は肉体労働系の他の三人とは違い、なんと物理学者。特にガンマ線の研究者としては一流であり、ガンマ線の第一人者かつ世界屈指の天才、ブルース・バナー(ハルク)より先に小型のガンマ線爆弾の開発に成功。黒人であることから“黒いブルース・バナー”とあだ名されていた。しかし、研究費を求めるあまり強盗を働いたのがバレて投獄、レッキングクルーとして立てた作戦が「昔、ガンマ線爆弾無くしちゃったんだよなー。無くした辺り、更地にすれば見つかるんじゃね?」な辺り、頭悪い天才疑惑が囁かれている。疑惑というか、おそらくは(ry
 武器は建物解体用の鉄球。最初は只の鉄球だったが、サンダーボールが使い続けることで未知のエネルギーを吸収。再生能力や地震を起こす能力、ソーのムジョルニアのように投げたら戻ってくる特性と、もはや宝具や神具のような武器になっている。このような特性は、レッカーが持っているバールのような物にも付与されている。
 リーダーであるレッカーに忠誠を誓っているパイルドライバーやブルドーザーと違い、頭の良さを鼻にかけての反逆気質を持っている。力の独占を企み、実際レッカーからバールのようなものを奪いとるが失敗。その時は罰として手を砕かれたが、レッキングクルーから追い出されることはなかった。家族と称される連帯感を持つチームなだけのことはある。

 実のところ、キャラクターとしてとても制作側が使いやすいチーム。四人揃えば、ソーやハルクだけでなくアベンジャーズやディフェンダーズのようなチーム相手の大食いも狙えるし、一人でもたいていのキャラと渡り合える。一方、脳筋な所もあるため、四人揃っても作戦で負け若手チームに食われたり、直接打撃力を持たないキャラ一人に完封されることもある。つまり、どんな状況、どんなカードにも使える幅の広さが有り。やられ役から強敵までなんでもござれの万能性。主役となることは少なくとも、多くの出番を確保できる便利なポジションである。

日々雑談~1681~

>とりあえず、マーベルユニバースのホーリーマザーであられるメイおばさんと結婚しようとしたのが一番の罪

 メイおばさんも、タコ含め恋の相手が複数居たものの、スパイダーマンの物語の余波で結婚できませんでしたからな……。今は、人格者な紳士と結婚して、幸せですが。問題は、人格者の紳士がジェイ・ジョナ・ジェイムソン・シニアなので、ピーター・パーカーと僕らのジェイ・ジョナ・ジェイムソンが血縁的には義理の従兄弟、ピーターってメイおばさんに育てられたし、感覚的にはもう義兄弟かなんかなんかじゃない?な間柄なことぐらいじゃないですかね。

 アニメのFate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!が始まりました。二期は加味せず一期準拠となりましたが、去年の冬コミは、イリヤ✕アイアンマンという狂気の組み合わせなアメコミカタツキ4。一見相反する物に見える、科学と魔法をあえて組み合わせて旨味を出す! 無理を通して道理に原爆固め!

アメコミカタツキ4

 あの当時から何か変わったかといえば、アイアンマン側のキャラとして出した赤いアイアンマンことクリムゾン・ダイナモがディスクウォーズに出たことですかね。イリヤの方は、一期準拠とはいえツヴァイやアニメ化してないドライのネタも入れてますし。あの当時なかったものの新規お目見えとなると、クリムゾン・ダイナモ。あと、キーキャラクターとなったドクター・ストレンジ。ディスクウォーズの拾い方は、本当にありがたし。
 あくまでアメコミカタツキシリーズは物語ですが、一応片方の作品、少しでも引っ掛かりがあればアメコミとTYPE-MOON作品、それぞれのキャラを1から識ることが出来るようにも作っています。両方既に知っている人からしてみたら、ちょっとクドいかもしれませんが。つまり目指す所は、遊んで学ぶで。趣味的なことに学ぶという単語を持ち出すのは野暮ですが、方針としては、こんな感じです。
 現在も、夏コミでアメコミカタツキ新刊を出すため、作業中です。さて、どこまで情報乗っけるかなー……。

アメコミカタツキ4 予告

アメコミカタツキ4表紙

 

※予告として、本作収録のプロローグを掲載します。その後、予告です。

 

衛宮士郎。特徴的なのは、ブラウンがかった髪くらいな、お人好しの高校生。彼は今、後輩と共に、市内を散策していた。
「うーん。虎柄は無いとしても、この青色か紫色かで、悩みます。先輩はどっちが良いと思います? ……先輩?」
新しいエプロンを買いたいから、相談に乗って欲しい。その申し出の通り、店の軒先にかけられたエプロンを見ている、後輩の間桐桜。一方、快く引き受けた先輩は、心ここにあらずで空を眺めていた。
「ああ。ゴメン、桜。ちょっとあの雲がさ、気になって」
青空に浮かぶ、二筋の飛行機雲。細長い雲が、風以上の速さで青空に白を描いていた。
「速いですね」
「ああ。まるでジェット機だ。機影なんて、見えないけど」
「……それで先輩は、どちらの柄が良いと思います?」
「あ。うん。そうだな、青かな」
「私的には紫なんですけど」
「俺が自分で着るんだったら、赤なんだけどさ」
士郎の興味は、あっさりと本来の物、可愛らしい後輩が求めているエプロンへと移る。
もし彼が、飛行機雲の正体を知っていたら、エプロンどころでは無かっただろうに。
飛行機雲の一つが、妹だと知っていたら。

 

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