ぞんびぐらしな作品紹介~その6~

 えー、がっこうぐらし!の放映に合わせて、ゾンビ系の作品をアップしていこうぜ!との思いから始まったこの企画。自分の都合もあり、更新停止から最終回後の今日に至ってしまったのですが、どうしても紹介したい作品が幾つか残っているので、あと複数回不定期で更新させていただきます。
 本日取り上げる作品は、生ける死者であるゾンビものとは違うのですが、怪物側の持つ数の暴力+閉鎖空間における人間同士の不和、これらゾンビものの華と呼べる要素については天元突破気味な作品なので、まあ取り上げても問題無いだろうと。もしそうでなくとも、ゾンビファンには、きっとウケがイイなあとも思い。

GIRLS(アメリカンコミックス:イメージ・コミックスより発売)

GIRLS

 とある田舎町、Pennystown。青年イーサン・ダニエルは、バーからの帰り道、神秘的な美しさを持つ裸の女と遭遇する。いったい彼女は何者なのか。だが、ダニエルにも街の人々にも、それを推測する暇はなかった。街に次々と現れる美女の群れ、彼女、もとい彼女たちは、巨大な卵から生まれていた。卵は、男性との生殖行為の後に誕生し増えていく。謎の美女の群れは町の男を惑わしさらっていくが、生殖行為の相手にならない町の女は殺害の対象でしかなく、次々と数の暴力により殺されていく。
 美女の出現と同時に、トウモロコシ畑に出現した謎の巨大生物、透明のドームによって封鎖された町。女性は生き残るための戦いを始め、男性は理性と本能の間に苛まれることになる。
 
 ゾンビを美女に変えただけで、こうも面白くなるとは。一歩間違えればソレナンテ・エ・ロゲで、実際セックスはテーマの一つでトウモロコシ畑の巨大生物はまんま精子と、中々に下ネタという概念が存在する世界なのですが、こういうネタもOKなら実にグッと来る作品。
 ゾンビというのは本来無差別に襲ってくるものなのですが、GIRLSの場合、ここに男女の差を投入することでギスギス感が倍増。男性は直接殺されないものの、女性は数の暴力で殺されるのみ。必死の防衛戦を続ける中、捕虜として捕らえた美女のところに卵が! 誰がセックスしたんだこの野郎!なんて展開も。思わず抱きたくなる美女というエッセンスが、ホント効いています。だってこんなの、どう考えても男女に不和が生まれて当たり前じゃないですか!
 生殖機能の無い男性は女性同様に殺される動物界的なシビアさに、この異常な状況で試される個々の絆、そして予想のラインにありつつも想像を超えてくるオチ。名作というより、怪作カテゴリーに属するこのGIRLS。女の子+ゾンビという方程式はがっこうぐらし!と同じながらも、全く違う着地点。世界は広い……。