日々雑談~5833~

 志村けん死亡説は、永遠に都市伝説であってほしかった。(敬称略)
 とにかくもう、言葉が出ない。コロナの恐ろしさは十分知っていたものの、まさかこんなことになるだなんて。

 愉快な親戚のおじさん、もしくは近所に住んでる街の人気者。ドリフに加トちゃんケンちゃんにだいじょうぶだぁにバカ殿、それぞれの世代で接した志村けんは違うものの、そこにあったのは親しみやすい面白さだったんじゃないかなと。志村、うしろ!とタメ口をうっかり飛ばしそうになる隙というか余裕というか、とにかく、こっちもあっちも肩肘張らずに付き合える。ずっとこの心地よい距離感を維持し続けた人でした。

 いつもは愉快でも、仕事中のおじさんの顔は真剣そのものだった。志村けんの仕事歴を見ると、本当にコントタイプのお笑い一筋。近年はトーク番組や司会業もおこなっていたものの、幻の出演作となったキネマの神様が初主演作であり、朝ドラのエールがドラマ初出演だったように、役者としての活動はいままでほぼ無し。コメンテーターや文化人らしいそぶりも見せないと、その仕事歴は頑固一徹の職人に近いものがあります。雰囲気は親しみやすくとも、その根底にあるのは過酷なまでのプロフェッショナル精神です。

 生前のコントを笑って見つつ、こんなスゲエ人だったんだぜ!と笑顔で紹介するのが、おそらく今できる最高の供養。志村けんさんの、ご冥福をお祈りします。