誰が殺したバイラス・ドーパント

翔太郎「入り組んだ謎、やりきれない痛み、悲しい結末。最初、ナスカに負けた時はどーも不安だったが、なんとか解決出来たか」
フィリップ「ベストではなく、ベターな解決だったけどね。ただ、この事件のベストな解決方法は思いつかない。つまり、現状ではベターが最上級なんだよ。翔太郎、ハーフボイルドらしさも見えたし、名誉挽回だね」

霧彦「精神体ドーパント、感染する悪意、貴重なサンプル。最初、Wに勝った時は汚名返上確実と思っていたのに」
若菜「クスッ……汚名挽回ですわね」
霧彦「!?」

 霧彦さん、スパロボや真マジンガーのあしゅら男爵みたいな扱いになってきた。毎日が汚名挽回。
 誰も救えず、誰も罰せなかったのか? それとも、僅かに救え、苛烈に罰したのか? ただし、どう解釈をしても、翔太郎はやるべきことはやった筈。スッキリしないけど面白かった、仮面ライダーW(ダブル)第12話感想。子供に今回の話が分かるか?と結構言われているけれども、意外と子供ってポイントは理解しているものよ。

 嫌な事件だったね(by富竹) 
 そうコメントするしかない、今回の事件。真相にたどり着けるピースが予告に散りばめられていたわりに、画家犯人説や、画家を善人としての姉暴走説がまかり通った理由は一つ。いくらなんでも子供番組でそこまで暗い話にはしないだろう、この思い込みでしょう。
 俺が思い切って暗い予想を立てられた理由はただ一つ、脚本が長谷川さんだったから。ウルトラマンメビウスで嫌な人間が出てくる話は、だいたい長谷川さん担当です。メビウス見た人に通じる言い方をするなら、悪徳記者ヒルカワが出てる話はみんな長谷川さんが書いています。誤解を招きそうなのでフォローしておくと、良い人間が出る話も沢山書いています。でも、元々作風がハードで、よく主人公に試練を突きつける話を書くというか……。
 ともかく、この人ならやりかねないと思ったから予想が立てられたワケで。あくまで短い30分番組、依頼殺人や自殺まで話は大きくならないか。

 なんで根津さんは、男への復讐を望むだけの相手に、まともに使えば街一つ壊滅できるガイアメモリを与えたんだろうか。一人殺すだけの拳銃を所望する相手に、街を壊滅さしめるウイルス兵器を渡してどうすんのさ。まかり間違えば、翔太郎が何かする前に風都は全滅してたのか。
 精神体ドーパントの研究の成果はW関係だろうし、星の本棚に条件付で他人が入れるというのは、劇場版のおやっさんIN本棚のシーンへと繋がる。Wはホント、用意周到だ。もしかしたら、精神体ではなく肉体を持った真バイラス・ドーパントがそのうち……。肉体持ちなら、実力もタチの悪さも相当上のようだし。ホント、なんでこんな無限の可能性を秘めたメモリを、ただのOLに売ってしまったんだろうか。

 昔、特撮と見せかけてC級ジャパニーズホラーだった仮面ライダーNEXTという映画があってだな。ホラー映画嫌いの知り合いが、見に行って半泣きでキレてた。というわけで、お姉さん怖ええええ! 脚本のハードさは置いといても、外見からして怖ええええ! フィリップだから平気で話を進めていたけど、所長だったらどうなっていたんだろうか。泡ふいて気絶もアリなキャラなワケで。「アタシ、聞いてない!」って叫ぶのは当確として。
 本当の犯人でもあった画家は卑劣で下劣でした。善人を気取っていた分、先週のストリートギャングよりも、下劣な気がするぜ。
 脚本や演出をよく褒めているけど、Wは役者もレベル高い気がする。滑舌が悪い人間が今の所はいねーし。姉役の人も画家役も、それぞれ求められたキャラをきっちりと演じてたんじゃなかろうか。

 お前の罪を数えろの使い方といい、正体の隠し方といい、小道具もきっちりしていたおかげで、最後の翔太郎が画家を殴るシーンはとても栄えていた。ライダーとして殴ったら殺人だし、やりすぎも尾を引いてよくない。ただ一発を清算の一撃として、話を終わらせる。画家は罰されていないし、姉が起きる気配もない。後味がよくない話の一服の清涼剤でした。

 Qな次回も気になるが、やはり注目は映画か。今回のOPは新作カット満載で楽しめた。ドラスかー、マイナーなものの、シャドームーンの次点位にライダーに近い敵だけれど、ドラスねえ。夏の映画のモブに居なかったっけか?
 いやその、複線も何もないモブが次回作でラスボスって革命的ですよね(必死のフォロー)

 以下、管理者向けネタ。
 今回のWのモブに、ブレイドの天音ちゃんが居たって噂、マジなのかね?