2008夏コミ新刊!

 夏コミまで2週間を切ったので、いい加減新刊告知だろ常考……
 というわけで月姫&FateSS本『Moon salto press』のお出ましだー!!

MoonSaltoPress

 というわけで表紙はいつも通りにうみつきさんにお願いしました。正直、この人が居なかったらウチのサークル成り立たない。なんと素晴らしき準ヒロインの眼鏡コンビか! ……俺、なんか変なこと言った?
 本の仕様もいつもと違い、ブックカバーも使用できる文庫サイズの短編集。収録タイトルは以下の通りとなります。

弓塚夢残
夢の終わり
舞台袖の死闘
活きる糧
萌えよ! 闘魂!?
ワカメ同情
ザ・サムライ~完璧版~

 おいおい、全部このホームページで見れる短編じゃね? 再録で金を取るなんて、ふじいのヤローふざけてやがるぜって思った方は正直者。
 流石の俺もそこまで出来るほど、怠けモンかつズルっこではないです。全ての短編に大幅な修正と加筆を加え、なおかつサムライにいたっては全編ほぼ書き下ろしだー!

 まず修正のお話から。
 このサイトも、オンガエシ時代から数えれば5周年。つまり5年経っているんですよ。そして、弓塚夢残や舞台袖の死闘はホームページ開設時に書いたSS……そりゃあ自分で読んでこっぱずかしーわ! というわけで、もう月姫SSに関しては単なる修正超えて、リメイク劇場版のラミエルですよ。カシンカンシンと変形してね。
 とりあえず弓塚夢残の一部を例にどんな感じか比較してみます。

掲載版
 豚、羊、鶏…家畜のような悲鳴を上げ、不幸な獲物が転げまわる。 
 不幸?夜中に一人で出歩いていた事が?なんとなく大通りを避け裏道へ入ってきた事が?
 違う、最も不幸なことは…
 私に出会ってしまった事だ。
 もはや彼の運命は不幸を享受し、私に喰われる事だけだと思う。
 だったらせめて彼の悔いという感情を生み出す理性を壊すまで、
 愉しんで殺そう。

リメイク版
 ありきたりの悲鳴を上げ、不幸な獲物が転げまわる。痛みが逃走や反撃といった意思を削いでいるのが、傍目でもわかる。
 しかし、彼のどこが不幸なのだろうか。ふとそんな事を考えてみる。
 夜中に一人で出歩いていた事だろうか?
 なんとなく大通りを避け裏道へ入ってきた事だろうか?
 全て違う。これらは枝葉であり、不幸の大樹は彼の意思とは関係ないところを棲家としている。
 不幸の大樹、即ちそれは、この私に出会ってしまった事だ。
 私に出会わなければ、彼は今頃家でTVでも見ながら怠惰に過ごせたはずだ。
 私と出会わなければ、夜中の一人歩きも裏道を歩く事も不幸とはならなかった。彼の不幸の根源は他者である私にある。
 どくどくと流れていた血が止まりかけている。彼の顔色も、青を通り越し土気色となってきた。かひゅーかひゅーとか細い音が気管を漏れ、聞こえてくる。
 もはや彼の運命は死しかない。せめてもの優しさとして、彼の死という感情を生み出す理性を壊すまで、彼を壊す事を決意した。
 なんと、愉しい結末か。

 あんま前と変わってないとか言われたら泣くしかない。とりあえずこんな感じに全部書き直しています。他の作品も、書き方は違えど同様に。FateSSより月姫SSの方が過去の作品なんで、手のかけ方は月姫のほうが上ですが。一部展開やオチも変わっているので、ただの再掲ではないですよ。

 そして問題のザ・サムライ~完璧版~なんですが、ホームページ掲載分と途中までは展開を一緒にしながらも、最終的には完全書き下ろし。具体的に言うならランサー戦からちょっとずつ修正が入って、ライダー戦の後半辺りから書き下ろしゾーンに突入。途中に見覚えのあるシーンがいくつかありますが、HP版ではできなかったVSキャスターなんかも入っています。そして何より特筆すべきは、完璧版は完璧版で完結している事。管理者も思わず「あんた狂ったか!?」と聞いてきたほどの強烈なラストは当然オリジナル展開です。自分で見返しても、この人は狂ってるとしか思えない。

 頒布価格はまだ決めていませんが、たぶんバカ高くはならないと思います。興味お持ちの方は是非夏コミ三日目の東地区Yブロック-18aサークル「肉雑炊」までお越しくださいませ。