近世百鬼夜行~十二~

 わきあいあいと騒ぐ子供達を乗せ、幼稚園バスは一路牧場へと向かっていた。
 みんなで楽しいお歌を歌い、レクリエーションでおおはしゃぎと、遠足らしくいい感じで盛り上がっている。途中、席を立つ子供をいさめたりしながら、何事も無く無事にたどりつけそうだと、新人保母の、岬は一人安堵した。
「そう不安がらなくても大丈夫さ。今日は、かなり良い感じだ。バスに酔う子もいないしね」
「ははは、子供達より先に、私が酔っちゃったらどうしようとか、考えていたんですよ」
 一緒に引率している、ベテランの保父の安田と、笑いあうぐらいの余裕も生まれた。
 バスはいよいよ危険な崖道へと入る。くねくね曲がっている上に、道も細く、車の通りも多いと危険際まり無い道だが、通らなければ目的地へは着かない。
 安田が改めて子供達に席を立つなと、注意しようとした時、ガクンとつんのめるくらいの勢いで、急にバスが加速し始めた。安田がもんどりうって倒れ、子供達の何人かが席に頭でもぶつけたのか泣き始めた。たちまちバスは泣き声に包まれた。
「運転手さん! 運転手さんー!!」
 岬は運転手の名を連呼するが、反応が無い。仕方なしに、捕まりながら、それで迅速に、彼女は運転手の元へと向かった。早くどうにかしなければ、崖から落ちてしまう。
 運転手は、寝ていた。一見それほど穏やかに見えたのだ。しかし、幾ら呼びかけても、返事が無い。あまりの平穏さに騙されていたが、白くなっていく肌を見て、もしやと思い脈を取ってみると、脈は無かった。
「し、死んでる?」
 ならば身体をどかしてアクセルから足を離さなければと、動いた岬の体が注に舞う。身体はそのまま、フロントガラスを突き破り道路の外に投げ出された。
 血まみれで地面に這い蹲る、岬の目に映ったのは、トラックのフロントを半壊させ、崖下に落ちようとしている幼稚園バスの姿だった。バックガラスに、子供達が集まっている。個性豊かな子供達が、全員一丸となって訴えかけるのは、ただ助けての一言。岬は、手を伸ばす。どうにもならないのはわかっているのに、彼女はどうにかしてあげようとするが。
 バスは崖下に転落した。
 バスと衝突したトラックを避けようとした車が、壁面に衝突する。壁面で爆発した車を避けようとしたバイクが、崖下に転落する。負の連鎖が起こり、崖道は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
 絶望と無力感と痛みに引き摺られ、岬の意識が薄弱とした物になる。
 ふと、目に入ったのは、二人の黒衣の人間の姿。幽鬼のごとき姿で、事故現場を見下ろす姿は死神か。ならば何故こんなことをしたのかと、子供達を何故殺したと、死神を呪いながら岬は意識を失った。

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ワラキアの夜は続く

鬼太郎が大好きで、かつ妖怪をネタにSS書いている今日この頃。妖怪についてつらつら書いてみます。
今日のネタは、吸血鬼ヴラド=ツェペシュだ!
 あー微妙に真面目に書いていますんで、ネタ目当てだと面白くないかと。あと参考資料無しで自分の知識に頼っている部分が多いので、真面目に見るには物足りないかも。
……どの層に向けて書いているんだろうか、コレ。

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カードは踊る

 小僧、教えてやる。
 まず一つ。陥陣営は万能の計略では無い。追い詰められなければ真価が発揮できない。効果時間の短さ。速度上昇無し。攻城力と火事場の効果という長所で隠れてはいるが、短所も持ち合わせているのだ。
 そして二つ目。高順入りのデッキに対し、中途半端に優位に立とうとするな。壁を一度叩いて逃げ切るか、それとも落城させるか。どちらかハッキリとさせろ。攻防を無視し、歩兵騎兵を張り付かせての端攻城など、愚の骨頂。壊れカードの力を最大限に発揮できるようなお膳立てを、自ら行なうな。
 最後に三つ目。一枚のカードで勝てると思うな。一枚のカードを最大限に活用する運用ならともかく、なにも考えずの強カード頼りは軍略ではない。一人の武勇で戦に勝てるならば、三国志は三国設立前に、呂布により終わっているぞ。
 これが、俺の教えであり、ポッと出の高順使いである、貴様らの敗因だ。特にそこな貴様。破滅の舞い+高順という見せ場を用意しておきながら、陥陣営未使用の俺に負けるなど未熟の露出行為よ! 軍師のSR周ユは何の為にいたのだ!

 だってさー久々に腰据えて三国志大戦やったら、猫も杓子も高順で、しかも全員がホントわかってないレベルなんですもの。俺が一番高順を上手く使えるんだーなんて思ってませんよ? 俺だって、暴虐との合わせ技や、計略ミスで高順使いに負けてますし。ただ、今回ぶつかった連中はホントに酷かった。カードを使っているのではなく、カードに踊らされているって感じ。強いだ、壊れだなんてカードでも、自分への向き不向きもあるんだぜ。

 ああ、ちなみに上に上げた教則事項は高順対策になりますんで。落城はハイリスクなので、壁に一発入れて逃げ切るって言うのが良いかな。UCの片目や、看破の兄ちゃんがいれば、これで完封できます。こちらが呉だったら火計で、蜀ならば槍でチクチクと防衛。群雄だった場合は、完封狙いではなく、落城狙いのハイリスク戦の方がいいかも。完封戦はつまらん展開になりますが、双方落城狙いの戦は、ガチでぶつかり合うので脳汁ほとばしるくらいおもろいですよ。

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国分寺市のササキさん、お久しぶりです

 と、いうわけでヤッターマンのリメイク版見てみました。うん、十分及第点じゃないかな。
 今だから言える。実は、アイマスのアニメより出来にビクビクしてました! いやほら、あっちはもう別物だなーって心構えが出来てたんで。ヤッターマンの場合は見るまでわからん状態だったので、放送日までハラハラドキドキでしたよ。つよきすのアニメ版? ははははー( ゚д゚)、ペッ

 ドロンジョ様が脱いだことで安心したぜ。いや、肝心なものは流石に無理だけど。なんというか、スタッフのここまでならイケます!的な主張が見えて安心した。規制を変えるのは一朝一夕では出来ないが、規制の中でギリギリまで頑張るのはいつでもできるんだよ。
 オリジナル声優まんまというのは無理なお話。例えば、何人か鬼籍の方も居ますし、元祖ナレーターこと富山敬さんとか。なのでオリジナル声優と、新声優の折衷案になりました。幸いだったのは、ドロンボー一味が全員現役の上に声の老いも少なかったこと。ルパン一味もオリジナルキャストだが、老いが結構声に出ていて、聞いていてツライ。ドロンボー一味はまさに稀有な集団。たぶんこの三人いじくったら、大騒ぎになってたんじゃねーかな。ヤッターマンの主役は三悪なのだ。てえか、小原&かちどきたてかべコンビは、まだドラえもんも(ry
 まーヤッターマンも決して完璧な作品ではないんですよね。前述した通りに、実質的な主役を三悪に奪われた、本来の主人公ヤッターマンとか。三悪の個性が強かったと言うのもあるが、ヤッターマン側の個性が薄すぎたのも原因の一つなんですよね。あんまガンちゃんとアイちゃんのキャラも立ってなかったり。最もこの主人公の希薄さは、タイムボカンシリーズ全般における弱点でもあるのだが。
 第一話を見た限りでは、ヤッターマンコンビのキャラ付けもきちんと狙っている模様。まーメディア展開もきっちりやるみたいなので、この出来ならイッパツマン狙えるかもなー。

 最も全て順調ってワケじゃないんですがね……
 よりによっての箇所が。これじゃあ昨日、徹カラで元祖ボカンから怪盗きらめきマンまで、ボカンシリーズのOP全部歌った俺の立場が無いぜ。王道復古までキチンとやったのに! あるときはハンバーグステーキの~ニンジンのように~♪

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きんだいひゃっきやこう

 久々の百鬼夜行ネタ。時系列的には、
近世百鬼夜行→近代百鬼夜行(同人誌版)→きんだいひゃっきやこう
となっています。作中で出てくる、新キャラ二人は近代百鬼夜行が初出です。彼女らが山を降りた事件こそが、近代百鬼夜行の本編の話です。まーこうやって書かないと二人のキャラ付けとか忘れますしねー。
 きんだいひゃっきやこうはポジション的にスレイヤーズの短編とかに代表される、富士見作品の短編シリーズの位置に居ます。正月の早いうちに公開したかったんだけどなあ。正月ネタだし。
 なお、気になるヒキをしてしまったので、続きも早めに出したいと思います。一月中にはなんとか……なんとか……。

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