- 2009.12.16 Wednesday
- 特撮 > ウルトラマン感想
そうか、今までウルトラマンの感想をキチンと書いたことはなかったんだ。というワケで、サブカテゴリーを作成して、劇場版ウルトラマンことウルトラ銀河感想。
いやあ、とんでもないジェットコースタームービーでした。ドラマ部分がTVサイズまで削ぎ落とされていて、残りは全部アクション部分。凄い思い切りかただ。ほぼフルCGでの撮影に、重量感ではなく浮遊感を押し出したアクション。全てが目新しかったです。
ベリアルやゼロも、それぞれ今までに無いウルトラ戦士といった様相で、オリジナリティがありました。初登場キャラや悪役が凡百だと、どーしょうもない映画になってしまうので。
続編が出るかどうかはまだ分かりませんが、これからの指針としては良かったのではないでしょうか。地球の物語ではなく、ウルトラ族の物語を書くのであれば、今までの撮り方じゃ難しいでしょうし。
なんにせよ、前知識があまりなくても、パッと物語に入り込めたのは良かった。悪い敵がいて、正義の味方がそれを倒す。こんぐらいの知識でも楽しめるのが理想的。
なお声優陣はのきなみ良かったです。宮迫はコイツもうお笑い芸人じゃねーよレベルで、小泉元首相のキングはアレはアレで癖があってよかった。元首相に関しては、もう出ただけでありがてえもんなあ。なんだかんだで、歴史の教科書に載る人だし。いやまあ、約一名棒読みで酷評ってWIKIに書かれちゃった人いるけどね。他の人がなまじ上手いから一層目立ってんだろうな。
以下、一度見た方向けの感想。プレッシャー星人岡村、俺と管理者は簡単に見つけられたけど、駄目な人は目を皿にしても見つからなかったようで。ちゃんと登場の合図もあったのに。なお、ニコニコ動画のマスコットことニワンゴは見つけられませんでした。見つけた人、何処にいたか教えてください。
事件の主犯格が即死亡って新しいんじゃないだろうか。リメイク後は卑猥なナックル星人でさえ、クライマックス寸前まで持ったというのに。というわけで、散々なザラブ星人。昔はこの人も、知性派宇宙人枠の一角にいたんだぜ。
ザラブ星人って変身をウリにしてるけど、完全に郷さんに化けきったアンチラ星人や、キング以外のウルトラ兄弟を騙し通したババルウ星人と比べると、正直あんまり変身上手くないんじゃあなかろうか。下手すると、変身できる宇宙人の中で、下から数えたほうが……。
ベリアル復活! ベリアル復活! ベリアル復活!
光の国原産、初の悪のウルトラマン。レイオニクスとしての怪獣使役能力+武器としても便利なギガバトルナイザー装備と死角無し。100体召還できるのも凄いけど、ギガバトルナイザーは武器としても優秀な気がする。父との勝負の決め手にもなっているし、M87光線を弾くわ、エネルギー弾は出すわで大活躍。初期のチートくさいベリアルの強さは、きっとギガバトルナイザーの武器としての強さのせいだ。よく考えりゃ、60体までならジェロニモンも蘇生して使役できるし。待てよ、ジェロニモンをバトルナイザーで操れば、160体以上いけるんじゃないか?
それはさておき、ウルトラの国でのベリアル無双。USA原産のグレート達だけでなく、ネオスやセブン21、前作主人公のマックスまで一蹴。マックスはもうちょっと良い役でも良かったんじゃないか? 最強最速で、なおかつまだ結構子供が覚えているウルトラマンだし。
ゲスト出演のウルトラマンだけでなく、マンもセブンもジャックもエースもタロウも80も敵わない。ついでにゾフィー兄さんも。ゾフィー兄さん、ついに今まで無敗の団体戦にも黒星が。今までの兄さんの黒星はシングルだけで、宇宙警備隊のテリーマン(タッグ屋)の異名を持ってたのに。M87光線が弾かれるのは様式美、「ば、馬鹿な! M87光線が効かないなんて!」と驚くのはお約束。
父も敗れ、棒読み母も敗れ。絶対正義の象徴、ウルトラの星陥落。ウルトラキーを父が使えばギガバトルナイザー装備のベリアルに勝てただろうけど、アレを使うと銀河ごとウルトラの星が消滅するから。やはり、即座に本星に乗り込まれたのがマズかったか。
惑星デントでのゴモラVSザラガス。舞台をウルトラの星に移しての、アギラVSドラコ、ウィンダムVSサラマンドラ、ミクラスVSベムスター、ゴモラVSブラックキング、そして等身大でのミライ&ダン&ハヤタVSシャプレー星人。ここらへんからもう、ジェットコースターが下り始めてる。過去のベリアル襲撃も含め、トイレに行くヒマもない激闘の連続。正直ね、俺も管理者もこの時点で尿意が。なんでコーラなんか買ってしまったのか。
それにしても今回のカプセル怪獣強いな。アギラはドラコ相手に初勝利するわ、ウィンダムはきちんと再生回路を焼いてからサラマンドラを倒すわ、ベムスターはミクラスのせいで光線もクソもない力押しに弱いのが露呈するわ。ダンもレイオニクスの戦いを見て燃えてたのかねえ。ケースに入ってた残り二体のカプセル怪獣やセブンガーまでは出さなかったけど。あの二つのカプセル、本当に何の怪獣が入っているんだろうな。
ジェロニモンは結局数体しか召還できなかったけど、マジで100体召還されるとどうしょうもないんだぜ。
怪獣墓場に現れたマン、セブン、メビウス、レイの前に立ちふさがる100体怪獣軍団。巨大化できないレイのために等身大宇宙人軍団まで用意してくれたベリアルの優しさに泣いた。こういうとき、巨大化できないキャラってよく傍観者としてしか働けなくなるから。
セブン相手にガッツ星人やパンドン、マン相手にはアントラーやバルタン星人と、ベリアルさんの細やかさには感心するぜ。
一方、その頃辺境の惑星では、訓練ギプス装備のゼロとレオが修行をしていた。獅子と若獅子の戦いを見守るキングとアストラ。俺、事前に雑誌で見た時は、レオが涙を呑んで最後の希望であるゼロを鍛えていたと思ってたのに、実際見たらレオどころかキングでさえもウルトラの星壊滅に気づいていなかったって。辺境の惑星で修行するのはいいけど、もうちょっと通信だけはキチンとした方が。
重ね重ね一方、その頃ペンドラゴンをナースが襲撃していた。騒ぎに乗じ、ペンドラゴンを制圧しようとするゼットン星人。大怪獣バトルの時と言い、いい加減お前、ゼットン使えよ!
「通りすがりのウルトラマンだ。覚えておけ!」
こんな感じで現れたアスカことウルトラマンダイナが、ゼットン星人&ナースを容易く撃破。コイツ、最終的に一回もカラータイマー鳴らずに青のままだったんだよな……。でもなんだかんだで、最終回後の生存が確認できたのは嬉しい。結局行方不明のまま、今の今までいたわけで。8兄弟の彼はちょっと違うしね。
消耗していくマンにメビウス、ベリアルの手により暴走するレイ、死闘の末に倒れるセブン。セブンなんだかんだで滅茶苦茶タフだよなというのは置いておいて。希望はセブンの息子、ゼロに託された!
ウルトラ戦士としての矜持に目覚めたゼロによるゼロBASARA開始。ばったばったとなぎ倒される怪獣軍団。ゼットンやキングジョーやタイラントをこうもあっさりと。ゼットンはきっと、バット星人の養殖モノだったんだ。
ベリアルとゼロは二人とも罪から色々と始まっているんですよね。ベリアルは贖罪の機会の際にレイブラットに見込まれてしまい、ゼロは贖罪の機会をやり遂げて新たな力を手に入れた。そりゃ、結果的に力を手に入れたという終着点は同じでも、ベリアルはゼロに勝てねえよ。与えられた物と自ら培った物じゃ、格が違うぜ。
タイラントにグランドキングにギガキマイラ。合体怪獣の頂点100体合体ベリュドラ誕生! もうね、この頭の悪い合体のイメージがたまらない。なんでもいいから混ぜちまえといった感じが。それでいて全体的に禍々しい悪魔像となっているのもたまらない。ウーやガラモン、タッコングのような、単体で復活していなかった怪獣も混ざってるよな。パンフレットを見てもハッキリわからないので、いつかベリュドラ構成の内訳を知りたい。
全てのウルトラ戦士の力+レイオニクスとしてのレイの力でベリュドラを倒す。この描写は凄く良かった。レイが勝利の鍵であるという前提条件が壊れなくて。ゼロBASARAで終わってたら、レイが来た意味ねーもんな。
悪の花であるベリアルを倒したのは、罪人という同じ経歴を持つゼロと、レイオニクスという同じ宿命を持つレイ。人とウルトラマンの力でエンペラー星人を撃破したように、従来のウルトラマンの力に異なる力を加える事で強敵を粉砕した。助けられるのではなく、独り立ちするのでもなく、協力し合う関係。これがウルトラマンと人との目指すべき最高の関係か。
今回の映画でワリくってたの? 出れなかったカネゴンや、序章とのつながりで出れなかった暗黒四天王、出身地の関係で出れなかったジョニーアスやゼアス。彼らを差し置いての一番は、エレキングじゃないかなあ。だって彼、怪獣軍団に居たけど、元はレイの三匹目の持ち怪獣だったワケで。普通に何のドラマもなく、撃破されるって……。
エレキングオチでおしまい。やろうと思えば無限の感想が書けそうな小ネタまみれの映画だったぜ。
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