- 2009.02.10 Tuesday
- 特撮 > 仮面ライダー感想 > ディケイド感想
最終回のゴーオンジャーで「また会う日まで!」とニコやかに笑顔で手を振っていた人間と同じ人が数分後のディケイドで、
「地獄からだ。お前も来い」
「お前……今、俺の相棒を笑ったな?」
数分後に再開した結果がコレだよ! 矢車さんが声だけでなく生身で出演していたら、TVの前のチビっこは深刻なレベルで混乱してたんじゃないだろーか。
まいったな。地獄兄弟が生き残っただけで、嬉しくてニヤニヤせざるを得ない。そして幻影として浮かび上がった、デルタとタイガ。やばい、浮かび上がった二人から地獄兄弟の行き先が推測できない。デルタは中の人が誰かによってキャラが全く変わるし、タイガは色々な意味で『迷』な人だったし。そして次回はカイザが草加バージョンで復活。まさに地獄から次々と甦るかつてのライバルライダー達。今回わざわざ地獄から来たと自称している人にかぎって、明確な死亡描写が無い人だったりするのはさて置いて。
一話で盛り上がって、二話で危険な兆候が垣間見えて、三話で再び盛り上がって物語の基本骨子となる事項が明らかになったという感じでしょうか。
1.破滅の兆候により、本来の世界では起こる筈が無かった大事件が起こる。
2.ディケイド一人では一つの世界も救えない。各世界のライダーもしかり。
3.各世界を巡る事により、ディケイドも強くなり、士も己を補完していく。加えて各世界のライダー達も成長していく。
1.破滅の兆候により、本来の世界では起こる筈が無かった大事件が起こる。
今回で言う所の『もう一人の究極の闇』ン・ガミオ・ゼタの復活がこれにあたるわけで。まあ、本人も甦った矢先に「なぜ俺は甦った!? 俺は二度と目覚めぬハズだった」と言ってるので、本来の世界では絶対に起こる筈がなかった蘇生なのでしょう。それにしても、普通甦ったボスは現状も把握せず「フハハハー!」って勝ち誇って笑うのに、ガミオは「俺なんで甦ったの?」という奥ゆかしさ。ガミオは確かに王の器……もう一人の王は勢いでグロンギ半分以上殺しちゃったり、ゲゲルで一気に三万人ばかりぶっ殺しちゃったりとアナーキーだったので、この人までアナーキーだったらグロンギ勝手に自滅しちゃうからね。
でも、人間を一気にグロンギに変える力はどうなんだろうか。良い悪いじゃなくて、グロンギでそのネタ使ってもいいの?って話で。元が人間のオルフェノク辺りで使えばいいのに。病院で患者を拒否する医者の姿なんか、もろ555のオルフェノクと人間の関係じゃないか。
『ガミオが復活した事により、人間社会に潜伏していたグロンギが一斉蜂起。それぞれが好き勝手に無軌道にリント相手のゲゲルを仕掛け始めた』
いや、なんかゲゲルって当時その理不尽さがガチで怖かったので、あの独自の恐怖感を単なる怪人の暴走で殺すのは惜しいなって。グロンギを己のルールを忘れるほどに奮い立たさせるガミオは、グロンギにとっても己らの規律を維持する上で邪魔だったので封印した。もしくは自らガミオが己を封印した。そうすれば、なんで俺復活したのん?というガミオの呟きにも意味を持たせられたのではと。まあ、チラシ裏ですね、これは。
2.ディケイド一人では一つの世界も救えない。各世界のライダーもしかり。
グロンギの群れに負けかけたディケイドが全てです。ディケイドは確かに強いが、それ以上に破滅の兆候は凶悪という事でしょう。そして各世界のライダー達にとっても一人では立ち向かえない事件であり、外様であるディケイドの力を借りないと解決できないワケで。
それにしても、ゴウラム変形はすごかったですね。ちょっとくすぐったいぞとディケイドがクウガの体をまさぐると、クウガの股がおっぴろげになってアーッ!ってなんだコレ。直前の「コイツの笑顔は悪くない」って描写まで卑猥に聞こえるぜ。
3.3.各世界を巡る事により、ディケイドも強くなり、士も己を補完していく。加えて各世界のライダー達も成長していく。
八代刑事の教えによりユウスケは一人の笑顔を守るだけの男から、皆の笑顔を守ろうとする戦士へと成長し、士も笑顔という感情を学ぶ。それはかつて遠くて近い歴史で、世界中の笑顔のために戦った戦士の姿に良く似ていた。
どんな細かいネタを入れたりするよりなにより、「世界中の笑顔を護る為に戦う姿を私に見せて」という八代刑事の命令はクウガの世界を語る上で一番大事な事でした。その作品のストーリーだけでなく魂を受け継ごうとする姿勢はかなり良い。正直、適当に八代刑事生き残らせてサムズアップでもさせ合うのかと思ってました。これは上辺だけ魂を書こうとして、実際はなにもリスペクトしてない最低の例ですけど。
士は「欠けた完璧超人」だったんですね。全てのライダーを凌駕する力を持っている存在ながら、記憶や人間としての部分にどこか欠けた場所がある男。先週の警察署でのふるまいや、女性の顔面にグーパンといった描写はこういう欠けた部分を描写したかったのだなと分かりました。正直、もっとやりようはあると思いますがそれはさて置き。
ちなみにカブトの天道も「完璧超人」でしたが、彼の場合は欠けた部分をシスコン等の愛嬌で補っております。ディケイドに一番近いのは昭和の10号ライダーことZXでしょう。彼も歴代最高スペックのライダーでありながら、人間村雨良としての記憶や人格を欠如していました。かつての平成ライダー達も昭和ライダーに感化されている部分が多くあったので、もしかしたらこの10号同士の共通点も高い確率で狙ったものと思っております。
次回は第二楽章キバの世界。ぶっちぎりの歴代最年少ライダーの登場に、自己愛の極みカイザの乱入と見所の大フィーバー。そういやフィーバーといえば、未だ出てないバッシャーフィーバーの炸裂を期待しても(ry