Home > 特撮 > 戦隊ヒーロー感想 > ゴーカイジャーVSギャバン 感想

ゴーカイジャーVSギャバン 感想

 まず、この作品を観る上で、誰もが考えるのが、ギャバンはどうなのかという事ですよね。出るのは確定、ではどういう出方をするのかという話になって来ます。端役扱いされ、ゴーカイジャーの刺身のツマとされる。価値を落とさぬまま脇役に周り、ゴーカイジャーをサポートする。ゴーカイジャーと並び立つ。最悪、役者とスーツが一緒なだけの別人が出るという、悲しい可能性もあったわけですよ。このリバイバルブームの中、どう見ても別人な過去キャラというのは、少なくない数、存在しています。
 結論としてゴーカイジャーVSギャバンにおけるギャバンは「当時そのままでゴーカイジャーと共に主役を張る」という、扱いとしては最上級の物でした。衰えを見せぬ大葉健二さんだけでなく、スタントや脚本に監督といった裏方のスタッフも当時をしっかりと研究した結果、ギャバンという作品が持っていた雰囲気も再現されていました。おそらく、出来ることは全てやって再現した結果が今作のギャバンと言い切っても、過言ではないかと。予算やスケジュールといった、現実的な物を考慮した上で。
 そしてゴーカイジャーという今のヒーローを介し、ギャバンを知らない子供たちに、ギャバンというヒーローの存在を伝える。これ実は、自分が同人誌で狙っていることの一つでもあります。流行りを介して、超獣やアメコミのことを伝えられたらばと。そしてこの映画は、その方法の可能性と成功の大きさを教えてくれました。最初は父兄の感嘆が目立っていたものの、クライマックスにおけるギャバンは、ゴーカイジャーと同じくらいの子供たちの歓声を浴びてました。そしてギャバンの価値をそこまで高めながら、ゴーカイジャーの価値も落としていない、むしろ相乗効果で上げている。完璧ですよ。
 そういう訳で、自分にとってこの映画は、ただ面白かっただけでなく、色々と実りの多い映画でもありました。クロスオーバーに関わる上で、見本となる作品の一つですよ。


 いかん。真面目成分が切れた。という訳で、ココからは砕けた上にネタバレな感じで。ジェラシットさん、大活躍!

 最初にクライマックスを持って来て、観ている人や読んでいる人を惹きつけるというのは、創作物における一種のテクニック。うん、でもさ、ゴーカイガレオンVSドルギランの大空中戦はクライマックスすぎると思うんだ。そして息つく暇もなく、ゴーカイジャーVSギャバンの一戦。年末にフォーゼ&オーズの昭和ライダー大乱闘を見た時は、これを超える初速は難しいかなーと思っていたのに、同レベルのロケットスタートが、いきなり新年一発目から来たよ!


 結局、どういう血筋かはハッキリしなかったものの、今回の黒幕アシュラーダは犯罪結社マクーの総帥ドン・ホラーの血を引いているとか。ギャバンに出ていた血族、サン・ドルバ(息子)や魔女キバ(詳細不明)とは、やっぱ親戚なんだろうか。企画段階だと、ここに孫のドン・ドッゴイヤー氏も入っていたようですが。
 それにしても、ザンギャック一同のドン・ホラーの名前を聞いた時のリアクションは良い。「あのドン・ホラーの…」と言いたげな、軽い驚き。強力な悪役を、別の悪役が評価するっていうシーンは、いいよね。ゴーカイジャーの皆さんは一切ドン・ホラーの事を知らなかったので、ザンギャックが驚いてくれなければ、悲しい事態になっていたけれども。


 スペシャルDVDの特典は、ジェラシットさんの語るも涙の物語で決まりやな。
 なんで魔空監獄の囚人、コイツを捕まえてなんのメリットが……?という連中ばかりなんだろうか。風のシズカと幻のゲッコウは別組織(ダークシャドウ)の頭領と幹部ということで価値があるけど、三途の川の三大臣や実況拳士バエを捕まえてもなあ。ヤツデンワニ? なんつーか、ジワジワと大成功している彼を見るのもアレだったので、この扱いでいいんじゃねえの?
 パンフを見る限り、バンキュリアはインフェルシアに反逆しての投獄になってるけど、あそこもう、人間との融和路線になってるから、むしろインフェルシア所属のままの方が投獄の理由になるような。それとも、冥府神スフィンクス(メガネっ娘)の怒りにでも触れて、牢獄に直送でもされたのだろうか。あの人、怒ると怖いタイプだったし。最高クラスの幹部怪人を撃破するほどに。


 パンフでのインタビューを見る限り、脚本の荒川さんはマーベラスの中でのギャバンの大きさが、アカレッド以上の大きさにならないように苦労された様子。そりゃ、あんまり大きいと、海賊戦隊じゃなくて、宇宙戦隊が始まっちゃうからね……。ギャバンは「子供目線の、大人の力強い背」で、アカレッドは「追うべき先輩の背中」といった感じでしょうか。


 バスコの悪巧みを砕く、新戦隊ゴーバスターズ! ロボットの相棒が居る、諜報活動を行うと、現時点でわかっている情報だけで異彩なのに、実際のデザインもこれまた異彩。今回、ホントに触りだけのアクションだったけど、本編始まったらどうなるんだろうか。あんまがっつりやると、新戦隊かライバルキャラか、ゴーカイジャーの価値が落ちちゃうからね。
 バスコの作戦の目的自体は、外道バスコ! サリー爆散!作戦とあんま変わらなかったのですが……まさかサリーを捨てた遠因、この映画での作戦失敗のせいか?


 宇宙最大のお宝? もうさ、曙四郎と青梅大五郎と一条烈の連名サイン色紙ってことにしようぜ。誰も文句いわねえし、言わせねえよ。ザンギャックも、三役揃い踏みの際に、やられ役のゴーミンを派遣するぐらいしろよ、気が利かねえなあ。
 実際アレ、天の声による変身がこの映画で最も、昔の宇宙刑事シリーズを見てねえと、絶対わかんねえよ!というシーンの局地だろうなあ。ギャバン側に全力で突き進もうとしていた荒川さんを止めた、他のスタッフの方々、ご苦労様でしたw

Trackback:0

TrackBack URL for this entry
http://risotto.sakura.ne.jp/sb.cgi/1739
Listed below are links to weblogs that reference
ゴーカイジャーVSギャバン 感想 from 肉雑炊
トラックバックはありません。

Home > 特撮 > 戦隊ヒーロー感想 > ゴーカイジャーVSギャバン 感想

Search
Feeds

Page Top