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はじめてのデッドプール……改めデスストローク

前回の基礎編


ふじい(以下F)「いかんいかん」

サイレン(以下S)「どうした? ウッカリってツラして」

F「いやね、前回大事なことを忘れてたんだよ。デッドプールを語る前に、この人を語らねばって人を。なので急遽、この場を用意したわけで」

S「発祥であるX−MENとの話を差し置いてか。きっとよっぽど、大事な人なんだろうな」

F「ああ。DCコミックのデスストロークのことを忘れてた」

S「……おいおい、流石に俺でも知ってるぞ。アメリカの二大出版社はマーベルとDC! 時たまクロスはするけどさ、他所の出版社のキャラがそんなに重要かね?」

F「見れば分かる。と言うわけで、こちらデスストロークとなります」

最強の傭兵デスストローク!

S「アウトォォォォォ!」


F「最初に言っておく。生まれたのはデスストロークが先だ」

S「まあそりゃ、どっちかが先に決まってるよな。でもほら、アメコミでビジュアルが被るのはよくあることだし。これでいて、能力がまるっきり違うんだよな?」

F「えーと、元は優秀な傭兵で軍の人体実験により優れた身体と、超再生能力を手に入れる。バットマンに勝るとも言われる戦術頭脳と、武器を選ばぬ多彩な技術を持つ」

S「アウトォォォォォ!(二度目) え? 何それ、完全なる模倣品? デッドプール、論理的にダメなの?」

F「本名はスレイド・ジョセフ・ウィルソン。ちなみにデッドプールの本名は?」

S「ウェイド・ウィルソン……。しかしでも、名前の一部まで一緒となると、むしろパロディにカテゴライズすべき存在に思えてくるな」

F「謎を解く鍵はデッドプール生誕にある。設定上の生誕ではなく、キャラクターにしての生誕にな。まあ正直、ひょっとして制作側にデッドプール混じってたんじゃねえかってレベルのお話だけどよ」

S「デザイン(スパイダーマンぽいのにしたよ!)以上にヒデえ話がまだあるとは……」




F「まず大前提として、デッドプールは捨てキャラだったんだよ!」

S「な、なんだってー!(AA略」

F「そもそも、デッドプール初登場の回には同時に二人の新キャラも出たんだけど、ストーリー的に重要なのはこの二人で、正直デッドプールはどうでもいいキャラだった。だからこんな、まんまのデザインのパロディキャラが生まれた。デザインとしては、デスストロークをベースにスパイダーマンや他のヒーローをごっちゃにして錬成した感じ」

S「少しデッドプールの方がスマートかな? なんか、デスストロークはガッチリとしている気がする。書き手によって、そういうのは変わるんだろうけど」

F「ただ結果的に、クリエイター側もデッドプールが気に入り、一発屋からセミレギュラーへと転向。人気もどんどん高くなって、最終的に個人誌もゲットし、デッドプールというどうしょうもないキャラは定着した。こんな感じかな。ちなみに名前の一部が一緒なのは、遠縁の親戚だったら面白いなーという、スタッフの悪戯心から。二桁ぐらい親等が離れた従兄弟、だいたいそんな感じ」

S「つまりデッドプールはマーベル版デスストロークとして誕生したわけか」

F「半分合ってて、半分違う。デスストロークとの差別化を図るために、最初から考えられていたことがある。それは、やかましく喋るロクデナシというキャラクター。結果的にこのキャラクターが発展し、ボーダレスなマッドというデッドプール独自のポジションを手に入れた。それに、いくら再生能力があると言っても、ほぼ不死身なデッドプールと比べると、デスストロークの再生力は二枚ぐらい落ちるしねえ。事実、デスストロークは隻眼だけど、デッドプールの場合、目や鼻や腕や臓器や心臓や頭ぐらいなら、抉り取られても吹き飛んでも再生するし」

S「心臓や頭やられたら、不死身キャラでも普通死なねえか!?」

F「ちなみにデスストロークは狂人ではないぞ、変態だけど」

S「それフォローになってねえよ」

F「仕方ねえだろ。アニメ、ティーンタイタンズのスレイドさん(デスストローク)は完璧な変態だぞ。第一話から序盤最大の敵として登場。コロコロに出てくる、子供相手に全力な大人のポジションで、バットマンと喧嘩別れしたロビンを自身の後継者として付け狙う。いやホント、ヒデエよ?」

「力を抜け。痛みは感じない……」
「私が眠らない限り、キミは眠れない」
「今日から私をご主人様と呼べ!」

S「お前、話作ってんだろ!」

F「作ってねえよ! 全部公式からの抜粋だよ 一部では吹き替えのせいかと思われていたものの、きちんと調べてみれば、アメリカでも結局変態扱いされていたという恐ろしさ。ティーンタイタンズのスレイドさんは、恐ろしい男だぜ」

S「質問が二つある。ならコミックスでは変態じゃないのか? そして何故さっきからスレイドと本名で呼んでいる?」

F「コミックスの彼は、子持ちで別ベクトルの変態。そしてスレイドさんと呼んでいるのは、ティーンタイタンズのアニメでは一切デスストロークと名乗っていないから」

S「なんでだ」

F「版権問題じゃない? 最近は表にでてないけど、元々はターミネーターって名前だったし。デスストローク・ザ・ターミネーターが俗称。なお、あの映画が生まれる前から、ターミネーター名乗ってました」

S「カリフォルニアか! カリフォルニアのせいか!」

F「もう、その人知事じゃないんだから、やめてやれよ! あ。ちなみにティーンタイタンズは日本の技術をふんだんに取り入れた、日本人でも馴染みやすいアニメです。主題歌もパフィーだしね。アメリカ版でも英語でパフィーが歌ってますんで。変態抜きにしても、良作」




F「正直、デスストロークさんもデッドプール並にネタが多いお人なんだけど、あまりかまっているワケにもいくまい。と言うわけで、こちらがデスストロークの素顔です」

注:ダンディな変態です

S「だ、ダンディ・ガイ!」

F「隻眼の原因は夫婦喧嘩。実は権力もある超大物ヴィラン。突っ込むべきポイントは多々あるものの、深くは触れまい」

S「いちいち気になるようなことを言わないでくれ」

F「先程、狂人ではないとは言ったものの……兵士としての自分が忘れられず、妻や息子に黙って、デスストロークというペルソナに身をやつした挙句、報復に息子は喉を切り裂かれ、生命は助かったものの言語障害に。激怒した奥さん(注:スレイドの元上官にして師匠筋)は、スレイドの目を抉り離婚。全てを失ったスレイドに残ったのは、デスストロークの仮面のみ。スレイドはデスストロークとして、生きていくことになる。この過程は、狂気かもしれんな。デッドプールは、基本独り身なので、家族を巻き込むことはない。果たして、どちらの方が、頭がおかしいのか」

S「分からん。答えが幾つもあって、簡単には答えられない問いだぞ、それ」

F「ああ、話しついでに。ある物語ではデスストロークという名前でデッドプールが出てきたことがあるから」

S「……What?」

F「いやね。ある世界の物語で出てきたデスストロークは口がやけに軽くて、どう見てもデッドプールなのよ」

S「いやだって……出版社違うんだろ?」

F「そうなんだけどねえ。でも本人も作中で「実は俺の本名はデッ」「俺はデスストロークじゃなくてデッドプ」みたいなこと言ってたし。流石にどれも邪魔が入って、まともに名乗らせて貰えなかったけど。ライターがデッドプールシリーズで名を馳せた人だったからねえ」

S「だったからねえって。いいのか、それで」

F「万事がそれだと、まずいけどさ。よく見ると違う二人なので、たまにはこういう同一化も面白いんじゃないかな」

左がデッドプール。右がデスストローク




 おまけ

F「いかんいかん、間違えて拾ってきてしまった」

S「どうした?」

F「いやねえ。デスストロークの画像だと思ったら、全然違う画像だったもんで」

ジョーカー!ジョーカー!

S「……なんだこれ」

F「この人もデッドプールと同じで、皆に愛されてる狂人だな」




次回完結編へ

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