- 2005.12.27 Tuesday
- 小説 > クロスオーバー
――その爆発は全てを一瞬で奪った。
父母に妹。共に生きてきた時間は幾年にも及ぶのに奪うのは一瞬とは、なんと不公平な話か。そして、死神の略奪から自分だけが生き残ったという事実を少年が理解するのには数瞬の時がかかった。そしてそれを理解した瞬間、
「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
ただ絶叫した。親愛なる父母を失い、愛する妹も失った。肉親がいつ果てるともわからない戦時中とはいえ、それは所詮理屈での話であり感情は納得など到底できない。
そして少年は叫ぶ、愛しき妹の名を。
「飛鳥ーーッ!!」
(何故に名字を? しかも漢字で?)
背後でそれを聞いたトダカが心の中でツッコんだ。
少年は復讐の為に力を創る。
「マユーー!! 出来たぞーーー!!」
「チェストフライヤー!!」
「レッグフライヤー!!」
「コアスプレッダー!!」
「そして、インパルスガンダム!!」
そして始まる、怨敵探し――
「遺作組用心棒の痔悪化。特筆すべき(あまり当たらない)射撃の腕前を持ち、狡猾な性格だと(設定で)噂されるエースパイロット。だが、最も恐るべきは隣に立てるものが未だいないと言われるチャーハン作りの名人である事だ」
「グゥレイト!! 俺の事を良く調べてあるな」
「だが、そのチャーハン作りの腕前……ザフトじゃあ二番目だ」
「なにぃッ!! 俺の唯一のセールスポイントを奪うやつがザフトにいるって言うのか!? それは何処のどいつだ!?」
「はっはっは」
「己を笑いながら指差す、つまりは貴様がその達人だと……?」
復讐鬼となった少年は、悪に容赦することはない。
「答えろ! マユ=アスカを殺したのはオマエか!?」
「し、知るかよ!!」
バキッ!!
「嘘をつくなあ!!ならばCE71年のオーブ侵攻の日、貴様は何をしていた!? 」
「あ、あの日は俺はちょっと悪口が過ぎていたいけな少女にナイフで刺されそうになっていたんだ。そしてうやむやの内にアークエンジェルのクルーに……嘘じゃない、前作を見てくれればわかる!!」
「チィ!!」
バキィッ!!
「グゥレイトゥ!!」
自分が復讐する相手を見つけるまで、少年の旅は続く――
「マユ。お前を殺した奴はここにもいなかったよ……」
「そのMS操縦の腕前、たいしたものだ。だが、ザフトじゃあ……」
「確かにそうですね、キラはこの作品で一番なのですから」
「やだなあ、おだてないでよラクス」
「アンタら、いったい何なんだぁぁぁぁぁぁッ!! 」
終われ