- 2012.01.20 Friday
- 肉雑炊コンビの放談 > アメコミ
ふじい(以下F)「最初情報が流れてきた時は草生やすレベルの話だったんですが、一般ニュースサイトにも取り上げられた挙句、なんかもう、情報が滅茶苦茶歪んでしまったので、語らんワケにはいくまいと。ちなみに、日本に伝わってきたニュースとしては、こんな感じで」
サイレン(以下S)「うーむ。一言言うなら、ヒドいな。記事の書き方もヒドいし、抽出されているコメントも中々……」
F「火のないところに煙は立たないなんて、昔の話。最近は火を起こすのがトレンディのようですよ? という訳で、小さなサイトですが、火消しに頑張ってみますか」
S「その言い方からすると、随分と怪しい話みたいだな」
F「ああ。面白いほどにな」
F「とりあえずコレが、問題の火種となった“MANGA(日本の漫画を英訳したもの)の単行本一冊とDCコミックスの新シリーズ一冊交換キャンペーン”のチラシね。なお、捨てろなんて表現は、一切ありません」
S「……なあ、ROBAMAってなんだ?」
F「俺も最初分かんなかったんだけどさ。真ん中のアメリカ国旗持ってる、黒人。オバマ大統領とロボットを合体させて、ロバマって言うらしいよ?」
S「コレ、そんな胡散臭いもんじゃなくて、DCコミックスのサイボーグだろ!?」
F「アニメのティーン・タイタンズで大活躍のサイボーグさんね。まーおそらく、広告に使った絵だと人間部分がオバマっぽいので、ロバマにしちまえというね、その」
S「うわ。アングラくせえ使い方。アレか、店のPOPに勝手にキャラを印刷して使うようなモンか。好き勝手なこと言わせたり、目に黒線引いて著作権から逃げたり。このアングラ臭と最下部に書いてあるアドレスみたいな物を見て気がついたが、これDC主催の企画じゃなくて、どっかの店の企画だろ!?」
F「うむ。まず第一の問題としてあるのはそこだ。このイベント、DCじゃなくて、販売店がやってる物なのよね。ちなみにその店は、ココ」
S「あ。ホントだ。この店のフキダシっぽいロゴも、広告に載ってる。わ、分かりづらい……」
F「一応イベントにDCコミックスが多大な協賛をしているという話もあるが、まだ他にソースが出ていない状況。少なくとも、主催ではないわな。まあ、アメリカの店が日本の漫画云々ではニュースにならんから。それなりに知名度があるDCコミックスがやったことにしておかないと、ニュースにはならんわね。そうだなー、本来のニュースの規模を日本のニュースで例えるとしたら」
S「例えるとしたら?」
F「とらの◯なで新刊コミックを買うと、おまけペーパーが付いてきます!ぐらいのレベル?」
S「ちっちぇ!」
F「あくまで書店主催の企画だからなー。そこまで大きな物には例えられんよ」
F「で。肝心なポイントなんだが。そもそも、日本の漫画を集めてどうするの? 焼くの? 集めて焚書するの? MANGAファンを張り付けて火炙りにするの? 担当者のところにインタビューに行ったら、三角の白い頭巾でも被ってるの?」
S「実際そうだとしたら、死ぬほど笑うだろ、お前」
F「うん。でまあ、こっから先はあくまで俺の推論なんだが。この企画って、日本の漫画の第一巻を持ってきたら、DCの新シリーズの新刊一冊と交換なのよね。この第一巻という条件。引っかからないか?」
S「ちょっと待て。だいたい、読めてきたぞ」
F「シリーズ物の本を売る上で必要なのは、最初の一巻だ。新書にしろ古本にしろレンタルにしろ、最初の巻が一番動く。そしてこの企画を行なっている店は、コミックスのレンタルもおこなっている」
S「つまり、この企画で本を集めて、MANGAというジャンルに店が手を出し始めると……? 考えてみれば、DCの新刊と言えど、安価なリーフ本。基本あちらのMANGAは単行本状のペーパーバックが主体。いくら古本といえど、価格に差が見えるな」
F「価格だけの話で言えば、単行本持ってきたらジャンプあげますぐらいの、下手するともっと差がある話だぜ。店としては、お得な話。安価でMANGAを集める手段としては、悪くないぞ。DCとしても、現状最も読んでもらいたい新シリーズの一巻を配れるわけだし。新シリーズに気合入れてる分、元より一巻の在庫も余ってそうだしね。まあ、これ全部、推論だけど。ただ、この推論が本当だとしたら」
S「むしろ排他どころか、MANGAを推して行くための企画ってことになるな。それでなくても、ただMANGAを集めるだけなら、一巻のみという条件はいらない。何らかの目的があっての限定となるな」
F「実際、アメコミの新刊告知冊子ことプレビュースを見ると、日本の漫画も随分と色々翻訳されてるからね。碇シンジ育成計画とかさくらがんばる!とか戦場のヴァルキュリアとかぼくらのとか。ファンが選ぶ期待の外国漫画にスケットダンスやジャイアント・キリングが選出されていたりと、中々向こうのMANGA事情は面白い事になってるぜ。あくまで今回の話は、一件の店のジョークがだだ滑りしただけ。まず、アメコミがどーだ、日本の漫画がどーだという話が出るほどの問題じゃないね」
S「小さな火種に油をぶっかけた話だな。放火魔の気持ちは、どうにも分からんね」
F「分かったらおしまいさ」
S「ところで日本が差別的表現されているってヤツは?」
F「戦時中の漫画を参考例に持って来られてもなー。んなこと言ったらオメエ、戦時中の桃太郎の敵は鬼畜米英だぜ?」
S「何処の国でも、物語の主人公の敵=敵対国の時代の話。まあ、放って置くか」
F「そうだなー。広島長崎の被爆者の怨念から生まれたヴィランことエヴァーレイスが、今回の福島の一件で復活したという話があったとしたら、流石に怒ってもいいと思う」
S「ギリギリだよ! 大問題だよ!」
F「いや逆に。もしもそういう展開があったとしても、今回大炎上を狙ったような輩には情報が届かんと思うぞ。もし届いたとしても、話を全く膨らませられんだろうし」
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