- 2010.05.07 Friday
- 肉雑炊コンビの放談 > アメコミ
ふじい(以下F)「久々の放談ということで、今日のテーマは……」
サイレン(以下S)「二号ライダーについて? 2号〜アクセルまでのサブライダーを詳細に解説とかどうだろ」
F「やってもいいけど、お前相手にその話するとギャレンで始まりギャレンで終わる気がする。なので今日は別の話。最近このホームページでプッシュの激しいアメコミの解説だ。ようやくお前も、バットマンイヤーワン&イヤーツーを自費で買うぐらいの興味を持ってくれたからな。お兄さん嬉しいよ」
S「買ったのはいいんだけどさ、なんでアメコミはこんなに高いのさ。のきなみ3000円代って」
F「どうしてもなー。そもそも向こうの漫画って高いのよね。日本の漫画を輸出しても、2倍くらいの値段になるし。俺が一緒に買った、ダークナイト・リターンズなんかもはや芸術書のレベル。面白いんだけどね、やはり高い。まずここが、アメコミが日本で受けない最大の理由よね。間口が狭い」
S「どうにかなんないのか? 正直もったいない話だぜ」
F「機巧童子ウルティモかHEROMANを見れ。以上。両者ともジャンプスクエアに地上波アニメと見やすい環境かつ、原作はスパイダーマンやXーMENの原作者ことスタン・リーだ。特にHEROMANは今期アニメの中でも随一の評価だ。ジャンプスクエアもテニスの王子様だけじゃないんだぜ?」
S「革命じゃー!」
F「……うん、まあ。あんなインパクトのあるシーンが載ってた日には、それしか記憶に残らんわな。テニス怖ぇえ」
S「んで。どうすんの? はっきり言って広大な世界よ、アメコミ」
F「アメコミの歴史や形態を語るのもいいが、そういうのは既にもっと詳しいサイトが有る。だから俺らはあくまで間口として簡単な話を。キャラクターや世界観やキーワードをピックアップして語ってみようかと思う。幸い、知名度が低くて魅力的なネタはゴロゴロ転がっているから」
S「なるほど、悪くはないと思うが結局何から……?」
F「バットマンと言えばゴッサムシティ。ゴッサムシティと言えばアメリカの都市。しかし一時期、ゴッサムシティはアメリカ合衆国から放棄された歴史を持っているのは知られていない。ある時、大地震により隔離されたゴッサムにアメリカ政府が下した結論は、ゴッサムを統治区域外とし封鎖するというものだった。無法地帯と化したゴッサムを舞台に繰り広げられた長期シリーズ、Batman: No man's Land(バットマン:ノーマンズランド)の紹介から始めようか!」
S「悩む正義、力を手にする悪、必死に生き抜こうとする一般市民。様々な思惑がいり混じったゴッサムは戦国時代に突入。中々魅力的な世界観だよな」
F「支配領域や同盟という言葉が飛び交うと思ったら、生きようとするだけの単なる一市民を描いた話まで。話の多岐さといい世界観といい、日本人受けしそうなのに邦訳されていないのが悲しい。だからこそ、こうやって紹介させてもらうぞ」
F「ヨハネスブルグも真っ青な治安レベルの街、ゴッサム。ギャングだけでなく怪人めいたフリークスも跋扈するこの街は、アメリカ合衆国にとっても悩みの種だった」
S「そんな中、ゴッサムを襲う大地震。運河で周辺の都市と隔てられているゴッサムはライフラインから孤立してしまう。孤立したゴッサムに対しアメリカ政府が下した決断は救済ではなく放棄。ゴッサムを隔離した上に、合衆国の統治下から外してしまった。ゴッサムは完全な無法地帯と化した」
F「多くの市民が難民としてゴッサムを脱出。残された人々は犯罪組織やフリークスに脅かされながら生活することとなる。この過酷な状況に、バットマンはどう立ち向かっていくのか? だいたい要約するとこんな感じかね」
S「ポイントを上げるなら、まず封鎖という状況か? 空間隔離みたいな無茶な封鎖じゃないから、抜け道は結構あるよな」
F「実際、バットマンは初期の時点でゴッサムを離れ、ブルース・ウェインとしてゴッサム封鎖を解くための活動をおこなっている。その後、ゴッサムに帰還したので、一定の能力や手段があれば侵入や脱出は可能だ」
S「ペンギンは物資を外部から仕入れて販売してたし、何人かのヒーローやヴィランズは封鎖後のゴッサムに訪れているな」
F「大金と引換に脱出させてやるってヤツもいるんだぜ。さらに脱出を口実に金だけ巻き上げて、口封じのため殺害してたと言うケースも。一方では、ゴッサムに取り残された孤児たちを脱出させるために奔走した市民グループもいたな。あくまでリアルな封鎖。この閉塞感がたまらん」
S「出て行く人が居るならば、残る人も居る。正義や悪に関わらず」
F「バットマンの協力者ことゴードン元市警本部長は自警団を率いて、悪役との勢力争いに乗り込んでいったな。一時期行方不明になっていたバットマンに不信感をいだいて、関係が決裂したけど。トゥーフェイスと同盟を結んだせいで、エラいことになったけど」
S「悪役も様々なんだよなー。トゥーフェイスみたいに勢力を作るヤツもいれば、ペンギンみたいに物資を抱えて商売するヤツもいる。刑務所を占拠した悪徳看守ロックアップは、バットマンとの契約で捕らえたヴィランの収容を約束するし。正義も悪も、まず思惑が先立っているんだよね。ここいら辺は、戦国武将と一緒でしょ。同盟も有り、争いも有り」
F「ジョーカーみたいに要所要所で暗躍してるのもいるしなあ。正義と悪の闘いで片付けられない複雑さがここにはある」
S「そもそもこれ、もはや力では解決出来ない問題でしょ」
F「ああ。単なる力で解決できるなら、スーパーマンがとっくに解決してる」
S「あの人、ゴッサムに来たのか?」
F「まあほれ、正義のヒーローだし。実際あの人のスペック、おかしいからね。力も最大値、スピードも最大値、防御力も最大値。ぶっちゃけた話、スペック上の勝負ならば、ゴッサムに勝てる悪役は居ません。てーかあの世界に五人も居ません。スーパーマンの悪役は、日々搦め手の研究に邁進しています」
S「完璧超人じゃねえか……。スーパーマンが来たなら、どうにかなりそうなもんだが」
F「それがねえ。スーパーマンの活躍の結果、住民の中に格差が生まれて新たな争いが。失望して帰っちゃった」
S「うわー……」
F「頭が悪いわけじゃないんだけど、あの人、脳筋だから。思いつきで行動して結構ヒドいめにあってるのよ? どんな争いにも、例えば銀河消滅レベルの争いにも介入出来るくらいの力はあるんだけど。まあ、力じゃどうにもならない事態は多々あるということで」
S「ノーマンズランドもその一つってことだな」
F「その通りだ。何時もは独力の闘いを好むバットマンも、他勢力との勢力争いに参加している。何時もの戦い方は状況にあっていないことをきちんと理解して。戦国大名同士の争いに、剣豪宮本武蔵が乗り込んでも役には立たんだろ。争うならば、大名か大名に属す者じゃあなければな」
S「その考えが正しいかどうかは分からんが、バットマンの戦いの結果、ゴッサムはアメリカに復帰出来たんだよな?」
F「ああ。バットマンの戦いの結果、街が良い方向に向かったことは間違いない。現在のストーリー上では、ゴッサムは紛れも無いアメリカの一都市だ。実はでも、最後に大騒動があったんだが、それはさておいて。ジョーカーが最後まで自由だったのと、ペンギンの謎を放置していたのがマズかった。果たしてペンギンはどうやって外から物資を手にしていたのか? 閉鎖された街への物資輸送を可能にした男、それは……」
S「まあ、大物だよな、レックス・ルーサー。一応スーパーマンのライバルだし」
F「言うなよ! 知っちゃったら、見ても面白くねーじゃん!」
S「いやでもねえ。まず問題として、ノーマンズランドは一切邦訳されてないでしょ」
F「うっ」
S「だいたい俺らも、断片的な情報を統括してなんとかネタを絞り出しているようなもんじゃないか。さながら杉田玄白の解体新書みたいなもんだ。フルヘンヘッドってなんなのさ?」
F「あー……まあねえ。ただ、断片的な情報の時点でノーマンズランドの設定は魅力的である。それを理解してもらえればなと」
S「無理に纏めやがったよ。いっそお互い、英会話でも習うか?」
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