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アーカイブ: 2012/10

King in tower of ivory

 摩天楼の最上階に蝙蝠が飛び込んでからずっと、喧騒が止まなかった。
 窓ガラスが割れ、飛び出した身体が空に投げ出される。落ちそうな男の胸ぐらを、遅れて出た手が捕まえた。
 一本の手だけで支えられた男。動揺してしかるべきなのに、彼は無表情だった。なにせ彼には顔がない。
 彼の顔は漆黒。黒い骸骨の面が顔に癒着した男。その名は、ブラックマスク。
「落とせよ。その手を放して、俺を落とせ! バットマン!」
 ブラックマスクは、自らを支えるバットマンに、落とすことを強要する。しかしバットマンは、無言のまま動かなかった。
 バットマンの背後、部屋の中には戦闘能力を失った手下達が転がっていた。
 ひとしきり叫んだ後、ブラックマスクは落ち着いた声色で、バットマンに改めて尋ねた。
「俺は正気だぜ、バットマン。だから、ブラックゲート刑務所に送られるんだよな。……そうだよな?」
 ぐっと手に込められる力、ブラックマスクの身体が引き寄せられる。髑髏の仮面と蝙蝠の覆面、その距離は肉薄となった。
「私は司法ではない。その判断を下すのは別の人間だ」
「なら、お前の予想でいい。さあ、言ってみろ」
 バットマンに、一瞬だけ躊躇いが生まれた。
「アーカムだ。お前は、アーカム・アサイラムに送られる」
 精神病院アーカム・アサイラム。精神に異常をきたしたフリークスが送られる、異常を閉じ込めたパンドラの箱。
 異常の行き着く先にして、異常が唯一正常に暮らせる最後の地。
「そうか、ならば!」
 隠していた拳銃を抜き放つブラックマスク。ブラックマスクは銃口を殺害には向けず、自殺に向けた。自らのコメカミに、銃口を押し当てる。
 バットマンの拳がブラックマスクの顎を叩く。崩れ落ちるブラックマスクの手から拳銃を奪い取るバットマン。
 前のめりに崩れ落ちたブラックマスクの口から恐怖と無念の声が漏れた。
「アーカムに入り、惨めな死が確約されるぐらいなら、俺はせめて、華々しく……」
 こう言い残し、気絶するブラックマスク。嘗てアーカムに入った経験のある男が、アーカムを極端に恐れていた。
 施設の警備や職員も、フリークスにとってはボロの錠前にすぎない。その気になれば、いつでも出て、ゴッサムで復活できる。
 アーカムに入ることは敗北であっても、終わりではない。だがブラックマスクは、終わりであると嘆いていた。
 駆けつけるアーカム市警。ブラックマスクと手下を確保し、現場検証を始める。
 バットマンは既に部屋から消えていた。摩天楼の風を頼りに、闇を飛ぶ。
 今のアーカムは、あり方として正しい。異常の棲み家ではなく、異常を封じる場所にまったくもって正しいあり方だ。
 ただ、これは本当に正しいのだろうか。なにせ、アーカムの歪みを正したのは、正真正銘の歪んだ天才である。
 一層歪んだのを、正しいと錯覚しているだけではないのか。バットマンの疑念は一層強くなっていた。


 バットマンが会いに来た。アーカムの所長はその報告を受けた途端、治療中の患者をほっぽり出して、出迎えの準備を始めた。
 治療はいつでも出来るが、蝙蝠は向こうが会う意思が無い限り、絶対に会えない。ならば当然、優先すべきは蝙蝠だ。
「いよいよか。いよいよ、ヤツが私に、頭を垂れる日が来たか」
 画期的な治療法を編み出し、一躍総責任者の座についた新所長を、バットマンはずっと認めず顔も見せなかった。
 だが今日、ついに彼が会いに来たのだ。傲慢で、正義という言葉を自慰の材料としている男が敗北を認めたのだ。
 所長は眼鏡を外し、ワラのマスクを被る。彼を出迎えるにあたってこのマスクは、タキシード以上の正装である。
 白衣もついでに着替えようとして思いとどまる。そこまでやってやる必要はない。むしろ、服は白衣のままにし、自分が所長であることを演出してやるべきだ。
 ワラのマスクに白衣。これこそ、今のジョナサン・クレインが取るべき格好。
「ようこそ、バットマン! 我が象牙の塔へ! アーカム所長のスケアクロウ自ら出迎えようではないか!」
 象牙の塔から転げ落ちたカカシは、歪んだ国へ辿りつき、ついに国王となった。
 誇らしげなカカシの王を前に、蝙蝠は苦り切った顔を隠そうともしなかった

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日々雑談〜1232〜

 あ! そうか! もう一応日付的には31日なのか!
 ややこしい話ですが、バットマンのSSは次の更新時ということで。流石に31日中には、やるようにしますけど。これを期に、もうちょっと更新の時間を早めようか……。


 ドラクエ札螢瓮ぅのニュースが流れてきて、ヒャッホイと。昔それなりにやりこんだ身としては、微調整後に、評価が上向きになってくれれば。
 どうも擦楼評が先立ってますけど、ロード時間の短縮や石版システムを簡易化などの改善で、一気に化ける作品かと。ベースは悪くないし、素の状態でも、及第点は十分にあるゲームなのに、時を経て悪評だけが残ってしまって。やりこみ要素は多いし、キーファ永久離脱も、離脱があってこその感動が後のシーンにしっかり用意されているので、結構まともに良ゲーです。
 あと多分、シナリオの細分化と各々のバッドエンド具合では、他のドラクエの追従を許さない。

日々雑談〜1231〜

 一段落なので、積んでいたプロジェクトクロスゾーンに着手。噂には聞いていたが、ナムカプ同様のツボを抑えた演出やシナリオの数々。再生怪人大好きな身としては、かつての強敵が立ちふさがるというシチュエーションにたまらないものがね、こう。
 ところでコレのスタッフ、ロックマンX4が好きすぎるだろ。まったく、ロックマンXはシリーズとして複数作あるのに、一作品にこだわってさ。馬鹿じゃねえのか!?(花束を抱えて)


 自分がバットマンで何か書くと、こんな感じになるよ?なサンプルを、10月31日にアップします。以前アンソロに載せていただいたものの再掲ですが、メインがスケアクロウなので、ハロウィン合わせがちょうどいいかなと。ありゃなんだかんだで、おどろおどろしいヴィランですよ。


 最近、アニメジョジョの影響で、なんとなくジョジョを読み直し中。特に、一部と二部の辺りを中心に。スタンドバトルも面白いですが、波紋編も十二分に面白いです。むしろ作風としては、こちらの方が好みかもしれない。
 三部で時折ジョースターが見せるだけで、過去の遺物扱いされている波紋ですが、相性が悪かっただけで、ポテンシャル自体はまだありそう。しかしいくら当たらない自信があるとはいえ、波紋を前にして悠然と振る舞える三部ディオはすげえな。大昔にしてやられた上、通ったら即死のエネルギーなのに。
 分かった上でらしく振る舞えるからこその、帝王か。

日々雑談〜1230〜

 昨日、うっかりいつものノリと言ってしまったが、うちのイメージとはどんな感じなのだろうか。




仮面ライダーウィザード「さあ。ショータイムだ!」

マンダリン「面白い! たった一つの指輪で、儂の10の指輪に勝てると思うてか!」

デッドプール「おいおい。ウィザードは10どころじゃないぜ? 付け替える手間はあるけど、その数は無限。今年いっぱいは、最終回まで指輪がバンバン出るよ! 来年以降は、メダルやスイッチと同じ扱いになるけどね! ところでオレちゃんも混ざっていいかな。いやあなに、この前の映画で使った、緑色の指輪とついでにランタンがあるから、指輪貸してくれなくてもいいヨ?」




 さらっと書いてみたけど、わりと間違ってない気がする。要素的に。

日々雑談〜1229〜

 本当にひどかった今週のデッドプールと、あまりに大スペクタクルな今週のフラッシュ。スーパー赤ちゃん大戦も含めて、今週のアメコミは当たりや興味を惹く作品がえらく多い。


 アメコミオンリーイベントTEAM UP新刊、バットマン:ザ・ボーイ・サバイブドの入稿完了。これで余程のことがない限り、大丈夫!
 内容紹介もさっさとしたいのですが、何処を出してもネタバレになるので、紹介が難しい。どうしよう。いつものノリとはテイストが丸っきり違うし。
 体力的に限界なので、ここから先は明日にでも考えますが。いやー今回も、しんどかった。もうちょっと計画性を持ちたいものの、どうにも予定の突発性や流動性が高い身でして。次は冬コミか。受かれば。

日々雑談〜1228〜

 DCの無料誌なんかに時折付いてくる“2ページで分かるオリジン”シリーズ。バットマン、ベイン、ラーズ・アル・グールの三人は、バットマンVSベインで邦訳されてたりします。
 実はこのシリーズ、ジョーカー編も作られていたり。元々オリジンが、売れないコメディアンや腕利きの殺し屋にレッドフードとバラバラかつあやふやなジョーカーのオリジンを2Pで纏める。この無茶ぶりへの答えはこちら。

まあ、お前が好きなの選べよ

 最初にして半分の1Pで、オリジンを紐解く資料としての価値が0に! 
 そうですね。どのカードが正しいかはきっと永遠に分かりませんが、あと十数年もすれば、おそらく一枚ぐらい、カードが増えているのではないかと。

日々雑談〜1227〜

 今日明日は、チームアップ新刊の追い込みに入るので、日々雑談は簡易更新ということで。ご容赦くださいませ。


「うーむ。アベンジャーズのハーレー・ダビッドソンの提供回。続きがとんと音沙汰ないなあ。映画版のメンバーVSバロン・ジーモ率いる悪役連合の流れは分かりやすいし、1P目で敵に捕まって拷問を受けている安心のホークアイクオリティだし、なにより無料だしと、三拍子揃ってるんだが……」

「その三拍子が正しいかどうかはさておいて。あれじゃない? ハーレー・ダビッドソンに颯爽と跨るキャップとブラックウィドウ!のシーンから数コマ後、どっかのガイコツがハーレーを爆散したのがマズかったんじゃない?」

空気読めよ、タスキー

「あの後、ハーレーの出るシーン、殆ど無いもんな……」

日々雑談〜1226〜

 一部で話題が沸騰していた、A-babiesVSX-babiesが予想以上に面白かった。

スーパー赤ちゃん大戦

あらすじ:スティーブちゃんが大事にしているクマのぬいぐるみのバッキーくんが、おとなりのスコットちゃんに持ってかれた! ぬいぐるみを取り返せ、スティーブちゃん! キャプテン・アメリカに着替え変身だ!

キャップ「アベンジャーズアッセンブル!」「「アッセンブル!」」

サイクロップス「アベンジャーズと戦うために、X−MENもあつまれー! ……誰も来ない。アイスクリーム屋のトラックが来たぞー!」「え? アイスクリーム?」「どこどこ?」

 開戦前の時点で、もう勝敗が決まっているような気もしますが、それはさておき。本家AvsXには参加しなかったミュータントやヒーローも多数(赤ちゃん)として参戦。おもちゃ箱をひっくり返したような賑やかさと、カラフルさ。ついでにアーティストがグリヒルさんなので、あの意外なキャラも登場。赤ちゃんだけあって、しゃべっている英語が簡単なのもいいね!
 いやあ、今年ナンバーワンにしてもいいぐらい、買いなアメコミですよ、コレは。電子書籍なら現時点で購入可能なので、環境がある方は是非に!


Q:遂に配信開始となった、今季のデッドプール最終回はどんな感じだったんですか?
A:「……3日、いや2日あれば、不眠不休でなんとか」「どんなのだ!?」

 どんなのだ!?って、むしろ俺がどうすんだ!?って聞きてえよ!(逆切れ

日々雑談〜1225〜

 新聞記者を辞めるだの、市民権放棄だの、どうにも日本で話題になるスーパーマンのニュースは、センセーショナルなだけで中身が無いな。前者は枝葉の話、後者に至っては短編内限定の話。もっと酷い話も、中身のある話もざらにありそうなもんだが。


 昨日のエクスペンダブルズ2話では、スタローン、シュワルツェネッガー、ブルースの三人を御三家と読んでいたのですが、実はこの三人と並ぶ第四の男として存在を放っていた、大スターが。その名は、一匹狼チャック・ノリス!
 いやあホントねえ、凄いですよ、チャック・ノリス。チャック・ノリスが登場するだけで、雑魚は死に、街は燃え、登場人物すら唖然とし、客席は大爆笑。これアレだ! チャック・ノリス・ファクトの忠実なる実写化だ!
 御三家が、ラスボス、隠しボス、裏ボスだとしたら、チャック・ノリスはイベントの都合上倒せないボス。もしくは、世界樹の迷宮2の幻獣サラマンドラ的な、シラフじゃ相手する気にもならないボス。あんまりに適当に強すぎて、作中最強はマジでチャック・ノリスなんじゃないかと思う。いやあ、あれはねーわw

日々雑談〜1224〜

 そろそろ、作業も大詰め。更新休止の強化スケジュールに入るべきか…。


 エクスペンダブルズ2の感想ねえ。いやまあ、当然ネタバレは避けたいんですけど、正直なところ、万人が期待して、万人の予想通りの展開となる映画なので、どうしようかなと。
 スタローン、シュワルツェネッガー、ブルースの三人が戦場で並んだら、どうなるのか? 変にひねらずに想像した場合、破壊喝采大玉砕な光景が浮かぶ筈です。そしてその光景こそが、エクスペンダブルズ2です。こんなわかりきった状態で、ネタバレを隠すことに意味があるだろうか。そしてこの分かりきった展開こそが、エクスペンダブルズ2に求められていた物。
 前作で、アクションスター御三家を集めた。ならば2では、三人揃ってのアクションだ。更に、追加参戦キャラを増やそう。この分かりやすい順当進化の流れ、実はオールスター物が目指すべき進化経路の典型的な例になるんじゃないかと。
 そりゃまあ、オールスター物は、基本集めた時点で勝ちなんですよ。豪華絢爛な顔ぶれを、集めた時点で。ただ、同じ路線で二回目のオールスター物をやった場合、果たしてまた同じように集めるだけでいいのか。
 確かに、それでもある一定以上は売れると思いますが、やがて先細りするのは明白。オールスター物をシリーズ化するには、エクスペンダブルズ2が掲げる“最強無敵のその先”を目指す心意気こそ、オーススター物の延命には必要な物。そう思うのです。

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