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アーカイブ: 2007/06

近世百鬼夜行〜六〜

 「この13番のオービスの写真おかしくね?」
「え? 先日の検査では異常ありませんでしたが」
「一応確認しておくが、オービスは通過車両の走行速度をレーダーで計測し、違反車両を撮影するってシステムだよな」
「ええ」
「13番のオービスは高速道路のだ」
「そうですね」
「なんで高速に原付が乗ってんだよ、しかもコイツのスピード100km以上になってんぞ!!」
「ええ!? そんな馬鹿な!!」
 その後、厳密な検査の結果オービスには異常が無いと判明し、件の写真は闇に葬られた。

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近世百鬼夜行〜伍〜

「おいカメラ廻せ!」
「おいスッゲエの出たぞ、ケータイで撮って送るから!」
 テカりのある黒い肌、複眼に長い触角に翅、いままで超人的な戦いをしていた二人は仮装で済むがコックローチGの外見はもはやSFXでも解せるレベルでは無い。野次馬やマスコミが一斉にカメラを構える。
 大小種類様々なカメラが映し出したのは、混色の砂嵐。あたり一面を突如極彩の微小な何かが覆い尽くす、金、黒、茶、赤……色とりどりのそれは群集の視界を完全にシャットアウトした。
 群集の何人が気付いただろうか、自分の髪の毛が各々数cmずつ切り取られたことに。

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ちょっとだけ帰ってきた雑月集

暴言
士郎「裸の王様と、アホ毛の王様……響きは似てるよな、なんとなく」
セイバー「士郎?」


なかのひと
キャスター「貴方の腹を掻っ捌いたら、介護から買い物までこなせるサーヴァントが出てくるのよね?」
小次郎「輝くような笑顔で物騒なことを平然と」


やってみる
キャスター「アサシン――自害せよ」
小次郎「ちょっと待て! 神父を真似るのは良いが令呪使用まで真似る(フェードアウト)


花札世界
臓硯「カカカ、次の相手は寺の魔女か」
ハサン「悪女である事を捨てた魔女に我らが負ける筈が……」
門、無駄に血の海
爺&骸骨「悪女捨ててねー!?」

近世百鬼夜行〜四〜

 雑踏は彼を笑い、彼もまた雑踏を笑う。
 華やかな若者が集う渋谷に似合わぬ一人の侍。街に似合わぬ自分を笑う人々を一笑にふして、人が最も多く集まり、車も途絶えることの無い駅前交差点の中央に座す。信号など守る気も無い、以前に意味を知らない。人々は何事かと遠目に見守り、車は邪魔だ邪魔だと嘶きを上げる。とりあえず煩い車を、彼は刃の二振りで断ち切った。
 彼の四方八方を囲んでいた車が次々と真一文字に裂かれて行き、次に縦一文字に割れ、最後には細分化して残骸と化す。ドライバーがどこに行ったのかはわからない。ただ、残骸には明らかに赤い異物が散りばめられていた。細かすぎてなんなのか認識できないのがむしろ幸いだ。
「剣は冴え、気も研がれている。来い、この場所に相応しき相手。こちらは十分だ!」
 事態が判らぬ野次馬が集まる中で、カマイタチは独り吼えた。

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漆黒の幻夢〜中〜

「ライドロン……お前は俺になにを見せたいんだ」
 かつての自分である仮面ライダーBLACKに完敗した、仮面ライダーBLACKRX南光太郎。そんな彼を生命ある車ライドロンは喫茶タントラへと案内した。
まだ光太郎がBLACKであった頃、心の拠り所としていた喫茶タントラ。そして全ての戦いが終わった後、自分が全てを失った事を思い知らされた喫茶タントラ。RXとなってから、否、喪失の虚無感から放浪を始めた時から関わりを断っていた場所。
何故自分をここに連れてきたのか、ライドロンに答える言葉は無かった。

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きみあるやってみた

「君が主で執事が俺で」攻略終了。最近精神的に最近追い詰められているせいかダルくて封を開けられませんでしたが、なんとか根性起こして一気にプレイ。うむ、相変わらずハラ痛え。相変わらずネタまみれのシナリオだぜ、わはー。やさぐるまさんやクラウザー様までは来るな!と読めたが、まさかキンタロスまで出てくるとは。シナリオの締め切りはいつまでだったんだ(キンタロス初登場は3月)
以下はネタバレなんで隠しますぜ。


ちょっと自分を見つめなおしたほうがいいのかなー……

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胡蝶の夢に憧れる

 気が付いた時、光は皆無だった。
 空間を凝視するが先は一切見えず。自分の片目が食い潰されている事に気付いたのは、直ぐだった。目の痛みは不思議と感じない、いや部品ごとの痛みなど感じる余地も無い。
 体を蝕む言いようも無い激痛。体中全ての肉が微細な歯に食い千切られ続けている。自分を覆う数多の蟲は、生物ピラミッドを無視し人間である自分を餌だと認識している。死体ならともかく、こちらはまだ生きているのに不遜すぎる。
 視覚は死んだのに、痛覚だけは不思議と健常。痛覚が死んでくれていればまだ楽だったものを。
 絶叫したくても、舌も無いし喉も無い。ただ、一言だけ、他人が聞いても言葉ではなくうめき声としか認識しないと思うが、こう言った。
喰らうのなら中途半端に喰らうな。俺の全てを喰らえ、蟲よ――
この願いが通じたかどうかはしらないが、蟲達は一層激しく喰らい始めた。

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