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近世百鬼夜行

百鬼夜行的な大放談〜1〜

「五木と」
「春秋の」
「「放談コーナー!!」」
「さあ始まりました、新コーナー。最初は配布アイコンを使用しての版権キャラによるアイコン漫画の予定でしたが、それ用のCGI配布サイトが閉鎖していたり、システム構築が上手くいかなかったりという理由で、ホームページ内オリキャラによる文章対談形式に変更となりました。まあ、これはこれで版権キャラよりオリキャラの方が好き勝手させられるし、キャラ付けにもなるしねと、『なかの人』こと代表者が笑顔で語っていました」
「その後、暗い顔で『管理者の企画立案実行能力はアレすぎる』って……」
「シャラッープ。と言うわけで、放談第一の刺客こと五木です。普段はこのホームページの百鬼夜行シリーズで主役やってます」
「相方の春秋でーす。同人誌版と『きんだいひゃっきやこう』に出てまーす。同人誌版はともかくとして、きんだいひゃっきやこうの続きはいつ出るんだろーね?」
「近い将来だと思うよ」(目を逸らしながら)
「それはそれとして、なんでオレなんだろーね。百鬼夜行シリーズの主役って五木と那々ちゃんでしょ? そのコンビでいいじゃん」
「那々はこういうのに向いていない。あいつはKOOL(by前原)なので、使いにくいと言うかなんというか。必要があれば出張ってもらうが、とりあえず今日はお休みだ。本人も『最近出番がないので技術交流に行ってくる』といって不在だしな」
「技術交流って何処に?」
「テキサスにチェンソー持って出かけたけど」
「……お目付け役に付けた冬夏、大丈夫かなあ」
「うははー最終的に通りすがりのトラックに助けてもらうんだぜ」
「うわーん! 冬夏ー!!」
「はっはっは、というわけで前説はここまでにして、本題に入るぜ。今日のお題は『キョン子可愛いよ、キョン子〜TSもいいもんだ〜』だ!」

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近世百鬼夜行〜十二〜

 わきあいあいと騒ぐ子供達を乗せ、幼稚園バスは一路牧場へと向かっていた。
 みんなで楽しいお歌を歌い、レクリエーションでおおはしゃぎと、遠足らしくいい感じで盛り上がっている。途中、席を立つ子供をいさめたりしながら、何事も無く無事にたどりつけそうだと、新人保母の、岬は一人安堵した。
「そう不安がらなくても大丈夫さ。今日は、かなり良い感じだ。バスに酔う子もいないしね」
「ははは、子供達より先に、私が酔っちゃったらどうしようとか、考えていたんですよ」
 一緒に引率している、ベテランの保父の安田と、笑いあうぐらいの余裕も生まれた。
 バスはいよいよ危険な崖道へと入る。くねくね曲がっている上に、道も細く、車の通りも多いと危険際まり無い道だが、通らなければ目的地へは着かない。
 安田が改めて子供達に席を立つなと、注意しようとした時、ガクンとつんのめるくらいの勢いで、急にバスが加速し始めた。安田がもんどりうって倒れ、子供達の何人かが席に頭でもぶつけたのか泣き始めた。たちまちバスは泣き声に包まれた。
「運転手さん! 運転手さんー!!」
 岬は運転手の名を連呼するが、反応が無い。仕方なしに、捕まりながら、それで迅速に、彼女は運転手の元へと向かった。早くどうにかしなければ、崖から落ちてしまう。
 運転手は、寝ていた。一見それほど穏やかに見えたのだ。しかし、幾ら呼びかけても、返事が無い。あまりの平穏さに騙されていたが、白くなっていく肌を見て、もしやと思い脈を取ってみると、脈は無かった。
「し、死んでる?」
 ならば身体をどかしてアクセルから足を離さなければと、動いた岬の体が注に舞う。身体はそのまま、フロントガラスを突き破り道路の外に投げ出された。
 血まみれで地面に這い蹲る、岬の目に映ったのは、トラックのフロントを半壊させ、崖下に落ちようとしている幼稚園バスの姿だった。バックガラスに、子供達が集まっている。個性豊かな子供達が、全員一丸となって訴えかけるのは、ただ助けての一言。岬は、手を伸ばす。どうにもならないのはわかっているのに、彼女はどうにかしてあげようとするが。
 バスは崖下に転落した。
 バスと衝突したトラックを避けようとした車が、壁面に衝突する。壁面で爆発した車を避けようとしたバイクが、崖下に転落する。負の連鎖が起こり、崖道は瞬く間に阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。
 絶望と無力感と痛みに引き摺られ、岬の意識が薄弱とした物になる。
 ふと、目に入ったのは、二人の黒衣の人間の姿。幽鬼のごとき姿で、事故現場を見下ろす姿は死神か。ならば何故こんなことをしたのかと、子供達を何故殺したと、死神を呪いながら岬は意識を失った。

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きんだいひゃっきやこう

 久々の百鬼夜行ネタ。時系列的には、
近世百鬼夜行→近代百鬼夜行(同人誌版)→きんだいひゃっきやこう
となっています。作中で出てくる、新キャラ二人は近代百鬼夜行が初出です。彼女らが山を降りた事件こそが、近代百鬼夜行の本編の話です。まーこうやって書かないと二人のキャラ付けとか忘れますしねー。
 きんだいひゃっきやこうはポジション的にスレイヤーズの短編とかに代表される、富士見作品の短編シリーズの位置に居ます。正月の早いうちに公開したかったんだけどなあ。正月ネタだし。
 なお、気になるヒキをしてしまったので、続きも早めに出したいと思います。一月中にはなんとか……なんとか……。

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クビツリタヌキ

 ぶらぶらぶら。風に揺れる、身体。
 或る高層ビルの屋上から、彼が飛び降りたのは早朝の事だった。遺書は無いが、靴が綺麗に揃えられており、周りが清められていた事から自殺と判断された。
 彼の首には縄が巻きつけられていた。荒縄の先端はビルの自殺防止用の手すりに巻きつけられており、縄の長さは当然ビルの高さに劣る。つまりコレは、投身自殺ではなく、豪快な首吊りという事になる。あまりの落下時の衝撃に、首の骨が砕け、首が千切れんばかりに伸びきっている。第一発見者の勤勉なOLは、窓の外で朝日に照らされる彼と目が合ってしまい失神した。

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近世百鬼夜行〜十一〜

――滅びる街
――潰える怪物
そして――消える炎

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近世百鬼夜行〜十〜

「みんな、逃げるよー! 出遅れたら、普通に置いてくからね」
 社長の先導を受け、用意された車に被災者ボランティア問わずどんどんと乗り込んでいく。連絡を受け作業を投げ出してきた現場監督を筆頭とした社長の部下や、有志である消防署長らが誘導を手伝っていた。
「社長、あっちで遺族の何人かがゴネてる。遺体も連れて行きたいと」
「死者を気にするヒマはない! ガタイのイイ連中で無理やりにでも引っ張って来な。恨み言言われたら、私の命令である事を強調していいよッ!」
「わかりました。ガンコもののツラでやって来ますよ、社長の名は絶対出しませんがね!」
「この忠節モノ! それが終わったらこっちも退くよ」
「了解でさあ!!」
 監督は指示通りの連中をかき集め、指示通りに動く。入れ替わりに署長が社長の方へ寄ってくる。
「第一陣の用意が出来た。順次発車させるぞ」
「間に合ったねい。これなら、火が来る前に逃げられそうだね」
「ああ。十分に間に合うぞ」
 社長が下した決断は逃亡だった。消せない上にワケのわからないもの相手なら無駄な抵抗をせずにさっさと逃げる、被害を最小限に抑えられる実に思い切りの良い決断だった。
「なあに署長さん達が協力してくれたからさ。余所者の私だけじゃ絶対ここまでスムーズに動かせなかっただろうね」
 地元民の説得や安全なルートの確保等は署長が一手に引き受けてくれた。彼の協力がなければ、もっと手間取っていたに違いない。
 社長は懐から携帯を取り出すと、カメラレンズをゆっくりと炎の方へ向けた。
「何をしている」
「カメラは用意できなかったからね。こうやって証拠を取っているのさ、あとでグタグタ言う連中もコレを見れば黙るだろうからね」
 もはや講堂は異質の怪物と化していた。黒い炎に覆い尽くされ、触手のようにそこらじゅうがうねっている。延焼もどんどんと広がっていき、もはや講堂の周りの一帯全てが怪物になりかけている。社長達が居る場所も数分後には捕食範囲に入るだろう。
「この街で生まれ育ってきた者として、言ってはならないセリフなのだが」
 署長が悲しげに、忌々しげに、様々な感情を入り混じらせた表情でようやく言葉を続ける。
「我が故郷は死んだ……ッ!」

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近世百鬼夜行〜九〜

禍々しく燃え滾る男と、冷徹の中に苛烈な情を持ち合わせる女。
女が期待していたのは不純な黒い炎ではなく、ただ純粋に燃え盛る紅き炎を持つ男――

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近世百鬼夜行〜八〜

 普通神社や寺といったものは人が通えるところに作られるものだ。人が踏み込む事もできないような位置では、参拝もクソも無い。参拝客が居ない神社仏閣に意味があるのだろうか。
 だが、何かを封ずるのなら話は別だ。人界に近くてはB級ホラー映画のOPのように悪ガキが封印を解いて大変だーなんて話になりかねないし、なにより封印するような凶悪な物が近所に有る状況で日々の生活を営みたくないだろう。つまり、このお堂には何かが封じられていた。
「しかしなあ」
 変身したままのGは首を捻る。
 街一つ壊滅させるようなモノを封印するには、あまりにチンケすぎるしあまりに山奥すぎる。危険なシロモノを封印する場所としては、定期的に監視するため微妙に山奥で、しっかりと防護できる丈夫さを持った建物がベストなのだが。これでは、只たいした事のないシロモノを厄介払いしただけみたいで、危険度と矛盾しているように見える。
 しかし、状況的にどう見ても原因の一端はこのお堂にある。鬼が出るか蛇が出るか、意を決してGは扉を開けた。
「うぉぉぉぉぉ!! 読めぬっ!」
「せっかくそれらしき古文書を見つけたのに、難しくて読めぬとは。無学が恥ずかしいわぁぁぁッ!」
 お堂の中には鬼も蛇も居なかったが、自転車の身でありながら器用にのたうち回り号泣するバカ兄弟が居た。輪入道が自分らを温かい目で見るGの存在に気付くのは数分後の話である。

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妖怪百景

近世百鬼夜行の世界観を広げるためのSS。
同人誌のネタなんかも織り交ぜられているが勘弁してくれい。
とりあえず、この世界最強クラスの妖怪はこんな感じです。

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近世百鬼夜行〜七〜

 那々は忙しげな物音を聞き、目を覚ました。手を中空に伸ばし二・三回空を掴む。思考に動きが付いて来ている事を確かめてから、物音の源である事務所へと向かう。五木清掃所は三階立てであり、一階が営業用の軽トラが置かれている駐車場、二階が事務所兼共用スペースの居間、三階がそれぞれの私室となっている。五木も那々も私室には寝に来るだけぐらいなので殆ど装飾も何も無いが。
「おう、起こしちまったか。悪いなあ」
 事務所の鏡で五木はヒゲを剃っていた。来客用に一応まともな体裁を整えてあるソファーには旅行用のカバンが転がっている。出張なのだろうか、昨日寝る前にはそれらしい事は一切言わずに実入りの良い仕事がねーよと頭を抱えていたのに。
「出張か?」
「ああ。昨日、お前が寝てから電話が来たんでな」
「これまた急な話だ」
「だが、ギャラを考えれば例え徹夜後の睡眠5秒後に叩き起こされても機嫌良くなる仕事だぜ。まあ、他人の事を考えると素直に喜べないんだがな」
 五木は一枚の古新聞を那々の眼前に差し出す。安そうなスポーツ新聞の一面には『史上マレにみる大規模な山火事発生!! 御社様のタタリか!?』と書かれていた。
「ああ、この記事なら覚えている」
 確かカマイタチとの決闘後の夜だったか、何処か山奥の街で大規模な山火事が起こり街の大半が焼けてしまったらしい。深夜の火災であったせいで対応が遅れに遅れかなりの数の住民が焼死したとアナウンサーが悲壮そうな顔で伝えていた。
「ほら、いつもの社長がさこの火事の後始末に参加する事になってな、どうせだし一枚かませてもらおうかと持ちかけたらすんなりOKが。で、今日下見に付き合うことに急遽決まったんだ。夜には帰ってくるから、今日は休日で」
「今日はと言うか、最近は毎日がホリデイだったんだが」
「それはそれとして! 土産がっちり買ってくるからお腹を空かせて待ってなさい」
 カバンを掴みサッと去っていく五木。お約束として食パンを一切れ口に咥えている辺りは分かっている。
「土産か。肉ならいいなあ」
 カマイタチとの戦闘後に肉を食いたいといった那々の要望は未だ叶えられていなかった。まだ時刻は早朝、軽くアクビをしてから那々は布団に包まるために自室へと戻っていった。

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