マイティ・ソー バトルロイヤル雑感(ネタバレ無し)

 マイティ・ソー バトルロイヤル、それは色彩豊かな世界で繰り広げられる、忙しない神々の遊び……!

 テーマ自体は「ソーという神の自立」「行方不明のハルクが手にしていたモノ」「死の女神ヘラとアスガルド、ラグナロクの真相」と重厚なものの、その色合いは基本華やか。客席でああもドッカンドッカン笑いが巻き起こるヒーロー映画って、そうそう無いんじゃない? これむしろ、クリス・ヘムズワースの素ですよねとばかりに明るいソーに、これまでのシリアスで垣間見せてきた笑いを全力全開でぶち込んでくるロキ。

ソー&ロキ兄弟、連携技”助けて”炸裂シーン 映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』本編映像

 百万言で褒めるより、公式配信な上記映像を観て欲しい。本編みんな、これぐらいのノリです。助けてー!

 

 第一作のマイティ・ソー、第二作のマイティ・ソー/ダーク・ワールド、そして第三作のバトルロイヤル。ソーの続編モノとしてバトルロイヤルを見た場合、バットマン・フォーエヴァーとダブるところがあります。夜の闇と寓話めいた世界観を持っていた第一作のバットマンと第二作のバットマン・リターンズ、これらと路線を違え、夜の危うさとネオンの明るさを持ち合わせた第三作のバットマン・フォーエヴァー。前二作とは違う路線かつ、明るめの作風に。この点において、バトルロイヤルとフォーエヴァーはなんとなしに被って見えるのです。脱却による何らかの成果が期待できるというのも、同様ですね。

 そう言えば、バトルロイヤルは過去作の伏線回収が上手いとの評を幾つか目にしていますが、個人的には上手さとはちょっと違う印象を受けました。伏線回収の大半は、映画開始から30分ぐらいでガーッと回収されて、そこから改めてバトルロイヤルの物語が始まると言いますか。イメージ的には、夏休みの宿題を7月中に片付けて、ゆっくり自由研究に挑む感じ? 
 既に路線は変わっている上に、やろうと思えば伏線も振り切れる作風なのに、きちんと回収してから先に進む。なので上手いというより、律儀で丁寧という印象を受けました。ちゃんとバトルロイヤル自体にも、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースの核となる部分はあったので。無法者に見えて、バトンの受け渡しはきっちりこなしてます。
 
 

 実のところ、マイティ・ソーは変わることが必須なシリーズの一つでした。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソーのマーベルBIG3。映画の人気としては、アイアンマンが抜きん出ていて、そこをキャプテン・アメリカやソーが追う形。キャップやソーも続編となる2は良策ながらも、アイアンマンには追いつけなかった。そして、キャプテン・アメリカは3となるシビル・ウォーにてついに追いついた。ならば、ソーも追いつかなければ……つまり、シビル・ウォーやアイアンマン3に追いつけるだけの変化と成長を、ソーは求められていたわけです。アベンジャーズの一員としてではなく、一人のヒーローとして在るために成果が必要だったと言えばわかりやすいでしょうか。

 バトルロイヤルは、近年ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやデッドプールが切り開いた「不真面目さもあるヒーロー」のエキスを注入。その結果、好評を得るタイプのモデルチェンジに成功しました。第一作のマイティ・ソーとダーク・ワールドの頃は、ヒーロー映画全体がどちらかと言うと真面目気味でしたからね……。先達が切り開いた道で後輩が新たなヒーロー像を創り、新たなヒーロー像が作った道を、今度は先達が歩む。お互いに支え合うのは、実に理想的な先輩と後輩の関係ですね。
 ただ、あんまりに不真面目で愉快な連中が増えると、今度はその路線が飽和状態になるのではという一抹の不安も。俺はそういうの大好物だけど、食いすぎて胃もたれしないかと言われると、難しいからなあ。

 
 
 評価としては「作品としては超楽しい直球だよ!」と「シリーズ続編としては変化球だよ!」といったところでしょうか。いやー、このサイトを見てくれている人なら、きっとジャストヒットというか、観に行ってください!(土下座 の一択なのですが。いやだって、プラネットハルクも元ネタの一つじゃん。そりゃプラネット・ハルクと綿密につながっているワールド・ウォー・ハルク大好きな自分が本能のままに得点つけたら、ハルクINサカールなだけで500万点プラスよ。

 しかし、今回の映画でだいぶソーのキャラが明るくなったんだけど、これにある程度合わせる必要がある、コミックスやアニメといった他メディアのスタッフは大変だなあと。今、アメリカンコミックスというジャンルにおいて、最も牽引力があるのは映画だからのう……。

 

日々雑談~2219~

 アルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックスの最終回を視聴。

1 究極のスパイダーマンとはなんなのかという答えが出る。
2 ノーマン・オズボーンとの真の和解。
3 ピーター・パーカー自身の資質も判明。
4 シニスター・シックスと決着。
5 ライノやヴァルチャーが人間に戻る。
6 ドクター・オクトパスの最終手段を撃破。クトゥルー・オクトパス。
7 このアニメにおける宿敵だったドクター・オクトパスとも一応の決着。
8 SHIELDアカデミー卒業。
9 第一話のオマージュシーン。トラップスターをボコって、フューリーにも認められる。

 流石にもうこれは、アルティメット・スパイダーマンとしては最終回か……? わりと今シリーズで出尽くした感もあったし、次にスパイダーマンのアニメがあっても、また1からかもしれません。トラップスターがボコられた1話を始めとして、地上波でやってない回もあるから、そこやってもいいのよ!? ウルヴァリン回やデッドプール回もあるし!

 ただ、幾つかの反則スレスレな技を使えば、このキレイな最終回の続きも作れるかもしれません。アルスパは結構細かいネタも拾っているから、残ってるの危ないネタばっかなんだよ! とりあえず続ける手段として、パッと1つか2つは思いつきますが……。

ロキ(CV武藤正史)「話を続ける方法をざっと100個は思いついたわ」

 流石、ロキ様! ハンパねえ! ところでいつ、ディスクから出てくるんですか!? 

お知らせ

 本日、更新お休みさせていただきます。
 ツイッターではこの間つぶやいたし、時間ができたらちゃんと書くけど、デッドプールの兵法入門はデッドプールだけでなく、ロキも大活躍よー。映画やディスクウォーズでの、「強いし策謀家なんだけど、なんか隙があっておもしろ愉快なロキ」に現状一番近いかもしれない。ロキは人気の割に邦訳関係だと宙ぶらりん気味なので、この本で日本よ! これがロキだ!というのを見せつけて欲しいね!

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その51~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、51話。
 ディスクウォーズ最終回! アベンジャーズよ永遠に!

 かつてのロキ城での決戦、そのロキ様レリーフデザインにより、性能の恐ろしさより笑いを招いたディスク能力吸収装置がまさかの再登場! ドルマムゥのパワーを完全吸収成功!
 「邪悪な力や借り物の力では真の高みに到達出来ない」との言を認めつつの「恵まれし者」の理屈への拒否。ディスクウォーズでの設定はともかく、ロキは霜の巨人の王の子として生まれた時点で、小柄である事を恥じた親が監禁。オーディンに保護され息子となっても、ソーの英雄的基質と恵まれた体躯には勝てず。アスガルドに馴染めぬまま孤独を抱え、ソーや他の神々との差を埋めるために学んだ物は、神どころか人も忌避する黒魔術。そりゃあねえ、邪悪な力や借り物の力でのし上がってきた以上、否定は出来ねえよ。
 ただ、だからと言って、悪いことをしても良いというわけではなく。絆の力も、言い換えれば借り物という表現に近くなり。要は力の使い方と出し方、その目が何を見ているかなんでしょうね。ロキの場合、結局は甘ったれ(アイアンマン談)なわけで。
 でも、ロキが一瞬絆やこの理屈を認めたことが、最後のセレブレティ5復活に関わっている気がするぜ。悪魔にだって、友情はあるんだぜ?

 過程と内実はともかく、今までのボスヴィラン以上の実力を見せるロキ。だがロキが力を出せば出すほど、揺るがぬヒーロー達の力も引き出されていく! 
 復活のバイオコード、最終回までために溜めた、ビルドアップパーツによる必殺技の一斉発射。ブラック・ウィドウとホークアイとジャイアントマンによる援護に、まさかのアイアンマンローリングクラッシュ!(東映風)。いやね、もうこの時点で燃えてしょうがないですよ。今ある物を出しきる姿勢もそうですが、ロキにダメージが蓄積しているのもいい。あんまりに効かないと、絶望感以上に萎えてきますしね。えー、コイツ強すぎない? 今までの敵ってなんだったん?みたいな感じで。あと最終回でこの流れの場合、かなり高確率で最後ポックリとの擬音が似合う一撃死になりますし……。それはそれで困る。

 大ダメージを負ったロキと、それ以上のダメージを負ったアイアンマン。両者、後一撃。もはやヒーロー側に手駒は……と思ったら、まさかのシルバー・サムライ&マンダリン、亜細亜巨悪コンビ参戦! 見ているか、ミゲルにハイネ。お前達CV西川貴教キャラも生き残れるし、こうして最終決戦にも参加できるんだ。このシークレット参戦に関しては、TMR公式も秘密にしていたようですね。公開されていたら、話題にはなっていただろうけど、サプライズ感は瓶のカスを集めて作ったインスタントコーヒーぐらいに薄まっていた筈。マンダリンもまた、先週辺りでもう出るトコ無いな!というのが多勢の声だったので、これまたサプライズ感満載。「お前を倒すのは私だ!」この直球な展開が、興奮でコブシを握る手の力を、強くしてくれる……!

 ヒーロー達とヴィラン勢で出し尽くしたと思ったか? 残念、まだまだいるぜ! ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー復帰! スパイダーマン到着! そしてブレイドまで登場! 頼れる援軍だけでなく、アキラのジェットブーツも久々に出番が。自らの選択が間違っていなかったというシルバー・サムライの確信も含め、序盤の誕生日回やシルバー・サムライ登場回からのネタも。戦力だけでなく、今までのネタも総結集! 更に更にの裏ワザ、アルティメット・ユニビーム! コマンド技としてリザード戦で出てきたこの技も、今まで積み重ねてきた物、開発してきた物の一つ。クライマックスってえのは、ただみんな集まるから盛り上がるわけじゃねえ。こうして作品のすべてを拾い集めて、思いもよらぬ配置をするから盛り上がるのよ! 起承転結、一年続いた全ての起承転を集めての見事な結よ!
 X―MEN? ほら彼らはミュータント関係の話で忙しいし、多分今頃エジプトとか宇宙三大帝国のどこかで戦ってるんじゃないですかね。デッドプール? アイツは十中八九、視聴者としてテレビ観てるんじゃねえかな。きっと、スパイディに黄色い声上げてるよ! CV子安で!

 ロキ最後の悪あがきを潰し、再びヒーローとアキラ達は別れることに。だが、ついこの間の別れと違うのは、アキラ達にバイオコードと共に記憶がまだあること。涙があっても、終わりでなければ、笑顔でいれる。現に、最後のシーンは、続く世界を予期させる物でした。マンダリンもシルバー・サムライも改心したわけではなく、未だ未登場のヴィランやヒーローも多い。それに何より、ロキは一億倍の借りを返すために本当に帰って来る男。いやあ、最終回なのに、わくわくさせてくれるのはズルいね!
 これにて、ヒーローと子供達の戦いと絆を描いた、ディスクウォーズ:アベンジャーズは終了。一年間、ブレなかったテーマに、日本とアメリカの融合による新たな可能性、間口を広げることへの挑戦。楽しみつつ、様々な事を学ばせていただきました。謎の脚本家から信頼の出来る謎の脚本家になったキング・リュウ氏を初め、スタッフ関係者の皆様には多大なる感謝を。実に、素晴らしい名作でした!

 最後のコラムは、これしか無いだろう!なアベンジャーズで! 先週マンダリンを紹介してなかったら、ひょっとしたらマンダリンだったかも……。それはそれで、ウチらしいと言えなくもないですが! 今回で感想も終わりですが、紹介できなかったキャラへの言及や、一年を通しての総括は、改めてやる予定です。

 

アベンジャーズ

アベンジャーズ

 地上で生きる雷神ソーを付け狙う邪悪の神ロキ。ロキが見出したのは、ソーに負けぬ力を持つ男、ハルクであった。ロキはハルクに罪を着せ、ハルクの無実を信じる親友リック・ジョーンズが発した救難信号に干渉し、救難信号を無理やりソーの元へ届ける。

「この通信は、ソーを呼んでいるのか? ハルクが関わっているなら一大事だぞ……」

 これでハルクVSロキは開戦間近だ。ほくそ笑むロキ。だが、ロキの策略により拡散された声は、思いもよらぬ人間の元にも届いていた。

「アントマン、待って!」
「なあ、ジャン。出勤の度におしろいをはたくのは止めてくれ」

「ハルクが噂通りの怪物ならば、アイアンマンとどちらが強いのか、これでハッキリするぞ!」

 リック・ジョーンズが救難信号を出したのは、当時既に著名なヒーローチームとして活動していたファンタスティック・フォー。ロキの妨害により電波が乱れたものの、なんとかリックはファンタスティック・フォーのリーダーであるMrファンタスティック(リード・リチャーズ)との交信に成功。自分達が他の事件で手一杯であることと共に、計算の結果を告げる。自分達の代わりとなる者達が、君の声を聞いたと。
 半信半疑なリックの元に現れる、力ある者ことソー。だが現れたのは、彼だけではない。

最先端の科学の使徒アイアンマン(トニー・スターク)
ピム粒子による縮小化とアリとの交信を武器とするアントマン(ハンク・ピム)
アントマンの相棒にして、縮小化と飛行能力を持つワスプ(ジャネット・ヴァン・ダイン)

アベンジャーズ 第一話

 当時、最前線で活躍していたヒーローが集結。ロキに乱された救難信号は、それぞれ独自に活動していたヒーロー達の元にも届いてしまっていたのだ。最初は誤解したままハルクと戦ってしまったヒーロー達だが、別行動を取ったソーがロキの奸計を暴き、当人を連行。ハルクとも和解を果たした最強のヒーロー連合は、最後の悪あがきを見せたロキを策略ごと粉砕する。これで終わった。解散直前、アントマンが突如声を上げる。

「待った! いくら何でもこれでおしまいはないだろ。僕らの提案を聞いてくれ!」

 アントマンの提案は、異なる力の結集。新たなるヒーローチームを作ることだった。アイアンマンもソーもハルクも賛同。だが、チームを作るとなるとチーム名が必要となる。

「強そうな名前がいいわね! そう、アベンジャーズとか!」

 正当なる復讐。正義のための報復、Avenge。ワスプが提案したチーム名に、他のヒーローも賛同する。こうして、史上最強のヒーローチーム、アベンジャーズは誕生した。
 だがアベンジャーズ結成の次の話、アベンジャーズ第二話にて、変身怪人スペース・ファントムに陥れられた結果、ハルクは脱退。アイアンマンが後のイメージカラーともなる赤と金のスーツにバージョンアップ、アントマンが自身の力不足を痛感し、巨大化能力を持つジャイアントマンへの変身を遂げるものの、ハルクの後釜となるヒーローが加入することは無かった。
 初の追加メンバーは第四話。当時アベンジャーズと敵対し、王国を破壊した人類に怒りを燃やすアトランティスの皇子ネイモア・ザ・サブマリナーを追跡していたアベンジャーズは、海を漂う仮死状態の人間を発見する。彼こそが、ファースト・アベンジャー、キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)だった。

アベンジャーズ第三話

 キャップは戦時中、バロン・ジモの策略により、氷河の海に落下し凍りづけに。数十年間エスキモーに凍れる神として崇められていたが、アベンジャーズに負けてイラついていたネイモアが、エスキモーを蹴散らし氷漬けのキャップを海に投擲。氷が溶けて漂流していた所を運良くアベンジャーズに拾われたという流れになる。つまり、アベンジャーズが居なければ、キャップはずっと氷漬けで、エスキモーに祀られたままだっただろう。
 蘇ったキャップは、ネイモアの復讐により窮地に陥ったアベンジャーズを支援。蘇ったアベンジャーズがネイモアとの戦いを終えた後、キャップは正式にアベンジャーズに加入することとなった。

※アベンジャーズ誕生、キャプテン・アメリカ参加のエピソードは邦訳アベンジャーズ:ハルク・ウェーブ!に収録。

 この後、アベンジャーズは様々なヒーローが加入し、大所帯となっていく。ホークアイ、ブラック・ウィドウ、ブラックパンサー、ファルコン……。時代の移り変わりにより、ルーク・ケイジやアイアンフィストにウルヴァリンのような、ストリートやアウトローの気配を漂わせるヒーローや、外より協力してきたドクター・ストレンジやスパイダーマンも正式に加入した。
 だが、加入の裏で、数多くの離脱劇もあった。まず自身の生活を取り戻すため、ワスプとハンク・ピムが脱退。後に戻ってくるものの、様々な重圧に敗けたハンク・ピムが精神衰弱。やがて、チームを追い出されてしまった。時期によっては、創設メンバー全員が抜けてしまった事もあり、多数の戦死者と大きな被害を招いてしまった結果、アベンジャーズ自体が解体消滅していた期間もある。
 ただ、アベンジャーズは、本体となるチームだけでなく、数多くの派生チームを生み出してきた。正式な支局から、アベンジャーズに憧れただけのチームまで。
 代表的な物としてはアベンジャーズ西海岸支局として作られたウェスト・コースト・アベンジャーズ。ホークアイと彼の妻であったモッキンバードが派遣され、スカーレット・ウィッチやムーンナイト、アイアンマンも含め様々なヒーローが所属協力した。

ウェスト・コースト・アベンジャーズ

 最初アベンジャーズの支部を自称していただけの非公認チームだったものの、冷笑や嘲笑に耐え抜き、やがて本物のヒーローとなった最高のC級チーム、グレイト・レイクス・アベンジャーズ。なお、GLAはウェスト・コースト・アベンジャーズ誌でデビューしており、グラビトンのような強敵に悩まされるウェスト・コースト・アベンジャーズを支援したり、方向性の違いから脱退してきたホークアイが一時GLAに加入したりと、何かとウェスト・コースト・アベンジャーズと縁が深い。

グレート・レイクス・アベンジャーズ

 アベンジャーズの名称は、ベテランヒーローだけでなく、子供と呼んでも差し支えない少年達が冠する事もあった。
 起こりうる未来を防ぐため、未来人アイアンラッドにより結成された、次世代の若者たちのチーム。ヤング・アベンジャーズ。消滅したはずのスカーレット・ウィッチが産んだ双子の転生体と囁かれるウィッカン(魔法使い)とスピード(超高速能力)。ホークアイの名と弓を継いだ二代目ホークアイのケイト・ビショップと、本家メンバーを連想させる者が多い。

ヤングアベンジャーズ

 ノーマン・オズボーン(グリーンゴブリン)により、次世代のレッド・スカルとして運命や能力を歪められた少年少女、アベンジャーズ・アカデミー。オズボーンの支配より抜け出た彼らが道を踏み外さないよう、教育の必要がある。数多くのヒーローが非常勤講師として学園に来訪。常勤講師として選ばれたヒーローは、ハンク・ピム、スピードボール、クイックシルバー。道を踏み外した事があり、その辛さが分かっているヒーローであった。

アベンジャーズアカデミー

 アベンジャーズにとって最も辛い期間は、かの戦争より後の時期だろう。ヒーロー同士の内戦、シビル・ウォーの結果、レジスタンスであるニューアベンジャーズと国よりの支援を受けているマイティアベンジャーズ、二つのアベンジャーズが生まれることとなった。

ニューアベンジャーズ

マイティ・アベンジャーズ

 キャプテン・アメリカの死、トニー・スタークの更迭……ヒーローの権威失墜の隙を突き、ノーマン・オズボーンが権力を掌握。トニー・スタークより摂取したスーツを着たオズーボーンに、ホークアイを名乗る百発百中の射手ブルズアイ、スパイダーマンに化けたヴェノム、本物のヒーローでありながら耐え切れない暗黒面を抱えているセントリー、偽者と危険人物ばかりの公式品、最悪のアベンジャーズことダーク・アベンジャーズは、いいように国や超人界隈を引っ掻き回した。前述のアベンジャーズ・アカデミーもこの一環である。

ダークアベンジャーズ

 オズボーン政権は、他のヴィランとの権力争いやアベンジャーズ:レジスタンスのようなヒーローの抵抗により失墜。起死回生の策として神々の国アスガルドへの侵攻を目論むが、孤軍奮闘のソーの元に駆けつける、蘇ったスティーブ・ロジャースと座を継いでいたバッキー・バーンズのダブルキャプテン・アメリカ。全てを失った状態から再起を果たしたアイアンマン。数多のヒーローが一挙集結し、ダーク・アベンジャーズとオズボーンを打ち砕いた。
 アベンジャーズは、こうして再び一つとなったのだ。

再結成 アベンジャーズ

 2015年3月現在、邦訳として発売されているストーリーはここまで。だが既に、物語は向こうで進んでいる。この後も、趣きやメンバーを変えた帰省のアベンジャーズや新生アベンジャーズ、更にはダーク・アベンジャーズすら復活を果たしている。更に言うと、今現在のヒーロー界隈は、世界や次元の崩壊を目の前に、シビル・ウォー以上の混沌と化している。唯我独尊への酔を極めたアイアンマン、超人血清の不老が切れファルコンに代替わりしたキャプテン・アメリカ、新たにムジョルニアを手にした謎の女ソー、今の極まった状態も全て飲み込まれていくだろう。

アベンジャーズ ナウ

シークレット・ウォーズ(2015)

 混沌の現状、唯一ハッキリしているのは、ディスク・ウォーズ:アベンジャーズにおけるアベンジャーズ。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ソー、ハルク、ワスプ。彼らが映画アベンジャーズの面々と同じく、全く新しいアベンジャーズとして、多くの人々の心に深く刻まれたという事だ。

アベンジャーズ(ディスクウォーズ)

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その50~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ、50話。
 最終決戦開幕! 押し寄せる悪意、思いもよらぬ結末とは!

 大火力のウォーマシン。空を駆けまわるファルコンとノバ。久々のタッグで名を売ろうとするパワーマン&アイアンフィスト。ビブラニウムを誇るブラックパンサー。ハンク・ピムの知力と戦力としてのジャイアントマンの両立。光の結界でヘリキャリアーを包むドクター・ストレンジ。我らセカンドヒーロー、ここにあり!
 欠席期間が長かったウォーマシンやドクター・ストレンジだけでなく、他のヒーロー達の設定も補完。パワーマンとアイアンフィストと言えば、名を売らなければ食っていけねえ雇われヒーローチーム、ヒーローズ・フォー・ハイヤー! ワガンダ原産な不思議金属ビブラニウムをスーツにたんまり使っているのは、世界最高のビブラニウムの権威ブラックパンサー! 登場回や話の都合で入れられなかった設定を、話を壊すこと無くさらりと挿入。夕方6時半のアニメとしては、やはりこれぐらいのバランス感覚がベストなのではとは思うのですよ。程よいこだわりは元ネタへの敬意でもあり、くすぐられる物です。

 レッド・スカル、ウルトロン、ドルマムゥ……ディスクウォーズに出た大物ヴィランだけでなく、未出演の大物を含め比較してみても、このクラスで他人に腰を低くすることが出来るのはロキ様ぐらいだと思うのですよ。ひとまず同盟を組めたり、絶対的な力に従うヴィランは多いですが、「本気で従っているのかどうか分からず、黒幕どころか読者や視聴者ですら見抜ききれない」程、幅広く上手く従うことが出来るヴィランの極地ではないかと。本気で裏切らなかったり、あまりの自体にヒーロー側に転がる事もありますしねえ。
 ちなみに、腰が低いと言うのは貶し言葉ではなく、褒め言葉です。自分が嘘を付く存在であり、他人に従える存在であることの自覚って、これ一つの武器ですよ。まあロキの場合、自分が絶対的に優れている者であると確信しているからこそ、神でありながら他人の靴を舐めにかかれるワケですが。もう少しマシな理由で辛酸を嘗める事が出来るなら、ロキの不屈さと根気は、下手すりゃアベンジャーズ以上の主人公適正だろうに。

 ロキ様、人を騙す事への自覚はあっても、自分が騙される事には慣れてねえというか想定外なんだよ! そして、アキラ達はほぼ一年ロキとやり合うことで対ロキのエキスパートになっているというね! なんでお前、アイアンマンスーツしっかり着込んでるねん! 「卑怯者め!」小物の特大ブーメランか!という笑いどころはさておいて、真面目に考察すると……ロキの虚言は、相手が多数であればあるほど機能するので、組織であるSHIELDはむしろ得意な相手。かと言って、一人なら一人で、周りから孤立させられるハメになる。つまり、ロキのやり口を全員知っている上に、揺らがぬほどの信頼関係がある少人数の集団が対ロキには最良であり。うむ、アキラ達、完璧な対ロキ特化チームだ。つーかSHIELDって、ロキが属する魔法関係にゃあハナから弱いからなあ。それは、別部署の担当だ。
 しかし今回、本人なんもしてないどころかむしろ頑張っているのに「口出ししてきて邪魔」「絶対負けを認めない」「むしろテーブルをひっくり返す」と、トニー・スタークの株が落ちてきているのはなんでだろう。これはアレか、先週上げた株価が純正価格に戻ろうとしているだけか(酷

 お前ら、待たせたな! 現れたのはミラノ号、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー再登場! えーと、確か30回ばかし宇宙でダンスバトルしてきたとかどうとか……。頼れる援軍とヒーロー達の総力により、ダークディメンションを封じ、ドルマムゥを引きずり出すことにも成功! よし、次回最終回への布石は打たれた……からのロキ様下克上! まさかのラスボス化! ええ、リアルタイムでTwitterの実況を聞いていましたが「まさか!」「ロキやりやがったな!」とTLが驚愕まみれでしたね。一度ボスを務めていたこともありラスボス化は予想していなかった、見え隠れしていたドルマムゥへの不満も最後の最後で裏切ってヒーロー側に加勢する布石だと思われていたのではないでしょうか? ついに来週はディスクウォーズ最終回、小物の花道、最終決戦から目が放せませぬ。「勝ち目キター!」「あれ? ロキラスボス? 勝てるんじゃね」みたいな呟きもTLで乱舞していたのは内緒だ!

 今日の紹介は、マンダリンで。いや今回出てないじゃんとお思いでしょうが、既に最終回の紹介キャラは内定済み。今回の話は、基本新キャラ居なかったよね!?ということで自由枠状態。というわけで、今まで紹介していなかったキャラからマンダリンを選択。登場回をノバの紹介に使ってしまった結果、触れてなかったんですよねー……。
 そしてマンダリンの紹介を全文書いて、見直す段階で「あれ? 今日登場してセカンドヒーローなウォーマシンも書いたことなくない?」と気づくオチ。ええい、今日はもうマンダリンで行くぞ!

マンダリン

マンダリンⅡ

 かつて、中華人民共和国にて巻き起こった粛清と破壊の嵐こと文化大革命。様々な人々が財産や命を奪われる中、とある過程の男児もまた、裕福な家庭に産まれながら全てを失ってしまった。行くあてもなく彷徨い成長した彼が辿り着いたのは、龍が棲まうと言われる深遠の秘境、精霊の谷であった。秘境に足を踏み入れた彼が見つけたのは、壊れた宇宙船。この地に住むと言われていた龍の正体は異星人マクルアン人、フィン・ファン・フームとその仲間たちであった。男は宇宙船よりマクルアン人の超科学を回収、その中でも最も不可思議な能力を持つ10の指輪。一つだけでも所有者に多大な能力を与える指輪を、全て自身で装着してしまう。
 謎の科学と10の特殊能力を持つ、自称チンギス・ハーン直系の子孫、怪人マンダリンが中国だけでなく、世界をも脅かすようになるのはその後の事である。中国で勢力を伸ばしつつ、テロリストを支援することで世界各地に食指を動かす。やがて優れたテクノロジーを持つ最強の男が、世界を征する。マンダリンの夢想を打ち砕いたのは、東洋でなく西欧の男。自身に負けぬテクノロジーを独力で開発した鉄の男、アイアンマンであった。

マンダリン 初登場

 トニー・スタークは、戦場にてテロにあうことにより武器商人たる自身の過ちを反省、正義のヒーローであるアイアンマンとしての活動を始めることになるが、実はこのテロリストの支援者はマンダリンであった。彼の野望を打ち砕いたのは、自身の策略が遠因だったのだ。マンダリンは以後、精霊の谷を本拠地とし、アイアンマンやアベンジャーズとの戦いを繰り広げることとなる。
 マンダリンが装備した指輪が彼から外れることは無かったが、死亡したと目されていた一時期はマンダリンの両手を切り落とすことにより、非嫡出子の息子テムジンが継承。テムジンもやがて自身の指に指輪をはめるが、テムジンの手もまた切り落とされてしまった。指輪は復活したマンダリンが回収。バイオアームで両手を取り戻すが、なんと彼は指輪を脊椎に融合させてしまう。

マンダリンⅠ

 指輪を体内に仕舞いこんだマンダリンは、憎きアイアンマンと再度対決するが敗北。指輪を引きぬかれ、結局元の形に戻ってしまう。その後も戦いは続き、再びマンダリンは死亡したが、今度は指輪を継承した10人の能力者、マンダリン10が出現。アイアンマンを別の形で苦しめることとなる。

 マンダリンの能力は、それぞれが能力者を作り出すほどの、10の指輪にある。以下がその能力の内訳である。

 絶対零度氷の力。アイスビームを発することが出来る。
 暗闇の力により、辺りを暗黒で包み込む。
 精神操作。他人の心をテレパシーで操る。
 分解光線で物質を原子レベルで崩壊させる。
 電撃を放ち、放電することも出来る。
 風の力。敵を吹き飛ばすだけでなく、自身の飛行も可能。
 火炎放射。その温度は、鉄をも溶かす。
 音波や電磁波、波のつく物なら大抵変換できる衝撃波。
 白熱の力と呼ばれるビームを放つ事が出来る。
 分子操作。形を変えるまでには至らないが、分子より物体を変質変換出来る。

 どの能力も、一つで天下が取れそうな能力である。マンダリンは瞑想や修行で、リングの効果を最大限発揮できるように鍛えており、孫子を始めとした兵法を熟知。超人には及ばないものの、武道家としても一線級である。なお、超硬度を持つ指輪つきパンチの威力は特殊能力として筆記されることもあるぐらいに強い。指輪の都合でパンチ攻撃を控えていた仮面ライダーもいるんですよ!?
 ここまで使っていた画像やディスクウォーズのマンダリンを見ていて気づいている人もいるだろうが、実はマンダリンの外見はアイアンマンスーツのアップグレード並にコロコロ変わっている。
 まずはフー・マンチューを連想させる妖しき東洋人デザイン。

初期マンダリン

東洋の怪人マンダリン

 近年のアニメでは、アイアンマンとの対立構造をくっきりさせるためもあってか、フルアーマーとしての洗練された姿を見せる機会も多い。

アニメ仕様マンダリン

 これに加え、上記のスーツ着用や武道家らしい上半身裸の姿。中国伝来の鎧を付けた姿などもある。鎧に関しては、一時期恐ろしく攻め気な時期もあったが。

マンダリン(攻めすぎ

 かの映画アイアンマンにも第一作のヴィラン候補として名前が挙がっていたが、いきなり魔術魔法の域に達しているヴィランというのは世界観的にどうなんだろうか?という事もあり、お蔵入りに。ただし、テロリストとしてテン・リングス(10の指輪)が登場。トニー・スタークを捕縛したテン・リングスの構成員は、前述したテムジンに似た男であった。
 映画アイアンマンへのマンダリン登場は、魔術魔法もある神の映画マイティ・ソーとアベンジャーズを経由したアイアンマン3まで待つことになる。

劇場版マンダリン

 テン・リングスの首領として満を持して世界に宣戦布告をしたマンダリンだが、その正体はある意味とんでもない物であった。総集合映画はともかく、アイアンマンの映画に魔術魔法を持ち込むのはやはり難しかったのか、それとも全力で逆手に取ってくれたのか。余談ではあるが、ゲームレゴマーベルにて原作版のマンダリンと映画版のマンダリンがプレイアブルキャラとして同時に参戦。原作版は多彩な能力を持っているが、映画版はメイおばさんと並ぶ無能力者と、たんなるイメチェンでは終わらない分かっている仕様である。
 未だに本名すら分からない、謎の男マンダリン。ただ、自身がチンギス・ハーンの末裔であり、元々高貴な出自であることは普段より吹聴している。だがしかし、マンダリンの自伝映画を(無理やり)作るよう依頼された映画関係者が矛盾に気づき調べた所、阿片や魔窟に売春婦と言った、刺激的な単語が散乱する出自が浮き出てきてしまった。どうもマンダリンは自身に精神操作の指輪を使うことで、過去の記憶を塗り替えてしまったらしい。強大な力を持つヴィランの、人間らしい弱さを感じさせる逸話である。