アメコミ放談~ゲーム:レゴマーベル~

ふじい(以下F)「今日のテーマはレゴ マーベル スーパーヒーローズ ザ・ゲーム! 略してレゴマーベル!」

サイレン(以下S)「アメコミというより、ゲームだなあ」

F「オレちゃん、アメコミゲーム大好き!ということで、待ちに待ってたコイツを紹介! 日本語版が出るよ! 日本で発売されるよ!と聞いてから、数ヶ月ずっと待ってたからね。その結果、単なる翻訳だけで終わらず、フルボイスCV化! アイアンマンの藤原啓治さんを始めとした、映画やアニメでのCV担当者も一挙集結!」

S「そいつぁ豪華だな」

F「だいたいの洋ゲーが字幕でのローカライズと考えると、フルボイスの吹き替えは貴重よ? PS3のアメイジング・スパイダーマン2は字幕だったけど、あっちはあっちで、収録のおまけコミックス十数冊を全部邦訳してたからね。ローカライズとは単に言語を変えるのではなく、その国に作品を根付かせるための大事な作業です」

S「架け橋を作るには言語だけでなく文化の相互理解も必要ってことか。で、肝心のゲーム内容は? レゴゲーはハイクオリティだと、常日頃から言っていた気がするが」

F「ああ。レゴゲーは、レゴという枠を最大限に利用して、インディジョーンズや指輪物語やスター・ウォーズのゲーム化で築いた技術を継承し続けてるからな。今回のレゴマーベルにあるオープンフィールド制だって、元はレゴバットマン2でのゴッサム・シティから来ているものよ? バットマンの技術が、アベンジャーズに!」

S「言葉にすると、すごい流れだ……」

F「オープンフィールド制の流れが出たので、本編に。レゴマーベルは、ステージ制のストーリーモード、合間合間にオープンフィールドでの移動を挟んだ感じになってるね。オープンフィールドの舞台はニューヨークの街。自由の女神を初めとした、現実にある施設に加え、アベンジャーズマンションや恵まれし子らの学園といったマーベル世界の建造物をレゴで再現! イベント盛り沢山なレゴの大地を、好き勝手に駆け回れ! ただし……」

S「ただし?」

F「理由は後で言うけど、オープンフィールドを本格的に楽しむのは、ストーリーモードをクリアした後の方がいいかも。一度クリアすると、各ステージのフリープレイや、いくつかのイベントが解禁されるしねー。そしてまあ、キャラゲーである以上、ストーリーとキャラクター数は大事」

“宇宙よりの飛来者、シルバーサーファー。ドクター・ドゥームに攻撃された彼は、強大な力を持つコズミックブロックを飛散させてしまう。ドゥーム、ロキ、マグニートーら結託するヴィランを倒すため、アベンジャーズ、X-MEN、ファンタスティック・フォーが一挙集結! 戦え、ヒーロー達!“

S「おお。ファンタスティック・フォーも出るんだ」

F「そりゃあ有名チームだし、出るだろ普通」

S「いやまあ、素人目にもファンタスティック・フォー周りは最近難しいことになってるなあと思ってたんで。映画とか制作会社とか権利とか」

F「それを言ったら、X-MENも結構……。小難しい話は置いておくとして、数百人のヒーロー&ヴィランが一挙集結! しかも全員、プレイアブルと来たもんだ!」

S「マジで!? アベンジャーズもX-MENのメンバーも結構出てくるん?」

F「アイアンマンを始めとした映画のメンツだけでなく、注目株のアントマンにシーハルクやスパイダーウーマンにミズ・マーベルのアベンジャーズ三大女傑も参戦! X-MENもサイクロップスやジーン・グレイが懐かしの90年代、マブカプ時代の衣装で参戦! 互いのメインメンバーと呼ばれる馴染みのメンツは、全員出ていると言っても過言ではなく!」

S「当然ヴィランも、セイバートゥースやジャガーノートが出てくるんだな!」

F「あったりめえよ! 宇宙のはみ出し者、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー! デアデビルやパワーマンのようなストリート系ヒーロー! スパイダーマン関連ならヴェノムやカーネイジどころかMJやグゥエン・ステイシーまで! ブレイドにパニッシャーにゴースト・ライダーといったダークヒーローでも手抜かりなく! デッドプール、ハワード・ザ・ダック、スクイールガール、スタン・リーのような隠し球も」

S「一旦ちょっと待て! デッドプールはともかくとして、アヒルやリス、出てるの?」

F「そりゃおめえ、映画化スターと単独個人誌ゲットなヒロインですよ? ハワード・ザ・ダックはパニッシャーあたりの上位置換だし、スクイールガールは必殺リス結界で一気に周囲をリスまみれにして広範囲を一撃粉砕! ところで、スタン・リーはいいのか」

S「あのお爺ちゃん、何処にでもいるし……」

F「スタン・リー自体、収集要素だからな。うっかり変なもの飲んでハルク化したり、食虫植物に捕まってたり、エンパイヤステートビルでゴリラに襲われたりしているスタン・リーを助けよう!」

S「おじーちゃーん!?」

F「どのキャラにも個性があって、例えば飛行や巨大レゴ特有の怪力や磁力操作なんかで、トラップを回避したり仕掛けを動かすことが出来る。投技なんかは糸で相手を縛り上げるスパイダーマンやビターンビターン!のハルクに相手のヒザを撃ちぬくパニッシャーと、千差万別。かちゃかちゃやって街をフラフラしているだけで、面白い」

S「やっぱこの世界でもパニッシャー容赦ねえ!」

F「レゴなので交通状況や環境問題を憂う優しめパニッシャー! でもやってることはあの交通違反や環境をぶち壊すクズ共を抹殺してやれ! 手段は問うな!なので、結局何も変わってなくね!? こんな感じで、笑いやブラックさや映画ネタなどを織り込みつつのストーリーは激しく愉快。パーティープロトコルだ!」

S「ジャンルとしてはアクションだよな。難易度的にはどんな感じかね」

F「ほぼ残機無限な状態だし、むしろこの仕掛をどう突破しよう!?みたいな、頭を使う場面が多い。ステージに関しては、アクションパズルかねえ。オープンフィールドのクエストでは、乗り物レースや飛行競争のようにアクションの腕前も問われるけど」

S「普通にクリアするぶんには、頭の柔らかさや閃きさえあればどーとでもなるわけだな」

F「幅広い年齢層に愛されているゲームだしねえ。最後に前述したことにも関連して、プレイする人に向けてのアドバイスが一つある」

 最初のプレイで、仕掛けは全部解けない!

F「これ、大事。最初は直進路の仕掛けだけを解いてく感じで。だってさあ、ステージプレイの最初は、基本キャラクター固定なんだぜ? その状況で、スタン・リーが磁力ブロックに監禁されてたり、特定の攻撃でしか破壊できない檻に閉じ込められていても、手の出しようがなく」

S「スタン・リーだけを殺す機械かよ!?」

F「マグニートーが使用できるようになれば磁力ブロックはどうにかできるし、一度クリアしてしまえば、適時その場でキャラクターを入れ替えることも出来るようになる。要は、最初こだわりすぎず、まずクリアしてみようと。やり込みや脇道の謎は、それから挑めばいい」

S「なるほど。現状できない物に対してこだわりすぎて、後々判明ってのは、ダメージデカそうだ」

F「頭の体操をしつつ、様々なキャラや乗り物に乗って街を駆け回ろう! 基本、二人一組で動くので、ミスター・ファンタスティックとドクター・ドゥームの旧友コンビで街を適当に回ってみる、ウルヴァリンとジーン・グレイの二人で色々複雑なデート気分、デッドプール&タスクマスターでゴリラとライオンに乗ったままNYで好き放題暴れてもよし! レゴという自由な素材で造られた自由なゲーム、定められているのは楽しむことのみ!」

S「乗り物、ライオン……乗り物、ゴリラ……!?」

レゴ バットマン3 ザ・ゲーム ゴッサムから宇宙へ

F「そしてレゴマーベルの次は、レゴバットマン3と。レゴマーベルの技術経験が、こうして継がれていくわけだよ」

S「MarvelとDCの相互成長。繋ぎとしてのレゴ、ホントに凄いな」

日々雑談~1759~

 公開当時、観に行った人の絶賛が多かったものの、スケジュールが合わず行けなかったLEGOムービーを視聴。あー……なんでもっと早く観なかったかなあ……というか、なんで当時劇場に行かなかったんだ俺!? 過去の自分を理不尽に責めるぐらいに、この映画スゲエわ。想定予測の飛び越え具合では、ダークナイトに比肩すると言っても過言ではなく!

 ごく普通のレゴでありレゴの街ブロック・シティの住人である、エメット。マニュアルのまま生きる彼はある日、自らをマニュアルから踏み外すほどの魅力を持った女性ワイルドガールと出会い、彼女が求めていた伝説のパーツと融合してしまう。伝説のパーツを手にしたエメットを襲う、ブロック・シティの賢き統治者おしごと社長。良き支配者と思われていた社長の正体は、レゴ世界の完璧なる統治の為、他者を破壊し踏みにじるおしごと大王であり、伝説のパーツは彼を止めるためのアイテム。パーツを手にしたエメットは、伝説の選ばれし者だったのだ。自由にレゴを組み上げるワイルドガールらマスタービルダーと共に、エメットの冒険が始まる!

 レゴという玩具をメインとし、このストーリー。一見、子供向けに思えるでしょうが、その実、子供も大人も楽しめる骨太な映画です。ここ大事です、子供も大人も楽しめるというのが大事。鮮やかな配色、オールレゴ、爆風も水もレゴな世界観での大活劇。その実、深読みしようと思えばいくらでも出来る、自由度の高さ。更に、否定をしない作風。マニュアル人間な主人公が自由な人間と出会い変わっていくというのは良くある話、この場合どうしても自由>>マニュアルという方程式が出来がちなのですが、この作品の場合、マニュアルの大事さも説いてまして。
 少しネタバレになりますが、マスタービルダー達は以前おしごと大王を襲撃して、けちょんけちょんにやられたことがありまして。その理由は、自由すぎて連携が取れなかった事。全員が好き勝手に作れば巨大なアイテムもしっちゃかめっちゃかな物になり、ルールが無ければ誰もが好き勝手に動きまわる結果に。目的通りの物を皆で創るのには誰もが分かるマニュアルが必要であり、マニュアルは作戦行動におけるルールにもなるわけですよ。もちろん、エメットも自由を学ぶことで成長し、自由さの弱点を見極めたわけで。優劣を付けるのではなく、相互理解を目指す。この相互理解こそが、この作品の大事なテーマ。このテーマは、クライマックスそして結末にもがっつり関わってきます。
 オチを言ってしまうのは野暮の極みな映画なので、これ以上内容に関して語ることは差し控えたいのですが……序盤から薄々語られていた謎が、クライマックスで想像以上の大爆発。なぜ只のレゴなエメットが主人公なのか。なぜ敵はおしごと社長という完璧主義者の企業家なのか。伝説のパーツの役割とは。全ての謎が、怒涛のままに解消される超展開。この謎を知った上でもう一度見直すと、「ああ、この展開はおそらく……!」となることばかりなのは必須。2周め推奨な時点で、実にソフト向きな映画。特典映像の「歴史刑事ミケランジェロ&リンカーン」や「子供向けにするために映画にニンジャ追加してみた編」も素晴らしいですしね! つーか、なに新撮してるのさ!?
 玄田哲章が出ているのに、CV山寺宏一って……と言われていたバットマン。でもええ、今回のバットマンは山寺さんで良かったと思うのですよ。玄田さんの声で「ブルース・ウェイン!? なにそのイケメンそうな名前!?」言われても困りますし。いや今回バットマン、若干クズいというか公式設定でドジ呼ばわりされてますよ!? それでいて、しめるところはしめる、美味しい仕様。なーに、制作会社がグリーン・ランタン軍団に襲撃されてもおかしくない扱いな、グリーン・ランタンよりマシさ。誰かハルに恨みでもあるのか、アレw