フューチャー・アベンジャーズなコラム~その2~

 フューチャー・アベンジャーズ第2話!
 アベンジャーズVSレッドスカルの総力戦! クライマックスが重なりすぎて、第2話なのに大変だぜ!

 

マコト「主役抜きで話を進めてんじゃねえぞ!」

 馬鹿よせ止めろ! そういうメタにも解釈出来る話をしてると、赤タイツの変な傭兵がバカ歩きでやってくるぞ! アイツは映画の大ヒット以降調子乗りまくりだから、スキあらばやって来るぞ!
 カナダ産の傭兵は塩撒いて追っ払うとして、マコトの資質は近年まれに見る直情型の熱血系ですね。自分の中に、正義の芯がきっちりとあるタイプ。たとえ目的や方向を変えたとしても、当人の芯にはブレがない。これが大人なら、好漢と呼びたいねえ。いやまあ、それだとアベンジャーズ入りより、梁山泊入りを目指すことになるけどさ。

 何気に、こういうマコトのような熱血タイプの主人公って向こうだと少ないからなあ。現象や能力に理由を求める傾向もあってか、感情で動いてしまったり、損な行動を取る時も、そこにモノローグや理屈が挟まってしまうというか……熱い男や理屈抜きで動く人間はいても、たぶん日本における熱血キャラとはテイストが違うと思うのですよ。ここんとこ感覚的なので上手く説明できないのですが、個人的には熱血なキャラ造形って、日本独自の方向性があると思います。そこを踏まえて考えると、マコトのキャラもまた、海外だと日本らしさを感じつつ、新鮮味を感じる造形になっていると思います。ディスク・ウォーズのアキラも、この路線でしたね。

 

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 上記ツイートで触れられていますが、ディスク・ウォーズでのアベンジャーズ結集は9話で、フューチャー・アベンジャーズでの結集は1話と、フューチャー・アベンジャーズのペースはかなり早めです。またそれと同時に語られているのは、当時と今の違いです。実際ここは、注目すべきポイントだと思うんですよね。

 ディスク・ウォーズの放映開始は2014年。マーベルの映画だとキャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャーやガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが公開された年です。後、X-MEN:フューチャー&パストも。それから三年後の今、マーベル・シネマティック・ユニバースには多数のキャラが登場し、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーはマーベルを牽引できるレベルの人気チームに昇華、映画X-MENシリーズでもデッドプールがはみ出し者から大人気キャラに出世と、だいぶ状況は変わりました。たかが三年、されど三年。この変化を織り込むことは、大事なことです。

  

 はっはっは、レッドスカルはディスク・ウォーズの時に書いてるし、第2話にして紹介するキャラいねえやコレ!状態に。早いな、オイ! というわけで、今週はディスク・ウォーズなコラムから今日まで書いてなかった切り札の一人、アイアンマンについての話です。有名キャラであるアイアンマンは情報も解説もてんこ盛り状態なので、今回は彼の「アーマー」に絞って書いてみます。アーマーを装着する者としての、トニー・スタークの資質とはいかほどなのか。様々な言葉で語られるトニーを、アーマーを着る者という言葉のみで分析してみます。あと、自分の体調が完全ではないので、絞ることで話をシンプルに。アイアンマンについては、また別の言葉で語るかもしれません。

 しっかし、本編でレッドスカルが着ていたアーマー。スタークインダストリーの商標に引っかかりそうなアイアンスカルより、マコトが呼んでたタコチューアーマーの方がいいんじゃねえの? ……タコチューって、英語でどう訳せばいいんだろう。

 

アイアンマン

 アイアンマンとは、天才発明家にして実業家のトニー・スタークがアーマーを装着したヒーローである。だが、アーマーを装着したヒーローやヴィランは他にも沢山いる。そんなアーマーを装着&運用する上で必要な要素を、ここで挙げてみたい。

まずは知識力。アーマーを設計製造するだけの知識があるかどうか。日頃のメンテナンスや状況に合わせての開発などにも関わってくる。

次に経済力。アーマーの製造費用を用意できるか。そもそも壊れる物なので定期的に資金は必要となってくる。

最後に運用能力。アーマーの性能を引き出し、適した行動が常時取れるかどうか。

 ざっと上げると、このようになる。役割の例え方を変えると『開発者』『会社』『パイロット』ということになる。初代ガンダムで例えるなら『テム・レイ』『連邦』『アムロ・レイ』といったところだ。

 これらの能力は、すべて持ち合わせていなければいけないわけではない。現に経済力しかなかったコミックスのオバディア・ステインは、他人に開発を任せ、外部入力で装着したアイアンモンガーの運用を補っていた。映画アイアンマン2では、知識力と運用能力があるウィップラッシュと経済力を持つジャスティン・ハマーが組むことでドローン軍団と新型アーマーを作り上げた。持っていないのならば、持っている人間と手を組むか、無理やり協力させればいい。一番簡単なのは、ヒドラのような組織に属してしまうことだろう。どれか一つでもあれば、他の二つは補ってくれる。ただ、組織に頼りすぎてしまうと、もしもの時がキツい。
 例えば、最初ソ連の国策でアイアンマンに対抗するため作られたクリムゾン・ダイナモは、ソ連崩壊時にはアーマーが闇市に流れて、チンピラが銀行強盗に使うレベルにまで落ちてしまった。


 
 最もソ連崩壊の結果、冷や飯を食うハメになった連中はたくさんいるが。大国が崩壊することの恐ろしさが、ひしひしと伝わってくる現象である。

 このようにアーマーを使う大半のキャラクターは、知恵や金の無さに嘆きつつも、手持ちのカードでどうにかしようともがいている。
 だが、アイアンマンであるトニー・スタークは、アーマーを運用する上で必要な三つの要素の全てを一人で持ち合わせている。

アイアンマンのアーマーを設計した知識力に疑いはなく、新アーマーの開発もメンテナンスも独力でおこなえる。

時期によってブレはあるものの、平均して優秀な経済力。これを補佐する、組織力も政治力も軒並み高い。

多種多様なアーマーと装備を使いこなせる運用能力。現役の装着者としてトップクラスの経験。

 「アーマーがなければ、アイアンマンはただの人」と言われるが、アーマーに必要な能力をトニーは全て持っている。これら三つの能力を持っている時点で、ただの人とは呼べまい。陽気なプレイボーイという衣をまといながらも、凝り性なオタクとしての一面でアーマーを発展強化させていく。様々な自分自身を持っているのが、トニー・スタークの人としての難しさであり、そんな彼を追うことの魅力だ。

 トニーの開発力や経済力や運用能力の高さがひと目で分かるのが、映画アイアンマン3の最終決戦である。アイアンマン軍団とまで呼ばれる数のアーマーを全て独力で作り上げ、全て異なる能力を持ったアーマーを指揮しつつ、その場その場で装着運用してみせた。トニー・スタークのアーマーを使う者としての必要な能力が全て発揮された名シーンである。アイアンモンガーは過去の遺物であり、ウィップラッシュのドローン軍団もおそらく太刀打ちできない。あの瞬間、映画アイアンマンにおける歴代ヴィランは、全員トニー・スタークに完全敗北したと言ってもいいだろう。

 だが、映画ではなくコミックスにまで話を広げれば、トニー・スタークに肉薄する男がまだいるのだから、マーベルユニバースは広い。
 アイアンマンと同レベルのアーマーを独力で作り上げ、国王としての財力や権力は絶大。アーマーの運用能力も高い上に、魔術の力というトニーですら持たないスキルを持つ男。その名は、ドクター・ドゥーム。

 自身の国であるラトヴェリアを数で監視するドゥームボット軍団の勢力は、おそらくアイアンマン軍団にも負けない。互いの性格の不一致も合わせ、張り合うしか無い二人である。

 しかしそんなドゥームが紆余曲折を経て、Infamous Iron Man(悪名高きアイアンマン)としてアイアンマンの系譜に名を連ねるとは、面白い話である。手を取り合わぬ男たちの結晶体であるインファマスアイアンマンについては、別の機会に語るとしよう――