日々雑談~6722~


 そもそも、力道山が女子プロレスを嫌い、松永兄弟が男子のプロレスとは距離を取って全日本女子プロレスを運営していた段階で、一度、男子のプロレスと女子プロレスは大本から別れているのよね。だいたいどの国でも男子のプロレスのおまけとしてあったのが女子プロレスだったので、女子プロレスが団体として独立独歩の道を歩んでいた日本はむしろ珍しいケース。力道山はアメリカのプロレスが源流にあるけど、松永兄弟の源流は柔道とボクシングの異種格闘技戦で人気を博した柔拳興行なので、技術大系や主義思想もまったく違う。
 後に、山本小鉄ら男子レスラーをコーチとして招いたジャパン女子プロレスや、大仁田厚が設立したインディー団体の魁であるFMWの女子部から、女子プロレスに男子の技術も伝わっていくものの、腕のとり方一つとっても違ったとか。

 今はもう、技術交流も頻繁で、男子対女子のミクスドマッチも珍しい試合ではなくなったけど、それでもやはり男子と女子、それぞれの先頭を走る新日本プロレスとスターダムが同時にブシロードの傘下に入ったってのはビックリです。歴史で言うなら、幕府設立……むしろそれぞれ違う権威と権力を持っていた、公家と武家の合体、公武合体クラスの事件か……?

 スポンサーとフロントら裏方、レスラーという表方。儲かりすぎたりもしくは儲からなかったりすると、だいたい裏方と表方がトラブルになって大惨事となっていたのがプロレス業界。好調を保ちつつ、とんでもないレベルの内紛は起こってないんだから、ブシロードと新日本プロレスの関係は良好ってことよ。まあ、内紛を起こしそうなアクの強い新日本プロレス関係者が儲からない時期にいなくなったというのも……ゲフンゲフン! 
 とにかく、平穏無事なのだからそれでいい。もし関係が悪かったら、ブシロードももう一つプロレス団体を傘下に入れるという決断はしていなかったでしょうしね。おそらく内部的にもよい関係を築けているはず。

 三社が手を結び、いい方向に転がってくれるといいんだけどねえ。こういう状況で、不安より期待のほうがでっかいのはありがたい。