2016年デッドプール伝説~映画編~

ふじい(以下F)「2017年、あけましておめでとうございます! ちょっと遅れちゃったけどね!」

サイレン(以下S)「おめでとう。とは言え、俺とお前さんは大晦日仲間内で集まって年越してたから、改めて言われてもって感じだな」

F「ああ。大晦日、周りが年齢相応に家とかローンの話をしている中、お前だけ蝶野正洋にビンタされそうになっている山崎邦正見て、ゲラゲラ笑ってたよね。なんつーか、お前見てると安心するわー」

S「いきなり何見下してやがるテメエ」

F「みんながゴルフ初めて、打ちっぱなしに通っている話をしている中、リアルタイムでガチャの打ちっぱなしをしているというのも中々にロックだと思うの。それはそれとして、2016年の話、2016年のアメコミの話ですよ。いやほらこのサイト、アメコミ系サイトとしての側面も強いわけですし?」

S「ここ最近、FGOとゴリラの話がメインだったけど。むしろアンタ、FGOとゴリラを悪魔合体させたよな?」

F「アメコミと言えばゴリラであり、つまりゴリラはアメコミで、何ら問題ない。つーかほら、絶対需要被ってるし」

S「適当なこと言ってんじゃねえと言い切れないのがまた」

F「まあなんだかんだで、2016年のアメコミは熱かったね! どうせだからさ、当サイトでも2016年のMVPとなるキャラを決めようじゃないか。投票とかそういうのは無しで、あくまで個人的に。あえて言うなら、肉雑炊賞。じゃあさっくり発表しちまうか。2016年の主役となったキャラクターは……マーベル・コミックのデッドプール! おめでとう! はい、拍手!」

映画デッドプール はじまるヨ!

S「…………」

F「お前、なんで黙ってるの? ここは、わかってた!とかやっぱな!とか、そうやってツッコミ入れるトコじゃないかな! もしくはズコーッ!って派手にコケてみたり!」

S「いや。俺、今回犬溶接マンかなーって思ってたから」

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F「それでもいいんだけどね!? 確かに今年の犬溶接マンは凄かったよ。遂に“何故彼は犬を溶接するのか?”という疑問に、一つの終止符が打たれたし。しかもその答えが、神話世界に足を踏み入れつつ、ただ一人の犬溶接マンではなく、人類史に何人も居た犬溶接の戦士たちにまで話が広がっているんだから、とんでもねえよ」

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S「いやお前、いくらなんでもそれは……(当該話を借りて読んでみる)……ホントだ。ちゃんと納得できる形で、犬溶接マンの動機も歴史も纏めている」

F「なるほど。そういうことでしたか。こう納得できる時点で、ヤバい。犬溶接マン、相変わらずヤバい。でも、今回はデッドプールだ。おそらく犬溶接マンには、別の機会が待っている。というか、今年のMVPにしないのは、流石にデッドプールが可哀想すぎる。この二つのポイントを同時に成し得た年って、たぶんこれから先も無いからな!?」

・主演映画の大ヒット

・コミックスにおけるキャラポジションの進化

S「主演映画の大ヒットは、続編が成功すれば達成できることだから……これから先に無いっていうのは、キャラポジションの進化の方か」

F「うむ。2016年のデッドプールは、スパイダーマンやウルヴァリンのような“マーベルのメインイベンター”の域にたどり着いたと言っても過言ではない。コレに関しては後に回すとして、まずは映画方面について触れてみようか!」

 

F「まず、2016年のアメコミ系映画の状況としては、シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ、バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生。一昨年の段階では、2016年はこのメガトン級の2作が引っ張っていくと予想されていたな」

S「シビル・ウォーも実質キャプテン・アメリカVSアイアンマンだし、マーベルとDC、両者のヒーロー対決が鍔迫り合いする展開になったわけだ」

F「バットマンVSスーパーマンがあるから、本来別の路線で考えられていたキャプテン・アメリカをVSアイアンマンなシビル・ウォーに変更してぶつけてきたってえのは、ホントでも冗談でも嘘っぱちでもガチンコだよな! だが、そんなヒーロー大戦に肉薄する、ダークホースがマーベルとDC、それぞれから出現! 映画デッドプールスーサイド・スクワッド! 全世界で話題沸騰! 拡大するファン層! え? なんでコレこんなに売れちゃったの……?と困惑する制作側の皆様!」

S「困るの? 売れて困るの?」

F「いや真面目な話、売れたのは万々歳だとしても、売れ過ぎで今後数年における路線の見直しは必須となったというか……だって、全米興行収入だけで言うなら、X-MENスピンオフなデッドプール(3億6000万ドル)が本丸であるX-MEN:アポカリプス(1億5000万ドル)にダブルスコアつけちまったんだぜ? X-MEN:アポカリプス、面白いのに……悪の行く手を阻む鋼鉄のX!のシーンなんか最高なのに……」

S「あ。俺もX-MEN:アポカリプス観てないわ。睨むなよ、俺上映当時、修羅場ってたんだよ!」

F「わかってるさ。でも、もうソフト化も配信もされているから、早く観とけ。くっそ面白いから。話をちょっと戻すと、映画X-MENシリーズトップクラスの売上を果たしたデッドプールと同じダークホースなスーサイド・スクワッドも、全米興行収入でバットマンVSスーパーマンに肉薄してる。3億3000万ドル対3億2500万ドル。その差、500万ドル。でけえ数字ではあるものの、興行単位で見れば僅差よ? つーか、デッドプールは3億6000万だから、バットマンVSスーパーマン超えだな。ただまあ、全世界での興行収入となると、バットマンVSスーパーマンはこの2作に1億ドル以上の差をつけているんだが。この差は、デッドプールもスーサイド・スクワッドも、ドル箱市場の中国で上映しなかったってのがデカいね。中国は単体で1億ドル稼ぐ市場だから」

S「ううむ、スピンオフポジションな映画が、ここまで来るとは……」

F「そう。そこだよ。その驚きを、みんなが共有したのが2016年のアメコミ映画市場だったんだよ。俺だってデッドプールにはかなり高い期待値をつけていたけど、まさかここまでとは思わんかったよ! このBOXOfficeの2016年スーパーヒーロー映画一覧見てみ? Production Budget(制作費)のトコ!」

S「うん。みんな1億ドル越えの制作費なのに、一つだけ5800万ドルな作品があるね」

F「日本基準で考えると5800万ドルは大金なんだけど、こうして並べてみるとデッドプールの制作費、群を抜いて少ないのよ……。この少なさは、期待値の低さを表しているというか。少なくとも、金を引っ張れる商材と、企業やスタジオに認められてなかったわけで。だってこの金額、映画X-MEN第一作(7500万ドル)より低い、X-MENシリーズの最下位なのよ?」

S「それでいて、X-MENシリーズ最大級の売上を出したのかよ……確かにそれは、色々な人の計画や予定が狂うな」

F「アメリカの大統領選で、有力視されていたヒラリー・クリントンをぶっこぬいて、ドナルド・トランプが大統領になったじゃん。それと同じ。様々なところで、今までの視点やデーターでは対処できない変化が起こっている。デッドプールやスーサイド・スクワッドの躍進は、その気付きとなるタイミングの一つだろうな。そして、映画やドラマといった映像作品が、コミックスから独り立ちしようとしているのがハッキリしてきたんじゃないかな」

S「世界的なキャラクターの歴史や知名度で言ったら、黄金コンビなスーパーマンやバットマン、映画としてキャリアを積んできたアベンジャーズやX-MENに、デッドプールもスーサイド・スクワッドの面々は相手にならんだろうしな。ところがデッドプールもスーサイド・スクワッドも観客に支持されたと」

F「日本の興行収入で順位をつけても、デッドプールはシビル・ウォーに次いでの2番手だからね。こりゃあ、中々だよ」

S「へー。バットマンVSスーパーマンを抑えてたのか」

F「最も、ロシアやオーストラリアやフランスやドイツだと、デッドプールがシビル・ウォーすら抑えているので、日本もまだまだって感じはあるんだが」

S「上には上がいるというか、どうなってるんだ世界!」

F「しっかし、だんだんコミックス基準ではこう!というのが、映像作品に対して通じなくなってきているんだよな……。コミックスのキャラクターとしての人気や格や地位が映像作品での人気に直結していないし、作数や話数を重ねて巨大化していくことで、映像作品が独自の世界観とファン層を掴んでしまったというか。知識面は小ネタとして生き続けるけど、概念や常識にはズレが出てくるだろうね。この辺の話は、後の総括で纏めたいけど」

S「後の総括ってことは……この記事、続くの?」

F「ちょっと長くなってきたからねえ。コミックス編と総括編、どう分けるかはまだ考えているけど、続くってことで。つーか、不振と言われたX-MEN:アポカリプスも2016年の全世界興行収入ランキングで現在13位につけてるんだよな。上位には当然、デッドプールを含めたアメコミ映画がゴロゴロいるわけで。市場は向上の一言よ。ここに各作品のコストや期待値が入ってくるから考察のしがいがあるわけで。野球のバッターで例えたらこんな感じ」

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 
期待の4番としてシーズン通して打ちまくる。圧倒的MVP。

バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生
4番として十分チームに貢献したものの、年俸的にはもう少し打ってほしかった。

デッドプール
球場でクダまいてたオッサンをやけっぱちで打席に立たせてみたら、満塁サヨナラホームラン。
場外まで飛んでいった球を見て、監督や選手は唖然。オッサン、いい笑顔でダイヤモンドをウィニングラン。

S「どうしてこうなった……!?」

日々雑談~2238~

 映画シビル・ウォー:キャプテン・アメリカのDVD&Blu-ray、ソフト販売開始。先行のデジタル配信と加えて、これでご家庭で誰もが気軽にシビル・ウォー出来るようになったわけです。一家に一戦、シビル・ウォー。

 アイアンマン陣営とキャプテン・アメリカ陣営に別れる結果、どうしても観客も感情移入してどちらかに付いてしまうのがシビル・ウォー。この作品を作るにあたって、かなり制作側もそのバランスに気を使ったようですが、全力で片方を擁護することも出来るし、逆もしかり。中途半端ではなく、突き抜けた上でバランスを取っております。映画である以上、こうして突き抜けないと魅力が削がれますしね。そして、やろうと思えば双方に原因や擁護する点を見出す中立視点も出来たり。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、そして中立。この三つが並び立つのが、シビル・ウォーのバランスの良さなのでしょう。

 今回、アイアンマンとキャプテン・アメリカ、争いの結果、双方に救いはほぼ無かったわけで。でもその一方、新たな希望としてブラック・パンサーとスパイダーマン、二人の新人ヒーローが誕生しました。特にブラック・パンサーは最初憎悪にまみれていたものの、争いの結果その憎悪から解き放たれ新たな道を歩むと、映画シビル・ウォーにおける希望を担っておりました。こうして作中で希望が明示されたことで、原典となったコミックスより映画のほうが救いがあったのでは、とも感じました。まー、救いという意味では、コミックスと違って、映画だとキャップ死んでないですしね。これはデカいよ。

 現状、2016年の世界映画興行収入ランキングでトップに立つ、シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ。頂点に立つ作品には、ジャンルの枠を超える何かがあるのです。しかしズートピアのじっくりとした追い上げと、デッドプールの尻が見えるトコまでやって来たスーサイド・スクワッドもスゲえな……。

日々雑談~2232~

「人生で一度、“私の部下に太鼓持ちは必要ない”って台詞を使ってみたい」

 管理者、あなた疲れてるのよ。ちなみに俺は、人生で一度言うなら“人類はどんな逆境にも立ち向かう力がある。未来を勝ち取れ”かな……。

 

9/7(水) 同時公開 シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ デッドプール 徹底比較!【※一部ネタバレあり】

楽天SHOWTIMEさんで、コラムの方を書かせていただきました。デッドプールシビル・ウォー、それぞれの特集ページからコラムに飛べます。両極端なヒーローに見えて、いざ最近のコミックスを読んでみると二人は仲良し! な時点でオチついてる気がするの。似た者同士のコンビも良いですが、こういう両極端なコンビもいい。キャプテン・アメリカとデッドプールの場合、お互いの違いを知りつつ飲み込むという、大人同士の関係ならではの深みもあっていいわー……。
 主義主張が違っても、互いを尊重できるのであれば、友情や敬意は成り立つもの。違いとは、互いの関係を否定する材料ではないのです。

日々雑談~2231~

 映画のシビル・ウォーデッドプールも、ソフト化はまだなものの、既にデジタル先行配信が始まってるんだな……王道たるヒーローたちが対決という邪道に走ったシビル・ウォー。はたまた、邪道たるヒーローが真っ正直に王道に走ったデッドプール。結構ひねくれてもいるこの二作が、今年同時に公開されたのはデカいと思うのですよ。両作合わせると、守備範囲がめっちゃ広くなる、バランスの良いひねくれかた。
映画って、本当にいいもんですねえ。と言いつつ、別の映画の話題に移る。

 

 昨日は地上波テレ東系列で、超高速参勤交代をやっておりました。今週末に公開される続編、超高速!参勤交代 リターンズに合わせてのもの。超高速参勤交代が行きで、リターンズは帰り道。そりゃあな、前作と同じ顔ぶれ同じキャストでやるなら、これしかないよな!
 映画館で見て以来の超高速参勤交代でしたが、この映画、実に楽しい。単なるスピード勝負に見せかけて、そこにあるのは用意周到な策略と努力。あと、全力疾走。主人公たちの善行や幸運が上手くリターンされ、映画を見て残るのは心地よい爽快感。ああこれは、やはり地上波向きの映画だ。大名行列がチャンバラやって何が悪い!という開き直りっぷりもステキ。馬鹿らしさと生真面目さが上手く融合してる。
 リターンズも是非観に行きたいものの、9月10日公開かあ……スーサイド・スクワッドとモロに被ってるな。どっちを先に見るべきか、結構本気で悩むわー……。

日々雑談~2155~

 なるほど。遊園地戦でうさぎさんチームが観覧車を使ったミフネ作戦を思いついたのは、前日夜に戦車映画を観て研究していたからか……。ポン!と元ネタが映画「1941」な作戦を思いついたのではなく、前日に映画を観ていたという伏線がきっちり張られていたんだな(ガルパン劇場版鑑賞中
 やはりガルパンは、作劇の参考にもなるねえ。なんでガルパンが流行ったかと言えば「ミリタリーが好きで詳しい人間が、しっかりと物づくりをした」という、奇抜さや奇跡よりも、地道さや王道に通ずる結論なのでしょう。努力研鑽の果てにたどり着いたと考えれば、色々と頑張る気持ちが湧いてくるものよ。

 

デッドプール「映画デッドプールには、人生の大切なすべてのことが詰まってるんだよ」(バンジョーをかき鳴らしつつ

ミカ「あまりにわかりやすすぎる模倣には、賛成出来ないね」(カンテレをかき鳴らして

デッドプール「サルミアッキ食べりゅ?」(バンジョーをかき以下略

ミカ「こちらに合わせてくれたのには感謝するよ。けどそちらの流儀、チミチャンガも食べてみたいな」(カンテレ以下略

 

アキ「なんで会話が成立してるのかな、あの二人……」

スパイダーマン「最大限に言葉を選ばせてもらうとして、お互い変わり者だからじゃないかな」

 

 

 ふうむ。おそらく今週末、映画デッドプールの全米興行収入がシビル・ウォー:キャプテン・アメリカに抜かれるな。うん、シビル・ウォーが公開されてから一ヶ月近くよく持った。そしてこれで、2016年公開の映画ナンバーワンの座からも滑り落ちるわけか。
 全世界興行収入では既に負けていて全米限定とはいえ、ここまでバットマンVSスーパーマンやズートピア相手に、よく持ちこたえたものだ……。中国市場が、仕方ないとはいえ、中国市場を使えていれば。
 しかし制作費や宣伝費が桁違いな作品を抑えてたって、デッドプールがんばったよりもまず、全米で何が起こってるんですか!?な気分になるな。