日々雑談~1324~

 そろそろ、COMIC1に向けて動くべきか……。今のところ新刊はアメコミカタツキEX2を予定しています。本当ならFateExtra/CCCを今頃やってて「桜大勝利! 大勝利です!」となる予定だったのですが、発売延期してしまった以上しょうがない。
 だがあえて押し通る為のネタを考えてるので、FateExtra/CCC本出します!と言っちゃってもおそらく大丈夫。ただし、相当の無茶。今までより無茶。無茶のお供ならば、当然出てくるのはどこかの赤タイツ……。

 ブロッケンJrとラーメンマンが熱かったし、白い翼が舞い降りるのは次巻でもしょうがないよね! そんなキン肉マンと一緒に、新米婦警キルコさんも購入。すげえ! 残念なのかクズしかいねえ!と俺大喜び。安錠先輩とか全力投球でクズだけど、ギリギリ道を踏み外していないし、クズなりの役立ち方もしてるからね。こういう前向きのクズは素晴らしい。姉しょの柊空也とかブースターゴールドとかね!
 ジャンプの連載漫画とエロゲーとアメコミのキャラが平然と並ぶ流れこそ、このサイトのカオスさを、端的に示しているような気がする。あと、メガクル美女(眼鏡でクールな美女)は、そのうちどっかで使いたいゴロのよさ。

オーバー・ペネトレーションズ#3-5

 クイックゴールドが、ホワイトハウスの大統領寝室を始めとした、各国首脳の寝室を数分で回り切った時、彼は人類の頂点に立った。地球上に居る限り、誰も光速の男から逃げ切ることは出来ないのだ。
 最速の男の主な要求は、ただ一つ。自分に、何の干渉もしないこと。他にいくつか些事はあったが、それは大したことではなかった
 世界を屈服させたクイックゴールドは、ウェイドシティ市庁舎を住処とした。最初の頃は忙しなく動いていたが、最近はトレーニング場となったラーズタウンの跡地にも出てこない。彼はずっと、改造された市庁舎で、全世界に睨みをきかせている。彼は特に何も言わない。市庁舎脇の巨大な石像も、部下の一人が勝手に作った物だ。
 そんな巨大石像の足元で、長らくこの街で起こっていなかった喧騒が沸き上がっていた。昔は、毎日のように聞こえていた喧騒が。

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日々雑談~1323~

 今週のキン肉マンは、少年漫画の教科書に使っても問題なし。情報量も展開の組立もヒキも、完璧。ス、スプリングマン死んじゃ嫌だ―!

「先日、同僚にスパイダーマン:ブランニューデイ2を貸してさ」

「ほうほう」

「そうしたら聞かれたんだよ。“表紙に、スパイダーマンと一緒にいるマスクマンは誰だ?”って」

「……そりゃ、ウルヴァリンだろ」

「ああ。当然答えるわけだ。そうしたら“え!? ウルヴァリンってマスク被るの!?”こう驚かれたワケだ」

「なるほど。映画のイメージか」

 今日のこの管理者とのやり取りで気付いたのは、映画の強さ。TVの凋落と言われる時代でも、未だ地上波の力は健在。レンタルも劇場もまだまだ行ける。テレ東でやってたアニメやマブカプを知らない人間にとっては、ウルヴァリン=ノーマスクのヒュー・ジャックマンと言っても過言ではない。黄色いコスチュームを知らなくても、ウルヴァリンは知ることが出来る。冷静に考えれば分かることなものの、眼から鱗がポロリと。
 そして改めて考えたのは、紹介のあり方。例えば一つジャンルが有るとして、そこにどっぷり浸かっているのか、まだ奥の方に行ったばっかなのか、入り口付近なのか、入り口で入ろうかどうしようか悩んでいるのか、入り口を外から観察している状況なのか。ある程度相手の位置を見定めてから行動しないと、空振りになってしまう。この見定めを、どうもおろそかにしてしまいそうで怖い。これって照準つけずに、いきなり拳銃撃つようなもんだからなあ……。当たるのは偶然、外して当たり前。
 忘れやすいけど、忘れてはいけない視点。気に留めておかなければ。

日々雑談~1322~

 ハチワンダイバーを読もうとヤングジャンプ読んだら、何故かエアマスターだった。ヤングジャンプの一角が、もうちょっとで当時のヤングアニマルに戻りそうだよ!

 ダークナイト:姿なき恐怖を読みました。次々と出てくるヴィランズ、世界観の幅を感じさせるスーパーマンやフラッシュの参戦。「アメコミってどんなの?」と聞かれたら、「こんなの」と出して、なんら問題ない作品。アートも良し。話も良し。世界観の広がりも、大きく広げつつ一冊内に収まる範囲とバランス良し。
 既存のバットマン関連の邦訳作品は、綿密な伏線や詳細な心理描写をメインに据えた、比較的重めの作品が多かったので、姿なき恐怖のアニメ版やゲーム版に連なる適度な軽さもいいんじゃないでしょうか。ただ、この重さもバットマンの魅力だし、一般的には姿なき恐怖も十分重いです。
 梟の法廷で新機軸に挑戦し、姿なき恐怖で既存の路線、過去の財産をうまく利用する。この二輪体制は、キャラクターの寿命を若々しく保持する上で、現状最高峰のやり方の一つよね。

オーバー・ペネトレーションズ#3-4

 崩れかけのベランダで、彼女は声を上げた。
「ありました~」
「ああ。よかったッス」
 一緒に指輪を探していたボーイも、四つん這いから立ち上がる。タリアは銀色の指輪を、既に人差し指に付けていた。付けた後彼女は、眼下に広がるラーズタウンをゆっくり見渡した。
「オウルガールが死んだだけで、酷くなるものなのですね」
「はい。あの人は、それだけ偉大だったんでしょう」
 ラーズタウンが廃墟となった理由は二つある。
 一つは、オウルガールが死んだことによる、パワーバランスの崩壊。目の上のたんこぶが無くなったことで、ラーズタウンの悪人や狂人から歯止めが消えた。ボーイ一人では、彼らの歯止めになり得なかった。
 二つ目は、クイックゴールドの速さだ。ゴールドとなった彼は、遠慮のない速さでラーズタウンの全てを吹き飛ばした。悪人も狂人も、一般市民も建物も。やがて街からは全てが消え去り、ラーズタウンはクイックゴールドの練習場となった。街を埋める轍はみんな、ゴールドが走った跡だ。
 無人となった街に来るのは、くず鉄拾いのスカベンジャーや金目の物目当ての盗掘者ぐらいだ。ちなみに、この世界来たばかりのタリアを襲った連中は、後者だった。彼らは既に屋敷から消えている。這々の体で、なんとか逃げ出したのだろう。
「むむ? なんでタリアさん、オウルガールが死んだことを」
 知っているんですか?と繋げた時、彼女は室内の柱時計の前で指輪を掲げていた。指輪から出た光線が柱時計の鳩に当たる。鳩が鳴き、柱時計が動く。裏には、エレベーターが隠されていた。
「ハイテクな先祖の形見ッスね……」
 タリアはエレベーターに乗り、ちょいちょいとボーイを招く。事情は分からぬが、言われるがまま、ボーイはエレベーターに乗る。錆臭い音をさせて、エレベーターは降りた。
 エレベーターが降りた先は暗闇だった。降りた先に、地面があるかどうかすら分からない。ボーイは、一歩も動けず、ただ暗闇に目を慣らすことしか出来なかった。それでも、この闇では、慣れようもない。
「ここは一体なんなんですか? っいぇあれ? ちょ、ちょっと失礼」
 ボーイは手を隣に振るうものの、タリアに触れることは無かった。
 バチバチと、派手な音を立てて明かりが灯る。キラキラと舞うホコリを手で払いながら、ボーイは驚嘆の声を上げた。
「すげえ……!」
 おとこのこの夢、ひみつきち。洞窟を改造したタリア家の地下スペースは、思わずワクワクしてしまうほどに、素敵な秘密基地であった。巨大なモニターや、怪しげな車に、怪しい機械や実験道具。このスペースを見て、心を滾らせぬ男はいまい。あまりに、夢すぎる。
 モニターの前では、この部屋の主であろう女性がコンソールをいじっていた。
「当然、装備に多少の差異と劣化はあるものの、使えないことはない」
「オウルガール!」
 多少デザインの違うスーツを着たオウルガールが、地下スペースに出現していた。おそらく、この世界におけるオウルガールのスーツなのだろう。
「やっぱ、生きてたんだな! そうだよな、死ぬわきゃないよな、アンタが!」
 余所の世界の話であるのに、ボーイはオウルガールの生存を喜んだ。この人が、死んでいる筈はないと、初めから思っていた。
「いや。この世界の私は、おそらく本当に死んだぞ。基地に足を踏み入れた様子がないし、何よりラーズタウンの惨状を、許さぬはずがない」
 そんなボーイの希望を、オウルガールはあっさりと一蹴した。
「そんな。じゃあ、アンタは誰だよ!?」
「いい加減気づいてくれ、少年。出会った当初とは言わぬが、せめて指輪の辺りで。最悪、エレベーターの後、タリアが消えたところで」
 オウルガールは、現在までボーイの前では外したことのなかったマスクを脱いだ。
「えー……いやいや、それはないだろ。え? 悪い冗談じゃなくて?」
「驚けとは言わんが、悪い冗談とはどういうことだ」
 度を越した驚きは、逆に人を冷静にさせる。しかもこの世界に来て以降の、驚きの連続という下地もある。何より、どうにも信じられない。
 タリアの顔でいつもの物言いをするオウルガールを受け入れるのには、多少の時間がかかった。

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