フラッシュとローグス~Mutual Respect~

 実は先月、Togetterまとめに載せてある、光速の男に抗う男たち~これからのローグズ~を追加削除共にしつつちょっとだけ改定しました。改定したのは、邦訳でも発売されているフォーエバー・イービルに関する部分。追加分は、作中におけるレックス・ルーサーのキャプテン・コールド&ローグス評です。

「キャプテン・コールドを見てると、勤勉だが、知識もなく野心もない田舎の善良な人々を思い出す。コールドと仲間は三流の悪党だが、お互いに対して忠誠を誓っている」
(ルーサー自身の側面である、謙虚さを持つコールドへの評)

 実際、どのような状況でこの評価が下されたのかはフォーエバー・イービルを読んでもらうとして……実はこれ、悪くない評価だったりします。そもそも自意識過剰気味なルーサーが己と照らしあわせるだけの物があると、認めているわけで。謙虚さを持つには、謙虚になるだけの実力が必要です。

 そして、削った部分は、「フォーエバー・イービルにて、キャプテン・コールドの口からフラッシュと自分たちの関係が語られている」という部分です。この評価は、キャプテン・コールドVS異世界から来た邪悪なフラッシュことジョニー・クイックにて、ジョニークイックと対比させる形でコールドが語っているのですが……邦訳だと「フラッシュとは大違いだな」と、シンプルな訳になっております。
 翻訳の方針やフキダシに詰める都合というものがあるのでコレは仕方のないことなのですが、評価を期待して買ってしまった場合、肩透かしになってしまうのではと思い、削らせていただきました。
 なお、原語における該当のコマは、こちらとなります。洋書だとForever Evil #6。邦訳フォーエバー・イービルだと、CHAPTER6―覚醒―の段。具体的なページ数としては162Pですね。

キャプテン・コールドVSジョニークイック
※ホームページ上だと縮小されてしまいましたが、画像をクリックするとフキダシの文字も読める大きさになります。

 れいとうパンチならぬ、れいとうキック! こうかはばつぐんだ!
 コールドのルール無用な残虐ファイトはひとまず置いておくとして、今回のテーマにそっているであろう英文を、抜き出してみます。

“The Flash And I Got Mutual Respect. That`s The Difference Between You And Him”

 やはり気になるのは、尊敬という意味を持つRespect(リスペクト)という単語が混じっていることですね。Mutualの意味は「共通、共同、相互の」が挙げられます。つまり、Mutual Respectとは、互いが持つ敬意ということになります。
 辞書を引きつつ、自己流で訳した場合、こんな感じとなります。

「フラッシュと俺は、互いにリスペクトしあってる。それが、お前とフラッシュの違いだ」

 このれいとうキックに至るまでの状況を補足しますと、ジョニー・クイックがキャプテン・コールドを拘束。ジョニー・クイックの世界で警官だったコールドを既に殺害していること、コールドが凍結銃を持っているだけの常人であることから、コールドのことを「銃がなけりゃなにも出来ない、ただのバカだ」とナメきった結果……コールドの逆襲により、ジョニー・クイックは足を砕かれました。つまり、コールド(敵)への敬意の無さこそが、ジョニー・クイック敗北の原因となっております。
 そして注目すべきは、ここでコールドがフラッシュとの間にある、リスペクトという関係を口にしていることですね。まずコールド自身は、間違いなくフラッシュにある種の敬意を払っているわけで。フラッシュがコールドに敬意を払っているかどうかは分かりませんが、敬意も何も無ければ、おそらくフラッシュも既に足を砕かれているんじゃないかと。悪役の口から出る、正義の味方への敬意。

 こうしてフォーエバー・イービルで示された、キャプテン・コールドとローグスの謙虚さに、コールドとフラッシュの間にある敬意。これもまた、ローグスのあり方を紐解く、材料となるでしょう。
 あと個人的には、フォーエバー・イービル解説内での「仁義を守る任侠集団」というのが、ツボにハマりました。愛嬌といい仁義といい任侠といい、なんでこうアイツら、英訳しにくい日本語がこうも似合うのか……。

お知らせ

 一つ記事を書いていたのですが、タイムリミットになってしまったということで、完成は明日(8日)に回します。なので、今日の更新はお休みということで。体調不良というわけではないのですが、なんかこう、不調です。率直に言ってしまえば、スランプです。

日々雑談~2095~

 ついにサイコマンの完璧拾式としての奥義が顕となった、今週のキン肉マン(162話)。単純強化なサンダーサーベルに、クロス・ボンバーをシングル技にしたマグネティカ・ボンバーの路線から、ネプチューンマンやネプチューンキングのシングル技の強化版やヘル・ミッショネルズのツープラトンをシングル技にしたものだと思っていたのですが、この予想は全力で外れた感じで。ヘル・ミッショネルズのマグネットパワーとは比べ物にならない、力の奔流。それなのに、むしろマグネットパワーが原因で必殺技にならなかったって、どういうことなんだろうね! 来週も楽しみでしかたなくて、コンチクショウめい!
 しかし磁力というのは、描写が被りそうで被らない能力ですね。金属を動かせるのは当たり前、でもそれだけだとサイコキネシスとさほど変わらない。ならば磁力であることにどう意味を持たすのか。ここで試されるのが、創作者の幻想科学力ですね。科学的にはおかしくても、作品を面白くするためには仕方ない! 非金属な人体に磁力が移るとか、身体の鉄分に干渉して他人を操作できるとか、むしろその鉄分からハサミやカミソリを直接創りだすとか! 磁力は、ホント発想が試される能力だと思います。キン肉マンのヘル・ミッショネルズとか、X-MENのマグニートーとか、ジョジョ第五部のリゾット・ネエロとかね! 
 名を残す一流どころは、やはりクリエーターの才能が光ってますよ。そしてまだまだ、余地もある。いやはや、実に挑みがいのある、能力です。
 

日々雑談~2094~

 昨日は更新できず、すみませんでした。限界を迎えた結果、ぶっ倒れるように寝てしまい……どうも、最近、金曜に限度が来ている気がする。余裕を持って金曜を迎えるようにしないと、ヤバいなコレ。土日休みの保証もないんだし。

 そんなこんなで、今日は地上波パシフィック・リム(リンク先音量注意)でした。自分は途中の香港決戦からの視聴でしたが、何度観ても迫力に驚嘆するしかなく。地デジの高画質で、夜のシーンも見やすくなってましたしね。そりゃTwitterでの実況も盛り上がるってもんよ。
 やはりパシフィック・リムでオススメしたいアイテムとなると、正式な外伝にしてコミカライズ作品であるパシフィック・リム:イヤーゼロですね。イヤー・ゼロのタイトルの通り、人類と怪獣の初邂逅、イェーガー開発史、若き日のローリーとパイロットから司令官に至るまでのペントコストの物語が、一人の記者の追跡録として描かれております。デル・トロ監督が監修、映画の原案脚本であるトラビス・ビーチャムがシナリオ担当と、非常に映画に近しいコミックスです。
 内容としては、クライマックスの連続な映画とは違い、怪獣の脅威やイェーガーの勇姿を描きつつ、パシフィック・リムの設定や歴史を補完。映画に比べると若干落ち着いた作風です。ジェットコースター気味な映画で手の届かなかった部分を埋めて、一つの世界に。ロボット物であるならば、やっぱこういう所も埋めて欲しいですしね。世界観の完成、大事。
 せっかく盛り上がったことですし、是非ともこの機会に読んで欲しいところですが……地上波放映の影響で、パシフィック・リムのブルーレイやDVDの売上が上がったらしいけど、イヤーゼロも上がっているような……Amazonのイラスト集・オフィシャルブックランキングで、今現在12位。ここ、邦訳のアメコミの多くが入るカテゴリーなのですが、12位となると今現在一番売れてる邦訳なアメコミということに。当然、昨日まではランク外。動きが普通のコミックスに比べ小規模となってしまうカテゴリーとはいえ、地上波って、まだやっぱスゲえな。

日々雑談~2093~

 そろそろ、年度末の工事+教習車増大&若葉マークの大量参入で、道路事情が年で一番デンジャラスになっていく時期だぜ……5月ぐらいまでは、危ねえかなあ!
 今日は、WEB拍手返信です。

>以前こちらの原語版の紹介見てモンキービジネス買いました。破壊力抜群ですわメイド服(そういや昔Xファクターの表紙でミスティークも・・・)

 アレは「何事!?」具合では、群を抜いてますからねえ。ゲームのスキンやコスチュームとして採用されることも多いので、メイド服に「何事!?」を感じるのは、国を問わないのでしょう。
 ミスティーク姐さんも、変身という特性上、かなりいろんなもの着てますよね。まあ、ミスティークは必要性があって、デッドプールは特に必要性も何も無いというのがポイントでしょう。たまに、ありますけど。たまに。

>アメコミカタツキ、売り切れで読めなかったのでリメイク版が出るなら是非読んでみたいです

 アメコミカタツキ第一作のリメイクに関しては、冬以降に再考してみたい感じです。一応夏ぐらいまでは、予定を立てているので。メインの空の境界✕バットマンと同時に、元祖Fate✕デッドプールも収録されてる、アメコミカタツキ。もしリメイクした場合、メインをもう少し膨らませて、Fateとデッドプールは別の形での公開を目指す感じでしょうか。当時は登場を見送ったり、あまり知らなかった、白純里緒とか、レッドフードとか、ヒットマン(トミー・モナハン)&セクションエイトとか。ヒットマン関係に関しては、邦訳も出たのでつっこみたいとこです。モナハンの場合、TYPE-MOON的解釈をするなら、式と同じ魔眼持ちになるので、相性もグーです。

>過去の記事読んで、ワールド・ウォー・ハルク買いましたよ、久々にアメコミ熱が再燃してきました

 当サイトがきっかけとなったのならば、ありがたいことです。ワールド・ウォー・ハルクの記事は、匙加減や都合で手が出せず中途半端な形になってしまったことを後悔してまして。一時は公開停止も考えていたのですが、こうしてお役に立てたのならば、よかったのかなと。