日々雑談~1756~

 街の住人は、戦慄していた。つい先日、遠方の一カ国を犯し殺し焼きつくしたと言われている、緑色の亜人種オーク。そんなオークの一匹が、いきなり街にやって来た。
 都に在るコロッセオのチャンピオンすら、見劣りする体躯に筋肉。鋭い牙は獣の肉すら、容易く噛み裂くであろう。鋼鉄をそのまま貼り付けたようなプレートメイルと、丸太に釘を打っただけの巨大な棍棒。存在自体が、暴力であり無慈悲だ。
 そんなオークの脇には、戦利品らしき女騎士が従っていた。金の鎧は所々剥げ、鎧を豪華に飾り立てる筈の宝石は外れそうだった。見目麗しい金髪と美しい顔立ちを隠すのはボロ布。薄汚れ、疲れ果てた様子の彼女は、堕ちた者。オークの戦利品に見えた。
 群れの斥候か、それとも単独での襲撃か。いきなり現れたオークを見て、人々はざわめく。不思議なことに、逃げ出す者は居なかった。いきなりの脅威は、人の足と思考を容易く止める。
 ズンズンと大通りを歩くオークの前に、自警団のコスチュームを着た男が現れた。軍でなければ対処できないと言われるオーク、しかしながらこの男、隊長は元軍人であり勇敢な戦士であり、少なくともオークを目の前にして、慄く人材ではなかった。それは、薫陶を受けた彼の部下も同じく。
「かかれぇ!」
 屋根の上から投げられた狩猟用の網が、オークを包む。脇から駆け出てきた小柄な自警団員が女騎士を確保し、続けて長槍を持った自警団員達がオークを取り囲む。
 戦闘の火蓋は、勇敢なる男たちにより、切って落とされた。

 自警団員の詰め所。折れた槍や千切れた網がそこらに散らばる中、呆れと疲れで薄汚れた隊長が、調書を取っていた。取り囲む部下も全員疲労困憊しているが、死者どころか大怪我を負った人間も居ない。
「冒険者ギルドに所属しているって、本当なのか?」
「ギルドの紋章も見せただろうが! 俺ぁ、正式な冒険者だっつーに!」
 件のオークは、腕を組み偉そうにふんぞり返っていた。あれだけ槍で突いて、棍棒で殴ったのに無傷である。もしこれだけのタフガイが、手を出してきていたら、今頃自警団員は良くてミンチになっていただろう。
「全く。二回に一回は、街に入ってこうして大騒ぎだ! お前ら、俺をなんだと思っていやがる!」
「オークだろ?」
「ああ、オークさ! でもな、字も読めるし、まあ一応は書けるし。ちゃんとギルドの面接にも受かった、オークだ。人間だって肌の色や眼の色、結構みんな違うだろ? オークだってさあ、俺みたいに人間並みのがいるし、魔物並みのがいるし、豚並みのがいるし。幅広いんだぜ!?」
「確かにアンタは抵抗しなかったし、こうして会話出来てるしで、俺達の抱くオークとのイメージと随分違うな。でもオークはイメージ悪いしなあ。よくもまあ、二回に一回で済んでるもんだ」
「ああ、二回に一回は、街に入れてもらえないで、そこで襲われてるからな」
 結局、攻撃されまくっているだけだった。
「すまんかったなあ。でも元はといえば」
 隊長は、オークの脇に座る女騎士に目をやる。彼女は上品に、安物の紅茶をすすっていた。あの仕草からして、少なくとも彼女は、礼儀の教育を受けた女性で、それを受けられるだけの高貴な身分であるか、あった筈だ。
「何か?」
 隊長の視線に気づく女騎士。
「何かじゃなくて……なんでアンタ、そんなボロになった鎧を着ているんだよ」
 だから、勘違いしたのだと、隊長は暗に付け加える。
「この街に来る前、酸の息を吐く巨大な蟻さんと戦いまして。息にかかって鎧が壊れたわたしを見て、この人がマント代わりの布をかけてくださったんです。優しい人でしょう?」
「ええ、まあ……」
「そうそう、この鎧を修理できる鍛冶屋さん、この街にいたら教えて欲しいんですけど。お金なら用意出来ます」
「鍛冶屋は居るが、それだけちゃんとした鎧を治せるかどうかは」
 なんとも、優しげな彼女。穏やかな口調と、笑顔は心を和ませる。騎士というより、姫。助けるのではなく、助けられるのが似合う風情だ。
「それで。二人は、パーティーを組んでいるわけだな?」
「そうだ」
「違います」
 オークは肯定するものの、女騎士は否定した。いち早く彼女の意図を察したオークは、眉をひそめ、自らの額を悩ましげに指先で抑えていた。
「わたしは、この人の妻ですから」
「妻ぁ!?」
 隊長だけでなく、部屋にいる自警団員が一斉に叫ぶ。女騎士は頬を染め、妻という呼び名への嬉しさを隠さぬまま、頷いた。

 11月9日、11.09はいいオークの日らしいので、こっそり温めていたものをなんとなくええ。続きは今のところ無い、突発仕様。もう既に時刻としては10月10日だけど気にするな!

日々雑談~1755~

 ちょっとバタバタしていたため、今日の更新は短めです。すみません。

 ディスクウォーズにおける先の話は、テレビ雑誌を追うよりバチ魂バット公式サイトのブログや新商品を見たほうがいいかもしれないな。バチ魂で出たキャラは確実に来る!とは言えませんが、基本的にアニメに出るキャラはバチ魂にも出てます。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやフィン・ファン・フーム参戦の噂は、まずバチ魂発でしたしね。
 そしてアニメに出るかどうかはわからないものの、前代未聞の超アレンジをされたキャラクターが一人、公式サイトで公開中。確かにアイアンマンのライバル枠だけど、ここまでライバル度が上がるとは! 気になる方は、バチ魂の公式を調べてみてください。このアレンジの方向性は、想像できなかったぜ……!

日々雑談~1754~

 ま、待った! アニメもそうだけど、最近マンガも新進気鋭や話題作が多くて、手が回らん! ひとまず、明日にはどうにか本屋に行って僕のヒーローアカデミア1巻を探さなければ! 発売日から品切れ報告多数な状況なので、いっそ重版を待ったほうがいいかもしれないけど……それでも! 探すだけの価値はある!

 少し前の話ですが、邦訳バットマン:インコーポレイテッドを購入しました。バットマン、世界を駆ける。目的は、バットマン株式会社の設立!? 始まりは日本、バットマン・ジャパン、死神男、ゴリラ博士! 桑田次郎版バットマンの血を受け継ぐヒーロー&ヴイランが次々と登場! バットマン・ジャパンに関してはヒットマン2巻の奇天烈アメコミキャラ事典でも取り上げております。現状、衣装はバットマンでもベースは月光仮面や怪傑ハリマオを彷彿とさせるミスター・アンノウン(不詳紳士)なバットマン・ジャパンことジロー・オサム。次に出る時の彼は、月光仮面やハリマオのイメージより、ちょっと時代が進んでますよ?
 入り口のバットマン・ジャパンはかなり取っ付きのいい作品なのですが、最終的にトリップ感あふれる方向性に突き進んでいくのは、良くも悪くもライターであるグラント・モリソンの癖。ンモー、モリソンさんまたメタファーやオマージュをバリバリ使って、神話作ろうとしてるよ。
 しかしバットマン:ブルース・ウェインの帰還におけるバットマンIN原始時代の時にも感じていたけど、最近のグラント・モリソン作品、入り口が分かりやすいというか面白くなるに決まってるだろう!な作品持ってきてるような? いきなり壮大な神話になるのではなく、かろやかにステップを踏みつつ、空の彼方に歩いて消えていく感じで。
 合うか合わないかが結構別れるタイプの作者さんだとは思いますが、合えばホント、魅惑のモリソンワールドよ。

日々雑談~1753~

 クロスボーンズ、俺はデッドプール誌で捕まったところまでしか確認してないけど、もしかしたら別の作品、例えばアベンジャーズ誌で平然と活動していたりキャプテン・アメリカ誌で脱走シーンが描かれている可能性もあり。主人公クラスだと、流石に動きを抑えられるか言及やヒントがあるけど、ヴィランやサブキャラレベルだと、眼の届かないところで脱獄や就職をしている時があるから、なんとも困るぜ……。

 今期アニメ、色々な所の意見を見ていると、ナンバーワンと呼べるアニメが決まらん感じだなあ。これは決して、秀でている作品が無いのではなく、むしろどれも突き抜けた作品や完成度の高い作品ばかりで、結果意見がバラバラになっている感じ。豊作の秋を実感。俺も今期、オレツインテールになりますやガンダムビルドファイターズトライにディスクウォーズ等々、ちゃんと週間録画した上で見ている作品多いもんなあ。多彩な良作揃いというのは、いいことだ。

>BSプレミアムで放送したドラマ「戦艦大和のカレイライス」は良い作品でした。

 「戦艦大和のカレイライス」は呉の大和ミュージアム、というか呉でめっちゃ推されていたので気にはなっていたのですが、いかんせんウチはBSが見れず……。予告映像はちゃんと見てきたので、ある意味生殺し状態。現状、ソフト化もしくは地上波での放映を待つしかなく。めっちゃ見たいし、その上なんかカレーというかカレイライスを食いたくなってきた。小麦粉とか使ってる、黄色いヤツ。

ディスクウォーズ:アベンジャーズなコラム~その32~

 ディスクウォーズ:アベンジャーズ第32話。
 ヒカル兄さん&ソーの属性エナジー回。さて、セカンドヒーローは誰かな!?(白目)

 いきなりの開戦、ソーVSグラビトン! マスターズ・オブ・イーヴル随一の実力者たる自負からか、妙な小細工はせず、真正面から迎え撃つ形に。結局のところ、ビルドアッププレートという火力増強パーツの存在を知らなかったので、負けてしまいましたが。元々の重力の支配者たる自信がスフィアの力を手に入れた事で、自信ビルドアップ。例えば常人のキャプテン・アメリカやホークアイが超人と相対した場合の突破口にしてカモとなる、過信を招いてしまった感じかと。もしくは、他のヴィランが行っていた、グリーンゴブリンやレッドクリムゾンを使っての消耗戦法。本命はレッドスカルで、グラビトンは前座と考えれば、作戦的にも悪くはなく。連続Dスマッシュの情報が流れていても、そもそもヒカルの手元に他のディスクは無いし、セカンドヒーローも居ないので、実質無意味な情報ですしね。時間制限5分は変わらず。

 ヒカルの心、ソーの心を揺らがす、レッドスカルの奸計。奸計と言えばロキなのですが、ロキの奸計はまず幻惑幻覚を使っての嘘八百。幻惑や幻覚が本来使えないレッドスカルは、舌と頭脳。相手の心の隙間を見抜き、相手にとって最悪の方に誘導していく。映画ダークナイトのジョーカーが人を狂気に誘うピエロだとしたら、DWのレッドスカルは相手の選択肢を用意周到に潰していく蛇。どちらも、人を陥れる悪辣さにおいては天下一品。ヒカルの弟を思う気持ちも、ソーのヒカルへの兄としてのシンパシーも、どちらも間違っていないもんなあ。間違っていないまま、道を誤らせる趣味の悪さ。ソーはあえて洗脳せず、他のヴィランのディスクを渡すこと無く、アベンジャーズと戦わせる。DWのレッドスカルは夕方六時半に流せるギリギリの邪悪として造形されたそうですが、目に見える残虐さは無いのに残酷なレッドスカルを作り上げた時点で目標達成かと。

 セカンドヒーローを取り上げればいいかな?と甘く見ていたら、本編それどころじゃなかった!
 というわけで、未紹介なヒーロー&ヴィランから、本日出番のあった一人を紹介。一コマだけと言われたらそれまでですが! CV無かったよね?と言われたらそれまでですが! 今日はレッドスカルの腹心、クロスボーンズで! レッドスカルは出来れば今シリーズのシメ辺りに、セカンドヒーローで唯一紹介してないアイアンフィストは多分また機会があるはず。アイアンフィストを後に回すのは、ヒーローズ・フォー・ハイヤーコンビ出演へのある種の願掛け……!

クロスボーンズ

クロスボーンズ全身

 ナチズムの権化、アーリア人の理想型、ヒトラーの後継者にしてヒトラーが恐れた男。第二次大戦中、強烈な悪意で世界を恐怖に陥れたレッドスカル。滅び去った悪党であっても、そのカリスマ性は不滅であり、多くの信奉者を世に残した。ニューヨークの下町に住んでいた子供、ブロック・ラムロウもその一人である。悪意のタガが外れていたラムロウは、15歳の少女を暴行した上、止めに来た少女の兄を殺害するという、外道たる人間として成長する。(なお被害者の少女は後に傭兵ダイヤモンドバックとなり、クロスボーンズと何度も戦うことになる)
 自らの暴力性とレッドスカルへの憧れを持ち続けたラムロウは、暴力性で金が稼げる仕事、傭兵への道を選ぶ。傭兵育成スクールを開校していたタスクマスターによる訓練を三年ほど受けたラムロウは、一流の傭兵に成長(この時、見学に訪れたレッドスカルが素養を認めたとの話も)。コードネーム“フラグ”を名乗り活動を始め、遂に憧れの存在であるレッドスカルの部下となる。だがしかし、このレッドスカルは赤は赤でも共産主義の赤、共産主義活動のためレッドスカルのふりをしていたアルバート・マリクがその正体だった。だが、マリクは敗れ、配下のうち生き残ったのはラムロウだけという悲惨な状況になってしまう。そんなラムロウの前に現れたのは真なる骸骨、彼の道を定めた本物のレッドスカルであった。理想そのもののレッドスカルに改めて出会ったラムロウは、レッドスカル心酔。彼の忠実な部下となることを誓う。レッドスカルはラムロウにフラグに代わる新しいコードネーム、クロスボーンズを与えた。傭兵クロスボーンズの誕生である。クロスボーンズは、レッドスカルの敵であるキャプテン・アメリカやアベンジャーズと死闘を繰り広げる事になる。シビル・ウォーでのキャプテン・アメリカ暗殺事件やレッドスカル逝去後の後継者たる娘シンの奪還と、キャプテン・アメリカやレッドスカルにとって、語るに欠かせぬ存在となった。

クロスボーンズ

 相手の動きを瞬時に記憶し再現できるタスクマスター。ダイヤモンド型投擲スパイクを操るダイヤモンドバック。クロスボーンズには、他の傭兵のような特殊能力や特別な装備は無い。だがレッドスカルが目をかけ、タスクマスターが技をパクるだけあって、クロスボーンズの能力は高水準でまとまっている。残忍と称される格闘術、武器や爆発物への精通、体中に隠した銃やナイフといった暗器。逆に言えば、特殊能力や特別な装備に頼らずとも戦えるだけの強さを持つ常人なのだ。
 映画キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャーでは、キャプテン・アメリカを裏切りヒドラに加担した実務部隊エージェント“ブロック・ラムロウ”として登場。サバット使いの傭兵バトロック・ザ・リーパーと共に、映画の世界観に合わせての出演を果たした。ただ、クロスボーンズと名乗ることも呼ばれることもないので、本当に言われなければ気づかないレベルの出演である。

ブロック・ラムロウ(映画版)

 レッドスカルの配下として働いてない時は、普通に傭兵として活動。ついこの間は、ある事件に巻き込まれた結果、多額の賞金をかけられたデッドプールを襲撃した。

デッドプールVSクロスボーンズ

 だが、デッドプールの新婚さんを巻き込むルール無用な残虐ファイトの前に敗北。

ひき逃げ!クロスボーンズ!

 気絶した後、気球に乗せられ、海に落ちて漂流し、カモメを食って生きながらえ。デッドプールにリターンマッチを挑むが、服を燃やされ街中でブリーフ一丁にさせられた上で敗北。SHIELDに逮捕されてしまった。

デッドプールVSクロスボーンズ 決着!

 余談ではあるが、このブリーフもといクロスボーンズを逮捕したのは、映画の逆輸入キャラであるエージェント・コールソン。奇しくもコミック上で、キャップを崇拝するエージェントがキャップを裏切ったエージェントを逮捕するという、映画的に中々面白い光景が繰り広げられることとなった。
 そしてこの時、デッドプールVSクロスボーンズに、デッドプールに多額の賞金をかけた黒幕も乱入してくるが、そもそも黒幕とデッドプールの因縁も、黒幕の未払から始まっている。

デッドプール「おい。コイツ、景気のいい話はするけど、金払わないぞ?」
クロスボーンズ「傭兵を雇っておいて金を払わないなんて、ゴミだな、ゴミ!」

 デッドプールとクロスボーンズは一時休戦、黒幕をゴミ収集車に叩き込んでスイッチONした後、また戦いを始めた。金を払えばどちらにでも付く、ドブネズミ野郎と呼ばれる傭兵。だが、ドブネズミ唯一のルールにしてプライドである金をごまかすとこうなる。レッドスカルのように心酔させられないのであれば、相応しい対価を用意してから雇うべきだろう。