すなかけさん

 自転車を忙しなくこぐ中年女性。上り坂の頭に差し掛かった時、一人のみすぼらしい老婆にぶつかりそうになった。少しカスッた気もしたが、急いでいるし、気のせいなら謝る為わざわざ止まるのもめんどくさいと都合の良いように解釈し、無視して坂に差し掛かる。老婆は何も言わなかった。
 坂の中盤に差し掛かりスピードが乗ってきたその時、パッと目の前に突如砂が散った。砂は目に入り、完全に視界を殺す。この自転車のスピードで視界を殺される事は、己の死に直結する。ブレーキを全力でかけるが止まらない。ハンドルもぶれ、高速で身体が自転車から弾き飛ばされる。地面に投げ出され体中の痛みに耐え切れず唸る。ようやく徐々に視力が戻ってくる、薄っすらと見える先には、こちらに向かい突進してくるダンプカー。坂の終いは、大通りに直結していた。
 老婆はケケケと笑い、事故現場を坂の上から見やる。そんな中、後ろから歩いてきた青年が老婆にぶつかった。完全に注意力を坂下の事故現場に全てやっていた老婆は無様に転倒するが、青年は謝りもせず変な身振りをして立ち去ろうとする。老婆は恨めしそうに懐から砂を取り出した。

more

モメンさま

 或る女生徒が死んだ。
 夕方学校の屋上から飛び降りた彼女は、昇降口辺りに赤く散った。
 別に彼女と付き合いがあった訳ではないので彼女が何で死んだのかは知る由も無い。ただ、うっかり彼女が潰れる瞬間を見てしまった僕は、あの光景は一生忘れられないだろう。人が死ぬ瞬間を見せ付けられたのは流石にショックだったが、その後の光景は残虐を通り越してもはや奇異としか表せないものだった。
 僕は一生忘れられないだろう。ぐしゃりと潰れた彼女を悼むように、屋上からばら撒かれる色とりどりの布の切れ端。そして、屋上で潰れた彼女を見下ろす謎の人影を――

more

近況報告

町医者から始まって、ついに医大病院まで到達した俺の倦怠感+微熱3ヶ月維持状態。流石に体力的に厳しくなってきた今日この頃、検査の結果医大で下された結論は……
えーと俺、精神病院なんて初めてだよ。内科的には炎症反応や血液や肺にも異常が無い健康体、もう可能性としては器官に癌があるか精神的な病なのかどっちかだと。年齢的に前者はありえないので、後者に的をしぼってよいというお話でした。
きっかけは確実に喉の炎症だったんだが、まさかそっち方面にスイッチしていたとは。喉は完治してるのに治まらないワケだ。喉の病気してる時に仮病だって噂ガシガシ流されまくって、当時はなんとか耐えてたんですがこっそり心に来てたようで。噂なんか気にするなって考えもあるけど、俺の耳で聞こえる位置で噂されれば流石に気にしますよ。ま、こんな仕打ち様々受けてればそりゃあ心もやられるわな。

身体は健康なのがハッキリしたので、まあ一安心。あー本気で腹を据えたのでキッチリと原因とおぼしき人物にはツケを払ってもらいます。捨て身ならなんでもできるんで。とりあえず、俺は元気ではないですが肉体的には完全復活です。

しかし久々に更新したネタがこれかい(苦笑)