こまけえことは……ちったあ気にしろよ。

士「よし、みんな、スーパーショッカーとの最後の決戦だ! 夏海、後ろに乗れ!」
夏海「はい。マシンディケイダーは二人乗りがしやすいですね」
ユウスケ「よーし、俺のトライチェイサーが火を噴くぜ!」
海東「ねえ、士、僕はどうしたらいいんだろ。なんかバイクで向かうって流れになってるけど」
士「ああん? ユウスケに乗せてもらえよ」
ユウスケ「男同士の2ケツで仮面ライダーが登場って……」
士「でもそれは、夏みかんと交代して、こっちに乗っても一緒だろ。よし海東、走れ。いつもバイク無しで俺達に付いて来てるじゃないか」
海東「専用バイク、欲しかったなあ」
士「そういうセリフは、アレを見てから言え」

亜樹子「こんちくしょぉぉぉぉぉぉ!」

海東「謎の女子中学生が、謎の青年を背負って全力疾走してる……」

 亜樹子はフィリップを背負った状態で、よくWに追いついたな。いかん、これディケイドの感想だった。
 まず最初に仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイド MOVIE大戦2010 第一部「ディケイド完結編」感想。こっちがお祭りだからしょうがないよねーと納得する分にはいいものの、向こうからお祭りなんだから大目に見ろよ!と言われるとちょっち納得がいかない。管理者のこの考察が現状の総評なのかもしれない。

 昭和ライダー、いらなくないか?
 最終決戦でも復活してないし、いっそ出なくてもよかったような。スカイライダーはブレイド(J)で代用できるし、スーパー1は誰でも出来る。巨大なJくらいかね、クウガからのライダーで代用できないのは。あとはライオトルーパー。もし逆に昭和ライダーでライオトルーパーを再現するならば、ショッカーライダー連れて来るしかないぜ。一応量産型だ。
 ネタを使いこなせないなら、無理に組み込まなくてもいいのに。

 スーパーショッカー最誕! 鳴滝さんは作品を面白くしてくれる妖精ぐらいの解釈でいいんじゃないかな。まあ、ディケイド独自の敵って、鳴滝さんしかいないワケで。他の人はみんな借り物。ディケイドの邪魔をするって行動原理は、鳴滝さん一切ブレてねえよな。
 スーパー死神博士と蜂女にネオ生命体、平成10周年のボスなのにみんな10周年関係ねえ! よう考えりゃあ、ディケイドの敵は大&スーパーショッカーって時点でなんかおかしい。ライダーは新生してるのに、敵は旧作からって。大グロンギやスーパースマートブレインに出てこられても、それはそれで困るけど。もう平成のスーパは、スーパー童子だけでお腹いっぱい。

 タックル、いらなくないか?(二回目)
 いらないと言うより、タックルに込めた意味が全く伝わってこないと言うか。それなりに必要性があることをインタビューや対談で聞いたけれども、見て分かんなきゃただの裏設定じゃね? 劇場でタックルの役目を理解した人間が何人いたことか、少なくとも見に行ったツレ(複数人)は誰も分からなかったぞ。
 ネタが使いこなせないなら、無理に組み込まなくてもいいのに(二回目)
 何に驚いたって、タックル役の広瀬アリスが14歳なのに驚いた。アスムと一歳違いって。亜樹子さんの立場ねーな!

 すごいぞディケイドげきじょうたい! かめんライダーブレイドもりゅうきもかなわないぞ!
 最終回、あんだけ迷惑かけてくれた剣崎さんが一撃で。管理者はこのシーンがディケイド完結編で最も重要なシーンだとのたまってました。お前もう、ブレイドと結婚しろよ。ラブプラスのアレみたいに、ブレイドのソフビ持ってグアムの教会まで行って来いよ。

「さあ来い! キバーラ! 俺はあと一撃で死ぬぞー!」
 なんか終了後、知り合いと喋ってたら、今回のディケイドの原作はギャグ漫画日和なんじゃないかという結論にたどり着いた。けっこう細かいところの適当さが似てた気もするけど、コミックス持ってないので確認が出来ん。
 ディエンドも(たぶん)スカルもWも生き残っていたのに、ライダー全滅宣言しちゃってよかったのだろうか。

「ディケイドに物語はありません」
 俺は、物語が無いものの感想をせっせと書いていたのか……。
 ディケイドが関わる事により物語が新生し息吹を取り戻した。破壊からしか創造は始まらない。言ってる事は正しいし、テーマ的にも初志貫徹はしているので、ここでようやく風呂敷を畳めたといった感じ。そして、士が復活したことで旅の意味も見出せた。
 ここでいきなり終わっても、違和感無かったかもしんない。だってスーパーショッカー影薄いんだもの。

 ドラス、夏の映画のモブに居たのにラスボス候補……せめて赤く塗って赤ドラスにすりゃあよかったのに。微妙にディティール違うけど、まんまよりかは。
 最強最悪のドラスを倒すのは、これまた全員最強フォームの復活平成ライダー軍団。地味にライジングアルティメットさんが再登場だ! そして地味にパンチで援護。ライジングアルティメットマイティキックは何時の日にか見れるのだろうか。てーかキャラ名も技名も長ッ!

 マンモスメカ、いらなくないか?(三回目)
 いやその、別にリボルギャリーでもスーパークライシス要塞と渡り合えそうだし。出た意味があんまなかったような。蹴散らす絵が欲しいなら、エラスモテリウムオルフェノク激情体でいいじゃん、名前長いけど。555のパラダイス・ロストにいた、巨大オルフェノク。
 ネタが使いこなせない以前に、登場の理由が全く分からん。

 今回の話、ライダーの内ゲバにしか見えない。
 夏の映画は大ショッカー大暴れのシーンがあったので、世界ヤベえと思ったけど、今回スーパーショッカーは破壊活動まで及んでいないので、危機感が無い。ライダーがバトルしてます、全滅しました、復活しました。ライダー達の間だけで物語が進んでいて、壮大な設定なのに世界観が物凄く狭い。夏の映画のようなじっくり一本で作れる状況が、今にあればよかったのに。あったらあったで、変なコトやって無駄にしそうですが。

 結局ディケイドは、平成ライダーの良いとこ悪いとこ、両方総括してしまった作品だったのかもしれない。子供向けにしては難解で、大人向けにしては破綻している不安定さ。最初は脱却できそうだったのに、最後の辺りは結局いつもの平成ライダーの辺りに着地してしまった。10年の集大成って意味じゃ合ってるのかもしれないし、総括したからこそ新たな息吹、Wが作れたのかもしれないけど、結局全ては超えられなかったということで。

 結構酷評してますが、つまんなくはなかったです。むしろ楽しかった。元々、細かいことを気にする性格じゃないし。
 ただ、ディケイドのTV版最終回に満足している人間は、自分達がやったことがどれだけ信頼を損ねているかを知った方がいい。W前の第一部完の瞬間に劇場に流れた溜息。あれがディケイドの信頼度の全て。偽エンディングに騙された以上に、この作品なら投げっぱなしにしてもおかしくないと思われていること。してやったりとニヤけるんじゃなくて、ここまで作品への不信感を抱かせてる事を反省しないと。不信感を逆手にとってやったぜ!ぐらいに思っていても可笑しくないからな、一部スタッフのファンタジーぶりを見るに。
 失った物や信頼を取り戻すのは、下手すると10年でも足りないぜ?