アルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックスなコラム~バルチャー編~

 今週のアルティメット・スパイダーマン VS シニスター・シックスは、アーマー装備のバトロック・ザ・リーパーやバルチャーだけでなく、まさかのアイアンパトリオットやアメリカン・サン登場と、えらく豪華というかようも全員出せたなな回でした。星条旗カラーのアイアンマンスーツことアイアンパトリオットと言えば、映画ではウォーマシンのバリエーションとして。原作コミックスではグリーン・ゴブリンなままのノーマン・オズボーンの鎧として出たスーツでしたが、まさか正義のノーマン・オズボーンが着るスーツとして、こうして登場させるとは! トニー・スタークが著作権や特許を主張しそうなオリジナルスーツでしたが、それはさておき!
 という訳で今日は、ディスク・ウォーズでは毎週、アルティメット・スパイダーマン:ウェブウォーリアーズでは不定期だった、キャラ紹介コラム。久々のコラムです。毎週は厳しい状況なのですが、こうして時間出来次第やっていければなと。
 本日取り上げるのは、今週シニスター・シックスの候補として登場したものの落選、新作映画での登場も噂される彼です。

バルチャー

スパイダーマン対バルチャー

 優れた発明家であり技術者でもあるエイドリアン・トゥームスは、経営者である親友と共に会社を立ち上げた。トゥームスは脇目もふらず開発に専念し、様々なアイテムを発明するものの、既に親友は彼を裏切っていた。会社の収益もトゥームスの才能も限界に達したと思われたその時、ついにトゥームスは会社を追い出された。特許も奪われ、全てを失ったと思われていたトゥームス。しかし彼は、自身最大の発明となるであろうアイディアを持っていた。会社を追い出されたトゥームスは、電磁力により装着者に飛行能力を持たせる飛行ハーネスの開発に成功する。

 飛行ハーネスという骨格に、鳥の如き羽毛や翼を追加、飛行能力に加え、身体能力をも倍増させるスーツを完成させたトゥームスは、自らスーツを装着。空より自身をうらぎった親友を遅い、会社の金庫から正当なる報酬を奪い返すことに成功した。
 痺れるような、快感。だがこのトゥームスの快感は、復讐を成し遂げたことが理由ではなかった。空を自由自在に飛ぶ。老いた自身の身体能力が倍増されている。自身の発明品に酔ったトゥームスは、このスーツを遠慮無く使える職業、犯罪者になることを決意する。空を飛ぶ、禿鷲の怪人“バルチャー”の誕生である。

バルチャー初登場

 空飛ぶバルチャーを警察は捕まえることが出来なかった。バルチャーの犯行は大胆かつ派手になっていき、ニューヨークはバルチャーの話題一色となる。バルチャーを追う警察、そしてマスコミ。バルチャーの劇場型犯罪は、一人の新人ヒーローにあるアイディアをもたらすこととなる。

 バルチャーの前に現れたのは、親愛なる隣人スパイダーマン。機動性にてスパイダーマンを翻弄するバルチャーだったが、飛行能力の秘密に気づいたスパイダーマンは、飛行能力の無効化装置を開発。墜落したバルチャーは、犯罪者としてだけではなく、技術者としての誇りも傷つけられ、以後スパイダーマンの宿敵として何度も戦うこととなる。

 バルチャーの敗北後、バルチャーの写真を売りに来たのをきっかけに、NYの新聞社デイリービューグルに一人のカメラマンが出入りするようになる。彼の名はピーター・パーカー。ピーターが得意とするのは、スパイダーマンや彼と戦うヴィランに関係する、衝撃的瞬間やピンナップ。この仕事は、スパイダーマンの正体であるピーター・パーカーの生業となっていく。スパイダーマンとしての戦いを写真に撮って、マスコミに売る。このアイディアをピーター・パーカーが思いついたのは、マスコミを騒がすバルチャーを見た時だった。つまりバルチャーが、カメラマンとしてのピーター・パーカーの生みの親ということになる。

 復活したバルチャーは、当然スパイダーマンが開発した無効化装置への対策を練っていた。それにとどまらず、自身が時代遅れの悪党にならぬよう、バルチャーは発明家のトゥームスとして、スーツへのアップグレードを重ねている。最高飛行速度や到達高度や身体能力は更に増大。手足に鉄をも切り裂く鉤爪の追加し、場合によってはデザインの根本的な見直しもおこなうと、バルチャーの強化は留まることを知らない。ヴィランであり発明家であるバルチャーの本質は、ヒーローであり発明家、スーツへのアップグレードも積極的に行うアイアンマン(トニー・スターク)に近いものがある。

バルチャー(ニューコスチューム)

 バルチャーはスパイダーマンの宿敵の一人であり、宿敵連合シニスター・シックスにも結成時から参加している。投獄されたトゥームスを騙しスーツを奪った犯罪者、ブラッキー・ドラゴ。飛行スーツを量産した複数人のバルチャーのチーム、“バルチュリオンズ”。生物的な改造と飛行スーツの組み合わせにより、酸を吐く能力も持つレッドバルチャーことジミー・ナターレ。このように複数人バルチャーは居るものの、ドラゴは復活したトゥームス本人に敗北。バルチュリオンズも数の力で押しきれず壊滅。ナターレはパニッシャーが殺害。バルチャーはやはり初代のハゲ頭ことトゥームスのイメージが強い。アニメだとそれなりに新機軸が打ち立てられているキャラではあるのだが。

バルチャーVSバルチャー

バルチュリオンズ

レッドバルチャー

 旧来からの敵ではあるものの、今のところ、映画スパイダーマンシリーズには出ていない。出ていないものの、実は何回も出演が検討されており、その度にポシャっている悲しいヴィランでもある。サム・ライミ版スパイダーマンでは3や未制作となった4への出演が検討されていたものの、出番のないままシリーズが凍結。映画アメイジング・スパイダーマンでも、2にて飛行ハーネスらしき機械が登場するが、こちらもシリーズ凍結と、実写化への縁の無さはスパイダーマンヴィランの中でも随一。それでも、新作映画であるスパイダーマン:ホーム・カミングでの出演が検討されているようなので、是非とも三度目の正直を叶えて欲しい。