日々雑談~2107~

 というわけで、昨日のフリの通り、空いた時間を駆使して、「劇場版 ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン」を観てまいりました。劇場版キンプリは、ちょっとだけ劇場が遠く、空いた時間でどうにかできなかったので、また今度。今度まで、やっていてくれればいいな。

 新ウルトラマン列伝にて放映されていたウルトラマンX、その最終回以後のお話。東北、芭羅慈遺跡にて封じられていた、旧世界に君臨せし地獄の体現者、閻魔獣ザイゴーグが復活。特殊防衛チームXio、その一員である大空大地と内なる相棒ウルトラマンエックスが立ち向かう……いやねえ、削ればテレビの一話で済みそうなストーリーなのですが、このザイゴーグがそれを許さないのですよ。漢字で書くと、罪業苦。右腕は棍棒、尻尾はノコギリ、頭には角、背びれは針山、赤の体色は灼熱、青の体色は極寒、一度動けば湧き出る血の池。地獄を怪獣の暴威で固めて具現化した、とんでもない完成度なわけですよ。神々しさや細身が流行りの特撮ボス勢にぶちこまれた、直球の怪物。ウルトラマンXのTV最終回におけるラスボスは、虚無の具現化である虚空怪獣グリーザだったので、互いにかち合うこと無く恐怖を演出しております。

 ゲストウルトラマンは多数出るものの、メインとなるのは初代ウルトラマンとウルトラマンティガ。昭和兼シリーズのはじまりの初代と、平成のはじまりとなるティガ。二人の始祖と、最新のウルトラマンであるエックスが並び立つ光景。こりゃたぎります。芭羅慈遺跡の名称は初代に出た幻の町バラージ、東北の遺跡に眠るティガの巨像はまんまティガ第一話の光景。知らなくても面白いけど、知っているとニヤリと出来る。良い匙加減です。

 そして、特撮。従来の撮り方だけでなく、3人のウルトラマン&Xio対ザイゴーグ率いる怪獣軍団の乱戦を躍動感あるパノラマで! 合成を駆使した、世界各国での戦い! え? こんな撮り方あるんですか!?な見応えある映像がてんこ盛り。同じウルトラマンの映画としてなら、ウルトラ銀河伝説も同じくらい新鮮で画期的だったけど、われらのウルトラマンは、ウルトラマンならではの映像を更に追求した感じですね。シリーズが止まること無く、成長し続ける姿。最近海外特撮勢のイキの良さが目立ってますが、なにまだ日本も十分元気かと。
 一言で言うなら、ウルトラマンの王道ともいえる本作。演出やギャグを遠慮会釈なしにぶっこんでくる分、ドラマ的な部分の好みが分かれそうですが、母と子の絆が生み出す奇跡のような、ベタな心地よさもあり。春の映画ラッシュに埋没せず目立って欲しい一作です。

 あと、観た人向けに言うなら、一番のツッコミシーンは「お前、飛べるの!?」ってトコですよね!?