新刊の断片

「コンピ研の部長がまた行方不明ねぇ。正直、気が乗らないんだけど」
 気が乗るとか乗らないとかの問題じゃないだろう。それにしてもあの部長氏は、余程の厄年か元より不幸の星の元に生まれたのではないかというくらいに、不幸街道一直線だ。こちらとしては、真剣に厄払いをお勧めするしかない。

 『またもや行方不明になったコンピ研の部長を探すことになったSOS団。しかし、事態はミステリックサインの事件を超える悪意に満ちた物であった』

「報告します。標本1~4号を捕獲」
「ダダ271号、任務を続行セヨ。特に必要とするのはSOS団に属するハルヒ・ミクル・イツキの3体の個体ナリ、大至急捕獲セヨ。ヒューマノイド・インターフェースの妨害には注意スベシ。なお、キョンと呼ばれる個体に関しては特に捕獲の必要性ナシ」
「こちら271号、任務了解」

 『人間標本を作成するために、ダダ星より派遣された三面怪人ダダがSOS団を狙う。危うし、SOS団!』

「こちら271号。ダメだ、長門有希は強い」
「271号。任務を続行せよ」

 『だが、異星人による凶悪な標本事件は長門の手によりあっさりと解決してしまった』
 『……かに見えたのだが』

「え? コンピ研の部長まだ帰ってきてないのか?」
「ダダの標本の中に彼は居なかった」

「たいへんっさ! みくるが変な縞々の怪人に襲われたよ!」
「朝比奈さんが!?」

「このシリコンの砂こそが真相への道標、そんな気がするんですよ」

 『事件は終わっていなかった。増える行方不明者、様々なおかしな事件に世間が翻弄される中で、キョンはある一つの結論にたどり着く』

「ひょっとして、もう一人ダダがいるのか……?」

 『涼宮ハルヒの侵略「二重の三面~三面怪人VS侵略回路~」にご期待ください』