電王&キバ~続くクライマックス~

 「仮面ライダー電王&キバ クライマックス刑事」を見てきました。
 理屈とか設定を水平線の向こうに投げ捨てていた。なんというか黄金期のジャンプ漫画みたいに。アタルは兄さんだし、老師の中身は若者なのですよ。詳細な設定が好まれる昨今で、設定投げっぱなしジャーマンを観客に許容させられるのが電王という作品。これも作品の魅力の一つですよ。

 以下ネタバレ注意。いやー金が無いのがミエミエでもけっこう誤魔化せるもんですね。

「デンライナー署のモットーは2つ。ひとーつ俺たち自身が捜査手帳!」
「二つ。僕達自身が捜査令状」
「みーっつ! ワシらに逮捕できないのは神のみ!」
「ワーイ。全部言えたねー」
「いや……ひとつ多いんじゃないかな……」
 殆どフォロー無しで刑事に転職したデンライナー御一行様。TV版のラストで明るく爽やかに別れたハズの良太郎さんも普通にいらっしゃる。ジークは何処行った?
 普段の映画だと自分達の知らない敵であるファンガイアを見て「あーアレが最近噂の」レベルで済ませるのがステキ。ここは普通何者!?って驚いてストーリーが始まるポイントだよ。ほんと、無駄な設定補完とか完全にうっちゃってる。しかも普通に倒しちゃったし。
 もしいつもの井上脚本だったら
 何者!?→相手の正体が分からぬまま戦闘へ→電王敗れる→キバ乱入→勝利→き、君は誰?→問答無用で襲い掛かるキバ→ライダーバトル
 井上脚本は最終的に必ずライダーバトルに帰結します。テストに出るので覚えて置くように。少なくともこの流れを断ち切っただけで、小林脚本による映画の意味は大きいな。

 イマジンが何故普通に現界できるのか?
 愛理さんが何故当たり前のようにデンライナーに搭乗できるのか?
 出来る! 出来るのだ!
 電王はシグルイなり。
 自分で書いていてワケが分からなくなったんですが、こんな感じで。なんつーか、皆和気藹々とお祭り気分なんで見てて楽しいんですよね。パラレルや外伝や続編なんてかんけーねえよ張りに皆で酒飲んで大騒ぎ。リュウタロスと愛理さんの初遭遇や、ウラ侑斗やモモ渡に、大暴れのキン良太郎などの本編で出来なかったり書ききれなかったネタをてんこ盛りで。他の憑依良太郎やデネブ侑斗もきちんと出ているのが良いな。基本も抑えている。
「いけない、ワインの染みは落ちないんだ! 頼む、洗わせてくれ!」(byデネブ)
 ちなみに、このシーンが作中で最も緊迫感溢れるシーンでした(エー
 笑いも絶えず、客席が暖かかったよ。

「究極の悪の組織、ネガタロス軍団(仮)を作る!」
 すげえ、なんて知性を感じさせない悪役だ。CV緑川なのに。
 ネガタロスにネガ電王共に、新造ではなくモモタロスと電王のスーツを改造したんだと思いますが、それ以上に金の無さを感じさせたのが手下のファンガイア軍団。着ぐるみどころか、顔にちょこっとペイントしただけですからね。これで一般のファンガイアなら、グレートムタが大幹部でグレートカブキが首領じゃね?
 ネガ電王はただのパチモンではなく、ネガデンガッシャーを操り、格好はソードフォームながらも電王各フォームと互角以上に戦ってました。ガンフォームには普通に勝ったし。リュウタロス、スペック的には最高のイマジンの筈なんだが……。どうもTV版から負け癖がついている。銃を使うライダーは弱いとのジンクスのせいか、はたまた中の人が受けた呪いのせいか。アンタはいったいなんなんだー!!
 ネガタロスのネガは、ポジネガのネガとネガティブにかけているのだろうか。

 キバ空気だった。具体的に言うならば、撃墜数でコハナに負けている。まあコハナは相手がチンピラだったとはいえ、五人ほど屠っているが。撃墜数ダントツの幼女。まとめて二人蹴り飛ばしたり、鉄パイプ一本で日本刀持った大人に殴り勝ちしてたよ。うん、君がネガタロスと戦え。
 正直キバは居ても居なくてもレベル。たぶんまだこの時期はキャラが固まっていなかったのと、ビデオ販売から劇場公開に移ったためのタイムラグのせいだと思うのですが。だって、キバの第一話ぐらいの時期に公開されていたら、コレぐらいの露出でちょうどいいもの。もう一人のキバこと、親父のバカさが電王風味にアレンジされていた。ポジティブバカ。てーか、井上脚本のバカってたまに単なるキチガ(略 
 でもデンライナー&ゼロライナーVSネガライナーの戦いにキャッスルドランで乱入した時は普通に燃えた。いや、なんでキャッスルドランが時の狭間に?とか思ったけど、考えたら負けだ。
 あの三機が繰り出した合体技は※ライダートリプルパワーのオマージュなんだろうか。

※ライダートリプルパワー……1号ライダー、2号ライダー、V3の三人が強敵原始タイガーを打ち破る為に繰り出した合体技。1号2号が併走させるサイクロンにV3が飛び乗り、そのまま突撃する技。ポイントはV3が危なげに手足をプルプルさせている辺り。普通にアブねーよな。

総括……細かい事なんか知りませんのお祭り風味でスゲー楽しい。良い悪いではなく、楽しいという評価が前提に来る。電王の本編が一話でも良いなーって思った人は是非見るべき。

 国会議事堂をぶっ壊すと言うストレートな悪行をネガ軍団がかまそうとしていました。いいぞネガタロス!
 結局議事堂は無事だったんですが、隣で見ていた管理人曰く、作中で議事堂が爆発していれば満点の映画だったと。オマエはテロリストか。