物を混ぜるのって難しいんですよ

 喪黒福造の憂鬱、これは実にエクセレント!
 とりあえず通しで読んでみたが、作者が笑ゥせぇるすまんという作品をわかっているのがひしひしと感じられて実に素晴らしい。ハルヒ、みくる、長門の三人が迎えた結末は、それぞれが笑ゥせぇるすまんの数種類のテンプレに当てはめられていて上手く纏まっている。
 古泉はオチはアレでいいと思うが、ちょっと作品自体は微妙かな。でも、ハルヒは知っていて喪黒を知らない人には意味がある話だ。
 そしてキョンは、笑ゥせえるすまんの中で最も幸福で最も末恐ろしいというオチの役割を担っている。
 まーハルヒ好きより、藤子好き向きやね。

 ちょっとクロスオーバーについて語ってみようと思います。数だけは書いていますしね、俺も。

 クロスオーバーって簡単そうに見えて、スゲー難しい。単純に考えて参考にする作品が増えるわけですからね。キャラの性格や口調や能力にと、注意を払うべき箇所が増えれば難しくなりますよ。
 俺なんかは結構この辺りは適当に考えている面もありますね。ちょっと強引に解釈してでも、話が面白くなる方を優先する辺りが特に。宝具って大体が未知の金属で出来てるんだから、マグネットパワーに多分吸い付かねえよな。
 パワーバランスのお話もあります。よほど差があるイメージで無い限り、力関係を示すには説得力を持たせる必要がありまして。もう相手の作品を踏み台にして、こっちの作品を立たそうぜーという感じで書けば別に悩む必要は無いんですが、こんなん余程熱狂的な片方の原典のファンで無い限り面白くもなんともねーよな。熱狂的でも良識があれば眉をひそめるだろうし。オリキャラはサジ加減を間違えれば、もっと酷い事になりますがね。

 あとこれはもうスパロボだろうがなんだろうが、クロスオーバーである限り避けられないものなんですが、元ネタ知らんとどうにもならんのですよね。元ネタを一つも知らないと手を出す気にもなれませんし、片方だけだと読んでも片方側のネタがわからんのですよ。いわゆる片翼飛行。
 この間俺が書いたハルヒ本も、周りにメフィラス星人とハルヒを知っているのが管理人しか居なかったのですよ。メフィラス知らないのは分かるけど、ハルヒ知らん人も結構居てなあ。
 あと珍しいところでは、メフィラスはメフィラスでも、2代目限定で知ってる人が居た。なんか話していて違和感あったんだよ。俺がネタにしたウルトラマンに出た初代は未だ最強宇宙人説が囁かれる大物、数年後のウルトラマンタロウに出た二代目は愉快犯同然の小物だったのでそりゃあイメージが通じねえよな。

 もっと書く事はあるんですが、キリが無いので今回はこの辺で。結局はセンスと良識が必要なのかもね。